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【小阪裕司コラム】第103回:「支持」と「縁」が広がると

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全国・海外から約1,500社が参加する「ワクワク系マーケティング実践会」を主宰する小阪裕司が商売成功のヒントを毎週お届けします。

「縁」でつながった仕事

 前回、「お客さんに支持されるお店や会社とは」の文脈で、ある石材店の話をした。今回も引き続き同じ文脈で、同じ業界での話をしよう。こちらも、ワクワク系マーケティング実践会(このコラムでお伝えしている商売の理論と実践手法を実践する企業とビジネスパーソンの会)会員の、前回とは別の石材店から昨年末にいただいたご報告だ。
 昨年暮れ、5年ほど前にお墓の補修工事をしたお客さん(以下、Nさん)から、近所にお住まいの方(以下、Sさん)をご紹介いただき、187万円の成約となったとのこと。そもそもNさんとの出会いも他の方からのご紹介で、すでに他店でお墓を建てていたNさんだったが、その他店はよくある「建てたら終わり」というタイプ。しかし「お墓は建ててからがお付き合いの始まり」がモットーの同店は、お墓のことで困っている方がいれば、たとえ他店のお客さんであっても親身に相談に乗る。そんなことで、費用は1万円ほどのささやかな補修工事だったが、お引き受けするご縁となり、その縁がまたつながって今回のSさんとの成約となった。もっとも、NさんやSさんの墓地は隣の市。紹介がなければなかった仕事だろうと店主は言う。
 そこで店主、Nさんに感謝の気持ちをどう示そうかと考えつつNさんのお墓を点検に行ってみると、家名や家紋のところのペンキがかなりはがれていることを発見。早速、お墓の簡易クリーニングとペンキの入れ直しをし、ビフォー・アフターの写真を撮影、感謝の気持ちに写真を添えてお礼状をお送りした。すると今度はNさんが、「新しくなったみたいで、もうビックリしました!」と反応。わざわざお礼の品を持って同店にお越しになったということだ。
 この石材店も、前回の石材店同様、地元で圧倒的な支持を得ているが、「お客さんに支持されるお店や会社とは」を考えたとき、今回のエピソードからどんなヒントが得られるだろうか。例えばあなたがNさんの立場だったら、今回の件で何を思うだろう。次もまた誰かを紹介するだろうか?

「支持」と「縁」は広がっていく

 ここで話を5年前、Nさんとの出会いに遡ると、そもそもNさんも、最初に補修の相談をしたのは墓地の管理委員長だった。その方がネットで石材店を検索した際同店を発見。同店の住所を見て近くに住む知人に電話し、どんな石材店なのかを尋ねたところ、電話先の知人が「あそこやったらなんも心配いらんでぇ」とお墨付きをくれたことからNさんを紹介したとのこと。そうして、支持と縁は広がってもいくのである。

〇執筆者
小阪裕司(こさかゆうじ)
博士(情報学)/ワクワク系マーケティング開発者
1992年「オラクルひと・しくみ研究所」を設立。人の「心と行動の科学」をもとにしたビジネス理論と実践手法(ワクワク系)を研究・開発し、2000年からその実践企業の会「ワクワク系マーケティング実践会」を主宰。現在全都道府県・海外から約1500社が参加。近年は研究にも注力し、2011年、博士(情報学)の学位を取得。学術研究と現場実践を合わせ持った独自の活動は多方面から高い評価を得ている。2017年からは、ワクワク系の全国展開事業が経済産業省の認定を受け、地方銀行、信用金庫との連携が進んでいる。

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