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全国・海外から約1,500社が参加する「ワクワク系マーケティング実践会」を主宰する小阪裕司が商売成功のヒントを毎週お届けします。
“繁盛させないといけない”と思い込んでいた
今回は、ワクワク系マーケティング実践会(このコラムでお伝えしている商売の理論と実践手法を実践する企業とビジネスパーソンの会)会員の、ある飲食店の女将さんからいただいたご報告。昨年、席数を減らしたにも関わらず、1年を通してみたら、売上も利益も上がっていたというものだ。
通常、飲食店の収益性は、客席数と回転で計られる。例えば席数20の店に1日に100人のお客さんが来店したなら、「5回転」となって、その分の売上がもたらされる。それがその店の収益性とされているので、一般的に飲食店は、満席にし、回転率を高めようとする。さらに繁盛店になれば、増床するなどして、席数を増やすことがよくある。しかし今回報告をいただいた店は、席数を減らした。それはなぜか。そしてなぜ、それにも関わらず売上と利益が上がったのだろうか?
まず、なぜ席数を減らしたかの方だが、店主の報告書から幾つかの言葉をピックアップすると、こうだ。「飲食店は、満席じゃないといけない。沢山、人に来てもらわないといけない。予約が沢山入り、駐車場が埋まっていて当たり前で繁盛させないといけない(と思い込んでいた)」「過去は単価は安かったし、その分沢山の方にご来店いただいて売上も上がって忙しく、スタッフも沢山いて回転もして賑やかでした」「でもそのスタイルは、本当に自分たち夫婦がやりたい商いの形だったのかと問うと、ハードすぎて、とてもしんどかったです。毎日流れるような営業スタイルで、顧客にとって満足感があったのかをきちんと測ることは、できていなかったかもしれません」。
そういうことから女将さんらは、ここ数年徐々に自分たちの営業スタイルを変えていき、昨年、思い切って席数を減らすことにしたのだった。店も基本的には夫婦2人で営業することに。そうして起こった変化は、彼女によると、「席数を減らしたお盆以降、顧客満足度が急に上がっていったのが見て取れました」。そこに昨年は、彼女の言うもうひとつのチャレンジ「値上げ」を行い、先述の売上増と利益増を果たしたのであった。お客さんの体験価値向上が売上・利益増のポイント
もちろん単に席数を減らせば満足度が上がるわけではない。同店では、店でのお客さんの体験価値を上げるべく様々な取り組みをしているが、それらをより推進できるようになったことは大きい。例えばそのひとつは「お客さんの目の前で、お茶を炒って出す」というものだが、それはどういうものだろうか?そして、それらがなぜ売上・利益増を生み出すのだろうか?この続きは次回に。
〇執筆者
小阪裕司(こさかゆうじ)
博士(情報学)/ワクワク系マーケティング開発者
1992年「オラクルひと・しくみ研究所」を設立。人の「心と行動の科学」をもとにしたビジネス理論と実践手法(ワクワク系)を研究・開発し、2000年からその実践企業の会「ワクワク系マーケティング実践会」を主宰。現在全都道府県・海外から約1500社が参加。近年は研究にも注力し、2011年、博士(情報学)の学位を取得。学術研究と現場実践を合わせ持った独自の活動は多方面から高い評価を得ている。2017年からは、ワクワク系の全国展開事業が経済産業省の認定を受け、地方銀行、信用金庫との連携が進んでいる。
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