飲食店の食品サンプルは自分で作れるのか？

飲食店の軒先でよく見かける食品サンプル。本物と見紛うほど精巧な出来の食品サンプルは、見ているだけで食欲を刺激され、思わず「あのメニューを食べてみたい」「このお店で食べてみようか」という来店動機に繋がります。そんな食品サンプルを用意するには、製造会社にオーダーしたり、完成品を買ったり、体験教室に出向くなどの方法がありますが、なんと自宅でも手軽に作ることができるんです！

食品サンプルを自作できる手作りキットは、WEBショップサイトや大手の生活雑貨店などで手に入れることができます。今回は、株式会社岩崎さんが販売している「自宅で作る食品サンプルキット・さんぷるん vol.9 醤油ラーメン」を実際に作ってみました！

キットの中にはラーメンの食品サンプルを構成する麺や具、スープのほか、簡易容器、作り方の説明書が入っています。制作する上で必要なものは、お湯、ボウル（もしくは洗面器）、ゴム手袋、ハサミのみ。そのほか、ようじ、接着剤、ライター、温度計があるとより便利です。今回は、お湯を沸かしたポットを用意して、いざ制作開始です。

まずは、付属のチャーシュー、メンマ、なるとを42～45℃のお湯で温めて柔らかくします。柔らかくなったメンマはハサミで切り離す必要があるのですが、この際にカットしたメンマの両端をつまんで軽くひねるとよりリアルな仕上がりに。

続いて、麺も42～45℃のお湯で温めていきますが、作りたいラーメンがストレート麺ならそのまま、ちぢれ麺ならメンマと同様ひねりを加えると手もみ風に仕上がることも発見。

キットにも容器が付いていますが、よりオリジナリティを出したい場合はお好きな陶器の容器を使ってもOK。今回は、別途用意した容器に麺と盛り付けていきますが、大きな器だとスープや麺の量が足りなくなってしまう場合があります。その場合は、同じサンプルキットを２つ用意しましょう。

麺の盛り付けのポイントは、下の方の麺は押さえつけるように、上の方の麺は真ん中が少し高くなるように盛り付けると見栄えが良くなります。そして、重要な具材の盛り付けは完成イメージを頭に描いてから取り掛かりましょう。写真やイメージ図を用意するのもオススメです。しっかりとシミュレーションをした後、付属のろうそくに点火して、溶けた蝋を使って具材と麺を固定します。火を使いたくない人、うまく蝋で固定できない人は市販の瞬間接着剤を使っても大丈夫です。

具を盛り付けたあとは、２袋あるスープパックを流し込んでいきます。まず１袋を90～100℃のお湯に入れて完全に溶かした後、少し冷ましてから容器に流し込みます。室温で一時間ほど置いてスープが固まってから、同様にもう１袋のスープも温めて流し込んでいきます。

最後にネギを飾って完成です！　ちなみに、少し大きめの容器を使っていたので若干スープが足りなかったようです……。もっとアレンジを加えたい人は、市販の食品パーツを添えても良いでしょう。

このように、サンプルキットを使えば自宅で簡単に食品サンプルを作ることができます。種類も豊富で、多くの食品サンプルを手作りすることができるのですが、実は手作りキットの食品サンプルは展示には不向きなのだとか。今回使用した食品サンプルキット「さんぷるん」を開発・販売している株式会社岩崎のご担当者様に伺うと、「蝋は熱・衝撃に弱いため、ショーケース内の照明や直射日光で溶けてしまう可能性があります。また、光を避けて店内に置く場合、お客様がサンプルを触ってしまう場合があるので破損の原因にもなります」とのこと。このようなサンプルキットは、自宅で食品サンプル作りを体験するために開発された商品なので、業務店用に使用する場合はやはり既製品やオーダー品を用意したほうが無難のようです。とりあえず食品サンプルを手作りしてみたい、お店のインテリアとして使用したい、低予算で用意したいという方は、一度試してみてはいかがでしょうか。

この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント

○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。

○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。