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【第2回】飲食店の客単価アップ術 24~ワンオペでも簡単にできる仕掛け~②人気メニューで安心感を与えよう
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愛嬌接客®専門家の木村氏による、飲食店向け接客コラム第2弾!
人手不足やコスト高により、ワンオペ経営の飲食店が増えてきている昨今。忙しい中でもちょっとした接客テクニックを取り入れることで、満足度の向上だけでなく客単価アップにもつなげることができます。
本コラムでは誰でもすぐに実践できるテクニックを全24回に分けて余すことなくご紹介!
今回は、「人気メニューで安心感を与えよう」をテーマにお届けします。人気メニューで安心感を与えよう
ある企業が2022年に約4万人にWebアンケートを行ったところ、約8割の人がメニュー選びに失敗した経験がある。と答えています。
失敗したと感じた理由は「美味しくなかった」「期待していた味と違った」「メニュー名から予想した料理と違った」と、圧倒的に「味」に関するものでした。この結果からも分かるように、当たり前ですが、多くのお客様は「美味しい!」を求めています。
人間は「みんなが選んでいるもの」に安心感を覚える性質があります。これは「社会的証明」という心理効果だそう。つまり人気メニューは“安心への道しるべ”。他の人が選んでいるという数値化された実績をもって「人気メニュー」を後押ししてみましょう。
人気メニューがもたらす3つの意味
① 来店動機になる
人気メニューは、お客様にとっての“入口”であり、店側にとっての“きっかけ商品”です。
たとえば、ラーメン屋の店頭で「味玉しょうゆラーメンが一番人気」と看板に表示してあると、初めてのお客様は「じゃあそれにしよう」と思うことが多いです。
特に時間のないランチタイムや、早く入店して一息つきたいお客様が多い夜などは、よい入店の動機になります。② 迷わない
初めて入店されるお客様や、決めるのに時間がかかるお客様がメニューを開いた瞬間、頭の中ではたくさんの「迷い」と「不安」が交差しています。「何が美味しいのかな…」「頼んで失敗したら嫌だな…」「量が分かりにくいな…」などなど。こんなお客様の“困惑”を、スッキリ整えてくれるもの。それが人気メニューです。
③ リピーターが増える
人気メニューを注文したお客様が「美味しい!」「満足!」と感じられたら、それが次回以降のリピートにつながります。人は「一度成功した選択」を繰り返す傾向があるため、人気メニューで“満足体験”を提供できると、次は「別メニューを試してみよう」とか「今度は家族を連れてこよう」と思ってくれるようになります。
人気メニューの見つけ方・作り方・育て方
人気メニューを売りたくても「うちの店には存在しない」や「全部美味しいから選べない!」という方もいらっしゃるでしょう。そんな方に人気メニューの「見つけ方・作り方・育て方」をお伝えします。
①人気メニューの見つけ方(=ダイヤの原石を探す)
まずは、“どの商品を人気メニューにしたいか”を、頭におきながら選びましょう。例えば「目立たないけれど意外とよく注文されているメニュー」や「スタッフが“美味しい”と思っているのに、あまりオーダーされないメニュー」はありませんか?または「お店や料理人のこだわりや思いが詰まっている一品」「他店では食べられない“当店ならでは”な一品」。そして「原価が低い割には(お客様にとって)満足度が高い」といったメニューを見つけてみましょう。
ここで選ぶポイントは「売れている」より「育てがいがあるもの」に目を向けることです。決定したら全員のスタッフに食べてもらい、個々の感想や接客時の売り言葉なども考えてもらいましょう。
②人気メニューの作り方(=売れるカタチに仕上げる)
次は、お客様がメニューを見た時に“思わず注文したくなるような仕掛け”を工夫しましょう。
例えば商品のネーミング。 「ネギ塩豚」といった普通の商品名ではなく、「ジュ〜シ〜豚の山盛りネギ塩」のように、ジュ〜シ〜(食材の状態)・山盛り(見た目の状態)といった商品の様子を「料理の様子がイメージしやすい言葉」を入れた名前に変更しましょう。
ネーミングだけでなく、器や提供方法も工夫すること。またメニュー写真は、「湯気・照り・はみ出し感・しずる感」などを意識してお客様の目が止まりやすい商品の画像を撮影しましょう。そして、メニューブックに掲載するときは、一番初めのページに大きく載せたり、もっとも目に入りやすい左の上(Zの書き出し部分)部分に載せたりするなど、お客様の視線を誘導しましょう。店内のPOPや店頭の看板で宣伝することも必須です。
