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全国・海外から約1,500社が参加する「ワクワク系マーケティング実践会」を主宰する小阪裕司が商売成功のヒントを毎週お届けします。
週休3日だからこそできるお店の準備
前回、ワクワク系マーケティング実践会(このコラムでお伝えしている商売の理論と実践手法を実践する企業とビジネスパーソンの会)会員の食品スーパーからの報告をご紹介した。人口減少地域にありながら過去最高の売上・利益を更新し続けている同店が近年、年間の総営業時間の短縮を進め、ついに昨年、年中無休だった頃と比較して、総営業時間が約33%になったという話だ。
もっとも、同店の営業時間短縮はそれ自体が目的ではない。「お客さん、スタッフ、取引先(生産者)、みんなからもっと喜んでもらうため」の取り組みだ。
2011年にまず週休1日にした理由を店主は「もっと魅力的な店になって『この店いいね!』という存在になりたい!と思って、そのヒントを得るために実際に繁盛している他店舗に買い物に行く(リアルを体験する)時間を作るため」だったと振り返る。
さらに2022年に週休2日にした際も、業績の好調さに比例して商品の仕入れ量も陳列量も増え、営業中も頻繁に納品があるようになり、スタッフも常にバタバタしていた。それでは「お客さんと話す機会が減ってしまうし、せかせかして落ち着かない雰囲気の店になってうちの魅力が下がる」と考え、「商品を搬入して売り場づくりをする日」を設けたのだと。
その延長に、現在の週休3日がある。今度は「準備」に2日間だ。そこで行われていること、店主が語るそのメリットの一部を列記すると、「時間に追われないので、商品の陳列やPOPも必要な時間をかけることが出来る。時間がなくて商品を『とりあえず並べた売り場』とは比べものにならない」「営業していないので〝みんな揃ってちょっと休憩タイム〟が取れる。その時の雑談の中からいろいろなアイデアや気づきが生まれ、それがまたお客さんにとっての価値(店の魅力)を上げることにつながる」「取引先(生産者)を訪問する時間が取れるので、商品が持つ価値を知る機会が増えて、それをお客さんに伝えることで価値が増幅する」「〝ちゃんと準備してあるから大丈夫〟という自信と気持ちのゆとりがスタッフの声のトーンや表情に〝自然に〟表れ、それがお客さんとの自然な会話を生んで『この店いいね!』につながっている」。お客さんにとってなくてはならない店にする
今日のお客さんが望んでいるもの。今、どうすればお客さんにとってなくてはならない店になれるか。それはこれらの言葉から明快に読み取れる。今はもう、そういう時代になっているのである。
この記事の執筆
博士(情報学)/ワクワク系マーケティング開発者
小阪裕司
1992年「オラクルひと・しくみ研究所」を設立。人の「心と行動の科学」をもとにしたビジネス理論と実践手法(ワクワク系)を研究・開発し、2000年からその実践企業の会「ワクワク系マーケティング実践会」を主宰。現在全都道府県・海外から約1500社が参加。近年は研究にも注力し、2011年、博士(情報学)の学位を取得。学術研究と現場実践を合わせ持った独自の活動は多方面から高い評価を得ている。2017年からは、ワクワク系の全国展開事業が経済産業省の認定を受け、地方銀行、信用金庫との連携が進んでいる。
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