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全国・海外から約1,500社が参加する「ワクワク系マーケティング実践会」を主宰する小阪裕司が商売成功のヒントを毎週お届けします。
値上げして休日も増やしたら売上が上がった?
今回は、商売における業績の変化は、どんなことによって起こるのか、その本質を物語るお話。ワクワク系マーケティング実践会(このコラムでお伝えしている商売の理論と実践手法を実践する企業とビジネスパーソンの会)会員の、ある和菓子店からのご報告だ。
店主からの報告は、まず昨年の業績から始まっていた。昨年度、本店舗(工場直売&カフェ)の毎月の売上が、前年をひと月も下回ることがなかった。毎月およそ110%〜140%くらいの売上で昨年度を終えられたとのことだった。そして、それに続いていたのは次の言葉だった。「この結果を見て正直に思ったことは『そんなに忙しかったかな?』です」。
それを彼なりに分析するとこうだ。「当然それなりに仕事には時間を費やしていますが、週休2日制にして早2年近く、1日1日、少しずつ余裕が生まれ、それが2年近く積み重なった結果だと考えています。1日のうち、のんびりできる時間、自分の時間、家族との時間がきちんと取れるようになりました」。それを以前の自分と比較すると、以前は早朝から製造し、店回りをして終わるころには夜8時。「その後は元気なら体を動かすか、パチスロ(笑)暴食気味、まさにストレス過多の症状でした。余裕がなかった、隙間がなかった、心も体もガチガチだった、そんな感じでした」。
この話を聞くと、昨年度の好業績の裏には店休日を増やして生まれた心の余裕があるようだが、では、皆そうすればいいかというと、そこが難問だ。というのも彼はこう言うのだ。「主に行ったことは『値上げと休日を増やす』。以前なら全く思い付かない、 そんなことしたらそれこそ逆に駄目になる、そんな思考でした」。商売の業績の本質は「思考」にある
休日を増やすと、店はだめになる――その思考であれば、休日を増やすことはできまい。もちろん、単に休日を増やせば売上が上がるわけではなく、彼の先の言葉にももう1つ「値上げ」とあった。しかしその値上げについても彼によれば、例えば昨年は豆大福を160円から200円に上げた。しかし以前は豆大福のようなその日のうちに食べていただく商品は、賞味期限が短く、価値が低い。賞味期限が長い商品が、価値が高いと思い込んでいたというのだ。しかし今は、思考が大きく変わり、日持ちはしないが、「『真面目に毎朝作っているから美味しいのです』と言えるようになった」。実は商売の業績の本質はここにある。「思考」だ。思い込みや常識と言ってもいい。これが変わっていく過程で彼の店ではさらなる大きな変化が起きていた。この続きは次回に。
この記事の執筆
博士(情報学)/ワクワク系マーケティング開発者
小阪裕司
1992年「オラクルひと・しくみ研究所」を設立。人の「心と行動の科学」をもとにしたビジネス理論と実践手法(ワクワク系)を研究・開発し、2000年からその実践企業の会「ワクワク系マーケティング実践会」を主宰。現在全都道府県・海外から約1500社が参加。近年は研究にも注力し、2011年、博士(情報学)の学位を取得。学術研究と現場実践を合わせ持った独自の活動は多方面から高い評価を得ている。2017年からは、ワクワク系の全国展開事業が経済産業省の認定を受け、地方銀行、信用金庫との連携が進んでいる。
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