③育て方(=人気メニューに育てる)
お店からアピールしなくてもお客様から自然とたくさん注文されるようになるまでは、スタッフからの「声かけ&演出」で、ファンを育てましょう。①で決めた「接客時の売り言葉」をメインに伝えます。
また、声かけのタイミングも大切です。例えば定食屋さんなどオーダーがほぼ一品の場合は、お客様へメニューブックやタブレットなどを「お渡しする前(または同時)」が適しています。詳細は前回のコラムでお話している「“おすすめトーク”7つのタイミング」をご覧ください。
前回のコラム 【第1回】注文前から始める戦略
そして、SNSでは画像や動画を使って発信しましょう。日々の発信の中で実際に召し上がっていただいたお客様から感想をいただき、その言葉をクチコミとしてSNSで発信する画像や動画内の表現に取り入れてみてください。また、お客様のコメントは店内POPなどにも書き込むなどして積極的に取り入れましょう。
ポイントは「巻き込む」こと:お客様編
一人で経営されている方は、ぜひお客様にも協力してもらって意見を取り入れましょう。
①は3~5品ほどをあらかじめ一人で選び、小規模イベントを開催して、お客様に選んでいただく方法。または、一ヶ月など期間を決めて提供し、実際に注文いただいた数で、お客様にナンバーワンを決めてもらうなどの方法です。
②も同様で、アンケートや感想をいただいたり、商品のネーミングを公募したり、店主が考案した名前を投票いただくのも面白いでしょう。ただし、お客様に負担をかけない範囲で行うことが大切です。
また、SNSではいいね!やコメントをいただけるよう工夫をし、③は、実際にお客様からいただいた感想などを入れたおすすめトークを展開しましょう。
ポイントは「巻き込む」こと:スタッフ編
①から③は、スタッフと共有しましょう。そうすることでスタッフも「無理に言わされている感」や「どこか他人事で冷めている感」が漂う“機械的なおすすめトーク”になってしまうことなく、お店やオーナーと同じ「○○を人気商品にしよう」という目的で動いてもらうことが可能になります。
スタッフが「ジワジワ人気が出てきています」「最近お客様からの注文も増えました!」などと本音でおすすめトークを語る姿は、お客様にも伝わります。それは、注文するか迷っているお客様の背中を押すことにもなります。注意!人気メニューに頼りすぎてはいけない3つの理由と改善のコツ
① 飽きてしまう
同じメニューばかりが稼働すると、クリエイティブタイプの料理人は「同じメニューを作り続けることに苦痛を感じる」という問題が起こることがすくなくありません。そんな傾向がみられた時は、定番メニューは守りつつ、月ごとの「人気ランキング」を更新したり、新たな看板メニューを考えたりしてみましょう。常連のお客様も、良い意味の変化は新鮮さを感じてくださるはずです。
②売り上げが延びない
人気メニューがオーダーの上位を占める日が増えてくると売り上げが決まってきます。その額が「満足いく額」であれば問題ないのですが、まだまだ売り上げアップできる可能性があるかもしれません。そういう時は、人気メニューを軸にセットメニューを導入してみましょう。その時はドリンクや小鉢ものなど、“仕入れ・仕込み&作る・提供”に時間がかからない品をチョイスすることをおすすめします。
③原価コントロールを怠りがち
近年は物価上昇の影響で食材をはじめとした価格がどんどんアップしています。メニューの原価を常に把握しておかないと、『価格の決定から三年後には赤字メニューになっていた』といった悲劇も生んでしまいます。特に人気メニューは黒字(利益が出る)商品であるか?日頃から意識しておきましょう。
まとめ
人気メニューは、単なる“売れている商品”ではありません。お店や料理が「お客様から愛されている証拠」でもあります。それは、お客様に「安心感」を与える強力な武器であり、次の提案につなげる“導線”でもあります。注文前からその人気をうまく見せ、言葉で補い、お客様の「選ぶ不安」を取り除くことで、結果的に自然と客単価が上がっていきます。
無理なく、押しつけず、でも確実に客単価アップにつながる。それが「人気メニュー活用」の魅力。店全体の運営に組み込んでいくことが、飲食店経営に欠かせない部分です。ぜひ「人気メニュー」を売上アップにご活用ください。
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