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開業には多くのお金がかかるイメージがありますが、実際に、資金ゼロからカフェを開業された方も存在しています。
ただし、これは現時点で資金ゼロであるということ。結局のところ、ある程度の資金を貯めたり、融資を受けなければ開業は非常に難しいでしょう。
では、資金ゼロからスタートして、どのようにしてカフェを開業できるのでしょうか?
この記事では、資金ゼロからのカフェ開業する際の資金調達方法などを詳しく解説します。
関連記事 飲食店は資金ゼロでも開業できる?少ない資金で開業する方法を解説
そもそもカフェの開業費はいくら?
個人カフェ開業ドットコムのアンケート調査によると、100万円以下の費用で開業できた方がいる一方で、1,000万円以上の費用がかかったという方もいるとのこと。割合で言えば、1,000万円以上かかったケースが最も多く、3割弱の方が開業時に1,000万円以上の資金を投じています。
また、300万円から500万円かかった方が約2割強、続けて500万円から800万円程度かかった方が約2割弱存在します。最も気になる、100万円以下の資金で開業できたという方は、全体の5%にも満たない状況です。
参考
個人カフェ開業ドットコム第1回 開業年齢と開業資金
この説明だけでは、100万円以下の資金で開業できなくはないものの、現実的には厳しいと言わざるを得ません。
ただ、なぜここまで開業資金にばらつきがあるのかと言えば、カフェと一概に言っても様々な形態が存在しているためです。
例えば、最近のカフェのトレンドとして多くの農村地区で地元密着のカフェが誕生しています。過疎化が進むエリアにおいて、空き家を活用して古民家を軽くリノベーションして開業する、いわゆる古民家カフェです。
この場合、都心部にカフェを開業するよりも用地の取得などに費用がかからないため、比較的少ない資金で開業が可能です。
それでは、実際にカフェの開業にはどんな要素が必要なのでしょうか。それは、主に「場所」「材料」「もの」の3つの要素です
。
カフェは人によって捉え方が異なりますが、上記3つの要素さえ揃えば自宅でカフェを運営することも可能です。もちろん、実際に自宅でカフェを開業しようとした場合、居住空間をどのように確保するのか、そして各種申請なども必要になるため簡単に実現できる訳ではありません。
それでも、自宅でカフェを開業できれば開業費用を大きく抑えることも可能でしょう。
関連記事 カフェの開業資金や資格、失敗しないための準備について資金ゼロから資金を集める方法
親族や知人などから借りる
まずは、親族や知人からお金を借りる方法。
親族や知人から出資してもらうことの最大の魅力は、金融機関から融資を受ける場合と違って条件次第では利子がかからないように交渉することも可能だからです。
どのような条件で出資してもらうのかを事前に整合しなければなりませんが、信頼関係があればある程度返済期間なども融通が利く場合もあるかもしれません。
ただし、注意したいのは返済が滞ったり忘れてしまったりした場合、この信頼関係が崩れてしまうリスクもあります。
借り入れているのが親族や知人だからと言って甘えず、事前に返済方法や期間、そして遅延した場合の対処方法などは決定しておく必要があるでしょう。
なお、親族間で高額な資金の借り入れをした場合、「贈与」とみなされ、贈与税の支払いを求められるケースがあるので注意しましょう。貯蓄していた資金で始める
他人に頼らず、自分自身の資金で始める方法として、貯蓄してきた資金を開業資金に充てる方法があります。
例えば、会社員として働きながら得られた給与を少しずつ貯蓄して、まとまった資金を元にカフェを開業した方もいます。
実際にカフェ開業の資金を貯めていくためには、余計な出費を見直しつつ無駄遣いをやめてお金を使えないように別口座に移動させるなどの努力が必要となる場合があります。
我慢しながら貯蓄しなければならず、精神的にもつらい生活を強いられる可能性があります。
また、本業だけでなく副業などをしながら開業資金を貯めるという方もいます。
他にも、退職金をそのまま開業資金として充てる方法もあります。金融機関から融資を受ける
融資先として真っ先に頭に思い浮かべるのが銀行でしょう。しかし、初めての開業の場合、銀行から融資を受けるのはとても難しいのが実情です。
銀行側としては、まだ実績がなく本当に開業を成功させられるか不明な方に融資をすると、借り倒される可能性があるため簡単に融資を認めてもらえません。
しかしながら、政府系金融機関の日本政策金融公庫の場合ならは話は別。日本政策金融公庫は国内の経済を活発化させるべく、融資にも積極的です。銀行よりも融資を受けやすいです。
ただし、融資を受けるためには審査を受ける必要があり、審査時には事業計画書と呼ばれるものを提出する必要があります。
事業計画書とは、事業内容やどのような戦略で収益を上げていくのかを説明するための資料です。事業立ち上げ方法や、事業を継続するために必要な資金を調達するために必須となり、融資審査でも重点的に確認されます。
なお、融資のハードルは低いですが、ある程度の自己資金がないと融資自体が難しいとされています。開業資金調達コンサルタントを活用する
どうしても融資を引き出したい場合、おすすめしたいのが開業資金調達コンサルタントを活用する方法です。
