飲食店経営において、売上アップは常についてまわる重要な課題です。しかし、売上アップにつなげるために「どうすれば集客できるのか?」「リピーターを増やすには?」と悩んでいる経営者も多いのではないでしょうか。
本記事では、売上アップに効果的なアイデアを13個と、実際に成功した事例を紹介します。また、売上アップ施策を実施する際の注意点についても触れ、失敗を防ぐためのポイントを解説します。ぜひ参考にして自店舗の成長に生かしてください。
飲食店の売上をアップさせるアイデア13選!
飲食店の売上を向上させるためには、来店客数を増やすだけでなく、客単価の引き上げやリピーターの獲得、無駄なコストの削減など、さまざまな要素を組み合わせた施策が必要です。この章では、売上アップに効果的なアイデアを13個紹介し、それぞれの具体的な実践方法について解説します。
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期間限定メニューを開発する
期間限定メニューは、新規顧客の獲得やリピーターの増加につながる強力な施策の一つです。特に、季節ごとに異なるメニューを提供することで、「今しか味わえない特別な料理がある」という印象を持ってもらえます。たとえば、夏は冷えたスムージーやジェラート、冬は体が温まる生姜を効かせた鍋料理などを提供すると、季節感を活かした魅力的なメニュー展開が可能です。
さらに、「期間限定」や「数量限定」というキーワードを強調することで、消費者の購買意欲を刺激し、追加注文や来店を促す効果もあります。SNSを活用したキャンペーンと組み合わせれば、より多くの人に新メニューの情報を届けられるでしょう。
セットメニューやコースの設定で客単価を上げる
セットメニューやコース料理を設定することで、客単価を向上させる効果が見込めます。そのためにはまず、単品で注文するよりもセットやコースの方がお得だと感じるように工夫することが重要です。成功すれば、顧客の満足度を高めながら売上を伸ばせるでしょう。
さらに、飲み放題プランも設定すれば、宴会やグループ利用の促進にもつながります。そのほか、カップル向けには「記念日コース」、ファミリー層向けには「ファミリーセット」といったターゲット別のメニューを作ることで、より幅広い層へのアプローチが可能になります。
クーポンやポイントカードを活用してリピーターを増やす
安定した売上を維持するためには、リピーターの獲得が欠かせません。そのための施策として、クーポンやポイントカードの活用が効果的です。
たとえば、新規顧客には次回来店時に使用できる割引クーポンを提供すると、再訪のきっかけを作れます。また、ポイントカードを導入し、一定回数の来店ごとに特典を用意すれば、継続的な来店を促すことが可能です。
また、紙のポイントカードだけでなく、LINE公式アカウントや専用アプリを活用したデジタルポイントシステムの導入もおすすめです。デジタルポイントシステムは管理が容易で、顧客にとっても利便性が高いため利用者の増加が見込めます。
SNSやインフルエンサーを活用して集客する
SNSを活用すれば、低コストで高い集客効果を得られる可能性があります。特に、InstagramやFacebook、TikTokなどは、写真や動画によって料理のビジュアルや店内の雰囲気が伝わりやすく、高い訴求力を有しています。これらのSNSをうまく活用すれば、店舗の魅力を広く発信できるでしょう。
さらに、フォロワーの多いインフルエンサーに店舗を訪問してもらい、実際に料理を試食した感想を投稿してもらうことで、大きな拡散効果が期待できます。また、Youtuberなどの動画撮影に協力的な姿勢を見せるとYoutubeへの露出が増える可能性が上がります。
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テレビ・雑誌・グルメサイト・Google MAPを活用して集客する
テレビや雑誌、グルメサイトを活用すれば、一気に知名度が上がります。特に、地元の情報誌やフリーペーパーに掲載されると、地域の人々への認知度が高まるでしょう。また、地方のテレビ番組や情報番組に取材してもらうことで、新規顧客の獲得につながります。
食べログやぐるなび、ホットペッパーグルメなどのグルメサイトに登録し、口コミを集めることも効果的です。高い評価の口コミが増えれば検索結果の上位に表示されやすくなり、結果として予約数や来店客数の増加が見込めます。
最近ではGoogle MAPの店舗情報を店舗自ら発信し、検索結果の上位に表示させたり、見込み客にリーチしたりする施策も重要です。
営業時間の見直しで売上チャンスを広げる
営業時間の設定を適切に見直すことで、売上アップのチャンスが広がる可能性があります。ターゲット層のライフスタイルに合わせた営業形態を取ることで、新規顧客の獲得や既存顧客の利用頻度の向上が期待できるためです。
たとえば、朝営業を開始し、モーニングメニューを提供すると、通勤前のビジネスパーソンや早朝に活動する高齢者層を取り込めます。また、夜の営業時間を延長し、二次会や飲み直しを目的とする顧客をターゲットにするのも効果的です。
テイクアウトやデリバリーを導入する
