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全国・海外から約1,500社が参加する「ワクワク系マーケティング実践会」を主宰する小阪裕司が商売成功のヒントを毎週お届けします。
仲間からのヒントに自店ならどう応用するかを考える
日本経済新聞社発行のマーケティング紙『日経MJ』での14年余りの連載を含み、ついにこのコラムも累計で900回を迎えた。少なくとも1,000回を超えるまでは続けたいと思っているので、あなたにもまだしばらくお付き合い願いたい。
こうも長く連載を続けられるのも、ワクワク系マーケティング実践会(このコラムでお伝えしている商売の理論と実践手法を実践する企業とビジネスパーソンの会)の会員さんたちから寄せられるたくさんの事例があるからだ。本コラムは常に事例とセット。この「実際の取り組み事例を通じて、商売繁盛の本質を解き、具体的なヒントを得る」ことは今日とりわけ重要で、私にとっても書き続けるモチベーションは、それを一人でも多くの方と分かち合いたいとの思いにある。
さて今回は、実践会員の、タオルの通信販売会社からいただいた事例。店主は、当会の会合などの機会に他の会員さんと実践していることを分かち合う中、ある通販会社の方が、宅配伝票にワクワク系らしい文言を加えてあるのを見た。同業でもあり、これはいいなと感じた彼、早速自店ならどう応用するかを考え、実行した。
それは、宅配伝票の「品名」と「記事」のスペースに一言加えることだ。同社はタオルの通販会社ゆえ、通常、品名は「タオル」となる。それを「タオル+まごころ」としてみた。さらに記事のスペースには、季節に合わせた一言を添えることにした。実際に書いた言葉は、「2023年が良い年でありますように♪」「[二月は逃げる]早めに物事を進めよう」「「三寒四温で春が近づくのを感じられますね」など。
それをしばらく続けると、購入客から「宛名の記事欄に『2023年が良い年でありますように♪』と書かれていてほっこりした気持ちになり嬉しく思いました」「発送が早く、商品や購入者への『まごころ』が伝わる素敵なショップです」などの反応が返って来るようになってきたとのこと。分かち合いたいことが多くあるからこそ集う
こういうささやかなことが案外ファン作りには効果的だが、こういうことは思いつくようで思いつかない。店主も今回の顛末を振り返り、仲間からのヒントは先送りしてはいけないと語る。「出来そうなものは、ちょっとだけでも手を付けてみるように心がけて行きたいと思います」。
分かち合いたいことが多くあるからこそ集う。それがこの時代にビジネスパーソンが「集う」意味だ。そうしてお互いに刺激し合い、ヒントを得て、実行し結果を出し、成長していく。このサイクルに乗れるか乗れないかが、将来を分けて行くのである。〇執筆者
小阪裕司(こさかゆうじ)
博士(情報学)/ワクワク系マーケティング開発者
1992年「オラクルひと・しくみ研究所」を設立。人の「心と行動の科学」をもとにしたビジネス理論と実践手法(ワクワク系)を研究・開発し、2000年からその実践企業の会「ワクワク系マーケティング実践会」を主宰。現在全都道府県・海外から約1500社が参加。近年は研究にも注力し、2011年、博士(情報学)の学位を取得。学術研究と現場実践を合わせ持った独自の活動は多方面から高い評価を得ている。2017年からは、ワクワク系の全国展開事業が経済産業省の認定を受け、地方銀行、信用金庫との連携が進んでいる。
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