開業資金調達コンサルタントとは、創業融資サポートと呼ばれる場合があり、主に開業資金を調達するためのコンサルティング業務を担当しています。
事業計画書の作成サポートや、実際に自己資金が少ない状態でどのように開業すべきかなどの相談に応じてもらえます。
コンサルタントに対して、成功報酬という形で費用が発生しますが、開業に関するノウハウが全くない方におすすめの方法と言えます。
クラウドファンディングで資金調達する
昨今、資金調達の方法として特に注目されているのがクラウドファンディグの活用です。
クラウドファンディングとは、crowd(群衆)とfunding(資金調達)を組み合わせた造語です。
主にインターネットを通じて、自分の活動や夢を発信して想いに共感した方や活動をサポートしたいと人から資金を募る仕組みとなっています。
事業を興したい方も、広くクラウドファンディングを活用しており、実際にカフェを開業した方もいます。
見知らぬ人から出資を募る必要があり訴求力が求められ、また実際に出資者に対してはリターンという形でサービスを提供するなどの対応が必要です。
ただし、目標金額が必ずしも調達できる確証はありません。
また、リターン以外で出資者に対して返済などは不要であり、開業前から一定のフォロワーを得られるなどのメリットがあります。
参考記事 開業資金はいくら必要?費用の内訳と調達方法を解説金融機関で融資を受けるポイント
政府系金融機関か信用金庫に依頼する
カフェは、飲食店の中でも事業規模が小さな部類に入ります。メガバンクなどの場合、規模の小さな事業に対してなかなか融資を引き出せません。
よって、より身近な存在である信用金庫や日本政策金融公庫など公的金融機関からの融資を検討しましょう。
特に、日本政策金融公庫の場合は新創業融資制度があって、カフェ開業時の融資で有効活用できます。実務経験を積んでおく
初めてカフェを立ち上げる場合、それだけで融資の審査としては経験不足を疑われて不利に働くケースがあります。
そこで、実際にカフェを立ち上げた経験がなくても、カフェで働いた経験があると多少なりとも融資を受ける上では有利になる可能性が高まります。
また、融資額も未経験者よりも高くなる可能性があるので、アルバイトでも良いので実務経験を積みましょう。自己資金をある程度貯めておく
融資を受ける審査の中で、どれだけ貯蓄があるのかを確認する場合があります。
なぜ貯蓄額を確認するかと言えば、今までどれだけ自己資金を貯めてきたのかを確認すれば、どれだけカフェを開業するのに本気なのかが把握できるためです。
どのくらいの自己資金額があればよいのかについては、その人の経歴などにより異なります。信用情報に傷が付かないように注意する
金融機関の審査において、信用情報も重要な確認項目となります。
信用情報とは、主にクレジットカードやローンなどの利用状況や返済状況などを示すものです。
信用情報でとくに重視されるのが、事故の有無。直近5年程度で返済が滞ったなどの事故を起こしている場合、その記録が信用情報に残ってしまいます。
融資の審査時に、返済遅延の事故記録があると仮に融資した場合に返済されない可能性があるため、事故記録がある時点で大きなマイナスとなってしまいます。
クレジットカードなどの支払いは期日までに確実に行い、事故記録が付かないように注意しましょう。開業費を抑える方法
物件取得費をなるべく抑える
開業時にかかる費用の中で、最も大きな金額となるのが物件取得費です。数百万円程度かかることが多いため、物件取得費を抑えられれば大きく開業費を減らすことができます。
自宅を提供して開業する場合は問題となりませんが、テナントで開業する予定の場合は以下の費用がかかります。
・敷金
・保証金
・仲介手数料
・前家賃
また、初期費用だけでなく家賃などのランニングコストも抑えることが重要です。家賃は、一般的には駅から離れれば離れるほど安くなる傾向があります。
駅から近い場所でもテナントの空きが多い商店街では家賃補助を受けられる場合もあります。家賃補助とは、会社や自治体が賃貸住宅に住む方を対象として、家賃の一部を支給する制度です。昨今では、空き物件対策として飲食店などが入居する際も家賃補助が出る場合があり、適用すれば掘り出し物の物件を見つけるチャンスがあります。
さらに、思い切って物価や家賃の高い都心部ではなく、地方都市や農村地などで開業すれば、より安い金額で開業可能です。
ただし、都心部と比較してカフェを利用する方の絶対数が少ないため、集客に苦労する点は考慮しましょう。
居抜き物件を選択する
物件を探す際、最もリーズナブルに開業できる居抜き物件を探すのが鉄則です。
居抜き物件とは、過去に入居していたお店の内容や厨房設備、空調設備、什器などの設備がそのまま残っている物件のことを指します。
要するに、過去に入居していたお店のジャンルによりますが、残っている設備などをそのまま利用できるので設備投資を大きく抑えることが可能です。
ただし、まったくカフェとはかけ離れた居抜き物件を安く購入できても、結果的にすべて設備をリプレイスしなければならなくなり、結果的に高い費用となる可能性があるため注意しましょう。内装や家具はDIYで対応する
店舗を買い取ってリフォームしたりリノベーションしたりする場合、外装は素人が作業するのは難しく、専門業者に依頼しなければなりません。
また、給排水や電設工事などの工事は許可が必要となり、無許可で作業すると違法行為となるうえに大きな危険性を伴います。
しかしながら、内装や家具などはDIYという形で自分自身で作り上げることで費用を大きく抑えることが可能です。