近年のライフスタイルの変化により、テイクアウトやデリバリーの需要が急増しています。特に、自宅で食事を楽しみたい人や、オフィスでのランチ需要を取り込みたい場合、これらのサービスを導入することで新たな売上機会を生み出せます。
テイクアウトを導入する場合は、持ち帰りしやすいパッケージの開発や、ランチタイムの効率的な提供方法を検討するとよいでしょう。デリバリーでは、Uber Eats、出前館などのプラットフォームを活用することで、初期コストを抑えつつ集客ができます。
イベントを活用した話題性のある集客施策を行う
イベントの開催によって話題性を高めれば、新規顧客の獲得やリピーターの増加に役立ちます。たとえば、季節ごとのフェア(例:夏のかき氷フェス・秋の栗スイーツフェア) や、特定の食材に特化したイベント(例:唐揚げ食べ放題・ワインペアリングディナー) を実施すると、ターゲット層に響きやすくなります。また、SNSを活用してイベントの告知を行うことで、話題性を高め、予約の増加も狙えます。
地域のお祭りや商店街のイベントと連携し、期間限定の特別メニューを提供するなど、地域密着型の施策を展開するのも効果的です。店内のイベントを上手に活用し、他店との差別化を図りましょう。
セールストークや接客術を強化する
飲食店の売上をアップするには、料理の質だけでなく接客の質も重要です。スタッフの対応がよいと、顧客満足度が上がり、リピーターの増加や口コミによる集客につながります。具体的には、「今日のおすすめは◯◯です」「セットメニューにするとお得です」など、顧客とのコミュニケーションに自然なセールストークを取り入れることで、追加注文の増加が見込めるでしょう。
また、顧客の好みを把握し、それに合わせた提案をすることで、よりパーソナライズされたサービスを提供できます。定期的にスタッフ研修を行い、接客レベルを高めれば、顧客満足度と売上アップが期待できます。
店頭ディスプレイや店内販促の工夫で来店率を向上させる
店頭のディスプレイやメニュー看板を工夫することで、通行人の目を引き、来店率の向上が望めます。たとえば「本日のおすすめ」や「期間限定メニュー」などの掲示物は、入店のきっかけ作りとして有効です。
店内では、POPやモニター(デジタルサイネージ)などを活用し、視覚的に情報を伝えることが効果的です。料理の魅力を伝える動画を流したり、顧客の口コミを掲示したりすることで、より多くの注文を促せます。
また、外観の清潔感や雰囲気も来店率に大きく影響するため、外装や照明の工夫も忘れずに行いましょう。
季節ごとのキャンペーンと販促カレンダーを活用して再来店を促す
季節に合わせたキャンペーンの実施は、リピーターの増加や新規顧客の獲得につながります。たとえば、夏は「冷たいスイーツフェア」、冬は「温かい鍋フェア」など、季節に応じた特別メニューを用意すると、来店の動機を作れるでしょう。
また、販促カレンダーを活用し、年間のプロモーション計画を立てると、効率的な集客施策を実施できます。誕生日クーポンの配布、周年記念イベントの開催、地域のイベントとのコラボなどを事前に計画し、長期的な視点で売上を伸ばしていきましょう。
家賃・仕入れ・決済手数料を見直してコストを削減する
売上アップだけでなく、コスト削減も利益向上には必要です。特に、家賃、仕入れコスト、決済手数料などの固定費の見直しを行うことで、大幅な利益改善が図れます。
具体的には、家賃交渉によってコストを削減したり、食材の仕入れ先を見直してより安価で品質の優れた業者と契約できれば、原価率を抑えられます。また、クレジットカードやキャッシュレス決済の手数料を比較し、より低コストの決済手段を導入することで、手数料負担を軽減できるでしょう。
POSレジやキャッシュレス決済を導入して業務効率化を進める
デジタル機器による業務の効率化は、人的コストの削減やスムーズなオペレーションの実現に有効な手段です。特にPOSレジの導入は、売上管理やリアルタイムでのデータ分析にも役立ちます。
また、キャッシュレス決済を導入することで、会計スピードや、回転率の向上が見込めます。特に、QRコード決済やタッチ決済などを導入すると、クレジットカードのやりとりがなくなり、スタッフの手間が省けます。さらに現金管理の手間も削減できるため、顧客の利便性向上にもつながるでしょう。
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注意したい売上アップ施策の落とし穴
売上アップ施策を実施する際は、安易な割引や過剰なサービスはしないように注意しましょう。特に頻繁な値引きは、一時的な集客効果はあるものの、客単価の低下や価格に敏感な顧客の増加を招き、長期的な利益減少につながる恐れがあります。
また、過度な無料サービスや特典の提供は、コスト増加の原因になり、オペレーションの負担を増やす要因になることも。さらに、短期的なキャンペーンに依存しすぎると、リピーターが定着せず、安定した売上確保が難しくなります。
売上を持続的に向上させるには、適切な割引施策を設計し、顧客満足度を向上させる施策と組み合わせることが重要です。短期的な利益だけでなく、長期的な視点で経営戦略を立て、持続可能な売上アップを目指しましょう。
売上アップに成功した飲食店の成功事例3選!