一方で、DIYは専門業者に依頼するよりも時間がかかるため、急いで開業したい場合には向いていません。
また、おしゃれな雰囲気のカフェを目指す場合はインテリア一つで大きく印象が変化しますが、DIYの場合は素人感が出てしまいせっかくの雰囲気を壊してしまうこともあるので注意しましょう。
中古品やリース商品を利用する
厨房施設は、居抜き物件の場合は使えるものをそのまま活用するのが良いでしょう。また、新たに導入しなければならない場合は新品の設備を導入すると多額の費用がかかってしまいます。
そこで、設備については中古品やリース商品を利用するのがおすすめです。
他にも、リースという形で導入すれば設備の保有権は得られないものの初期費用を抑えて導入可能です。
食器はリサイクル品などから選ぶ
カフェで使用する食器は、高価な食器を使用する場合もありますが、リサイクル品を活用するとまた違った味わい深さを出せる場合があります。
とくに、レトロなイメージのカフェを開業したい場合、最新トレンドの食器よりも若干古い食器の方がお店のイメージにマッチする場合があります。
陶器の場合は、汚れが付きにくく長年使用しても劣化しにくい特徴があるためリサイクル品でも問題ありません。
リサイクル品の他にも、通信販売の見切り品や100円ショップで販売されている食器にも、おしゃれで使いやすいものが多数あるのでチェックしてみましょう。メニューと厨房機器は厳選する
厨房機器の導入時には、自分が実現したいメニューを調理できるかどうかの観点で選定する場合があります。
ただし、あらゆるメニューにこだわるあまり、例えば高価なエスプレッソマシンを導入したり等、専用の厨房機器を導入するのは決して得策ではありません。
なるべく安くカフェを開業したい場合は、提供するメニューを絞るなどの工夫が必要になる場合があります。
レジアプリを導入する
最近ではキャッシュレス決済が広く普及しており、昔ながらのレジスターを導入するケースは少なくなっています。タブレット端末などを用いたスリムなレジが主流となっています。
さらに、スマートフォンを用意してレジアプリを導入すれば、本格的なレジシステムを導入しなくても会計対応が可能です。レジアプリの場合、集計や分析もできるので売上分析したい方にもおすすめです。100円均一で必要なものを購入する
食器を購入する際には100円ショップもおすすめと解説しましたが、食器だけでなくその他の必要備品も100円ショップで購入するとよいでしょう。
例えば、領収書や文房具関連は質にこだわる必要はないため、安く入手できるに越したことはありません。
また、タペストリーなどの装飾品も100円ショップで多く取り扱っており、おしゃれさをアップさせたい場合にもおすすめの購入先となります。印刷物は自分で印刷したりまとめて発注する
カフェ開業を周知させたい場合、チラシなどを配布するのが有効的です。チラシは大量に作成して配布した方が効果的であり、また大量に印刷業者に発注した方が1枚あたりの費用を抑えることができます。
また、メニューやPOPなど頻繁に内容を更新する印刷物については、自分で印刷した方が費用を抑えることが可能です。早く始めたいならイベント出店!
カフェを開業しようとした場合、資金調達した上で店舗を確保して、各種開業までの手続きや人員の確保などを経て開業できます。
ただ、実際に開業の準備を始めて各ステップを踏んでオープンできるまで、1年以上かかる場合もあります。
少しでも早くカフェを始めたいという方にとっては、イベント出店という形で出店する方法もおすすめです。
イベント出店とは、市区町村などで比較的小規模で開催されるマルシェや〇〇市などのイベントにおいて、スペースを間借りして出店する方法です。
イベント出店では、以下の流れで出店できます。
1.店名を決定する
2.お店のロゴなどを作成する
3.提供するメニューのコンセプトを決定する
4.メニューを開発する
5.イベント関係者に出店希望を伝える
6.備品やテントなどを用意してブースに設置する
7.カフェを開店
イベント出店の最大の魅力は、テントなどを用意すれば即席店舗が簡単に作れる点です。
イベント出店をすることによって将来的に実店舗を構えて開業する際にも大いに役立ちます。お店の存在をアピールできれば、ファンを獲得して実店舗オープン時にも集客が期待できます。
他にも、単純にカフェ開業に必要なスキルや知識を習得できたり、周囲のイベント出展者からノウハウを習得できるなどのメリットもあるので、積極的にイベント出店を検討しましょう。まとめ
カフェを開業しようとした場合、資金ゼロから開業することは非常に難しいでしょう。ただし、工夫次第では低投資での開業も可能です。
また、どうしても早く、資金をかけずにカフェ開業したい場合はイベント出店を検討して、カフェ開業に向けたスキルや知識、そして自己資金を貯めてカフェ開業に向けて準備を進めましょう。
この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント
○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。
○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。- NEW最新記事
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