売上アップの施策を実施しても、実際にどのような成果が得られるのか不安に感じることもあるでしょう。ここでは、実際に売上アップに成功した飲食店の事例を紹介し、それぞれの課題と施策を詳しく解説します。どのようなアプローチが効果を発揮したのかを参考にしましょう。
セルフサービスの導入により回転率が上がり売上120%アップ
大手飲食店グループが手がけるタイ料理店の実例です。こちらの店舗は駅直結のオフィスビル地下フロアに店を構えていたこともあり、ランチタイムの混雑が課題とされていました。
しかも昼時はお弁当も販売していたため、1台しかないレジの前には長蛇の列ができ、お客様対応に相当の時間を費やしていたそうです。
そこで、「USEN Ticket &Payの券売機機能」を利用し、ランチタイムの注文と会計をセルフ化することに決定。その結果、行列を捌けるようになって回転率が上がり、混み具合を見て諦めて帰ってしまう方が少なくなりました。
ランチタイムの機会損失を防げたことで、月間の売上金額が昨対比120〜130%まで伸びたそうです。
※USEN Ticket &Payの券売機機能:マルチ決済に対応した券売機&セルフ精算機。
オペレーションの改善で人件費削減と客単価UPを実現
とある大型海鮮居酒屋では、バックグラウンドオフィスの効率化と、ホールのオペレーション改善という二つの大きな課題を抱えていました。
そこで、POSレジの「USENレジ FOOD」とモバイルオーダーシステムの「USEN SelfOrder MOBILE」の導入を決定。その結果、これらの組み合わせがうまく機能し、ホールのオペレーション改善が実現しました。
なんと、10人前後のスタッフでなんとか回せていた状況が、7人前後でスムーズに回せるようになったそうです。これにより、人件費の30%削減を達成しました。
また、「40代〜50代のお客様には敬遠されるのではないか」と懸念していたスマートフォンを使ったオーダーシステムも問題なく稼働し、客単価5%前後の向上を実現しました。
※USENレジ FOOD:注文や売上集計・分析までお店にまつわるお役立ち機能が充実したPOSレジ。
※USEN SelfOrder MOBILE:お客様のスマホで簡単に注文ができるモバイルオーダーシステム。
TikTokの活用で予約数が前年比150%増加
近ごろ、注目を集めているのがTikTokでの集客です。ハッシュタグ機能を利用して魅力的な料理を投稿すれば、瞬時に拡散される可能性があります。さらに、位置情報機能を使い店舗の場所を表示させれば、大幅な売上アップも期待できます。
また、コメントへの的確な返信や、ユーザー参加型の企画は常連客の獲得に有効です。具体例として、ある居酒屋チェーンが行った、ユーザー参加型のプロモーションを紹介します。この居酒屋は、例年行っている季節限定のイベントをTikTokで宣伝しました。
賑わった店内や笑顔のスタッフに豊富なメニュー。さらに流行のBGMをあわせた動画は多くのユーザーに拡散され、予約数が前年比150%増加する結果となり、イベントは大成功を収めました。
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まとめ
飲食店の売上アップには、集客・客単価向上・リピーター獲得など、さまざまな施策を組み合わせることが重要です。本記事では、期間限定メニューの開発やセットメニューの活用など、効果的なアイデアを13個紹介しました。
一方で、安易な値引きや過剰なサービスは、長期的な利益を圧迫する可能性があるため注意が必要です。安定した経営を行うには、短期的な売上増加だけでなく、持続可能な成長を目指す必要があります。
本記事を参考にしながら、自店に合った方法を取り入れてみてください。
