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【新連載】飲食店の客単価アップ術 24~ワンオペでも簡単にできる仕掛け~①注文前から始める戦略

【新連載】飲食店の客単価アップ術 24~ワンオペでも簡単にできる仕掛け~①注文前から始める戦略

飲食店で ワンオペ接客していると、すべてのお客様に細かく説明するのは大変ですよね。ですが、店員さんの一言で、お客様の「じゃあそれにしようかな」をいただくことが多いのです。

ポイントは、ただ“おすすめです”というのではなく、ちょっとした理由やエピソードを添えること。いつも決まった品ではなく、お客様に合わせておすすめしましょう。このコラムで、誰でもすぐに実践できる接客の極意をお伝えします。

現場ですぐ使える!“おすすめトーク”10のポイント

お客様に「おすすめは何ですか?」と聞かれた時、固まってしまったり、逆にマニュアル通りに返したりするのはもったいない!具体的な一言トークを10個のポイントに分けたので、ぜひご活用ください。返答に慣れてきたら、自分から積極的に話しかけてみましょう。プラスαで注文いただけるようになりますよ。

ポイント①季節を活かす

“今だけ感”で価値を上げましょう。例えば「この時期しか食べられないんです」や、「激辛メニューは夏だけです」など、店員から限定メニューを促されると「ついついオーダーしてしまう」というお客様は多いです。

ポイント②人気ランキング風

「食べたことがない料理」を求めるお客様より、定番(人気商品)」を注文したいお客様の方が圧倒的に多いもの。「当店の一番人気は○○です」や「今、流行の○○です」などと伝えると、“人気商品=ハズレがない”と思っていただき、安心してご注文くださいます。

ポイント③スタッフのイチオシ

親しみと信頼感で、おすすめしてみましょう。例えば「私も好きなんです」とお客様の選択を後押ししたり、注文に迷っているお客様に対して「個人的には、こちらがおすすめです」と本音で語ると、「じゃあ、それを注文してみます」と、言ってくださるお客様も多いです。お客様の方から「さっきの○○美味しかったよ!ありがとう」と話しかけられると、本当に気に入っていただけた証拠にもなります。観光地でなければリピーターになってくださることも。

ポイント④他のお客様の反応を紹介

第三者の評価は強力です。例えば「先ほどのお客様がリピート購入してくださいましたよ」、「このメニューは断トツで口コミ多いんです」といった第三者の感想は、お店や自分が宣伝するより効果大!店内のお客様同士で「美味しいね!」といった会話が聞こえてきたら「ありがとうございます」と笑顔を送ってみましょう。中には感想をくださるお客様もいますよ。

ポイント⑤珍しさで興味をひく

珍しさが購買意欲をくすぐります。例えばオリジナルメニューや地域の郷土料理など、あなたのお店でしか口にすることができない料理やドリンクは、近隣他店舗との差別化になります。この「自店のウリ」に気付いていないオーナー様は、案外多いので、珍しいメニューや変わった食材で作った料理はないか、すぐにメニューをチェックしてください。

ポイント⑥お得感アピール

価格面で背中を押してみましょう。例えば「当店イチ!コスパ最強のメニューです」や、 「ボリューム満点で、しかもお財布に優しいんです」など、ただ値段が安いだけでなく、値段が安い理由や、値段が安いけどお得なことといった付加価値エピソードを添えましょう。「お値段の割には、盛り付けが豪華です」や「お値段も安いし、ご提供も早いです!」といった理由も喜ばれます。

ポイント⑦理由を付ける

お客様が思わず「なるほど」と頷いてしまうような、説得力のある理由を付けてみましょう。例えば「今日は寒いので○○はいかがですか?」や、「お二人でシェアされるならAよりBの方がいいですよ」などです。マニュアル通りにすすめられるより、理由があると「自分たちのことを考えてくれている」と嬉しい気持ちになります。

ポイント⑧限定をさりげなく

「次は無い」という意識になる伝え方です。例えば「一日三食限定です」や、「最後の一食なんです」と言われると、ついつい頼んでしまうといった基本形のすすめ方です。

ポイント⑨時間を使う

“時(とき)”を実感いただきましょう。例えば「出来立ての○○です」や、〆の一品をすすめる言葉などは、お客様から「ナイスタイミング!」という言葉がいただけるかもしれない、おすすめ方法です。これらの言葉をお客様との会話の流れで、さりげなく伝え、喜んでご注文いただけるようになると、かなり接客レベルはUPしています。

ポイント⑩軽く質問で興味をひく

自然な質問はお客様の心を開きやすくなります。例えば壁のPOPやメニューをしばらく眺めているお客様に「これ、ちょっと気になってませんか?」、「もしかして○○がお好きなんですか?美味しいですよ」などと、声をかけてみてください。少し値が張るような品でも、店員と話すことで、「食べてみたい」と、ご注文につながることは少なくありません。

ちなみに、お声がけした後のセリフは、①~⑨までの一言を、お店の雰囲気に合わせてアレンジし伝えてみてくださいね。

“おすすめトーク”7つのタイミング

先ほどの「“おすすめトーク“10のポイント」を伝えるにはタイミングがとても大事です。お客様が「聞く体勢」になられていないと聞き逃したり、聞き流されたりします。そうならないためにも、以下のタイミングを意識しておすすめしてみましょう。

1. メニューを渡すとき
「本日のおすすめは○○でございます」など

2. 注文時にちょっと一言添える
「本日、限定の○○が入荷していますが、ご注文いかがですか?」など

3. 料理やドリンクの注文のテンポが早い時
「もし、よろしければ、○○はいかがでしょうか?」など

4. 迷ってらっしゃる時
「迷っておられますか?でしたら・・・」など

5. 二杯目以降のドリンクをご注文された時
「○○(ドリンク名)に合う✕✕(料理名)がございますが、ご注文いかがですか?」など

6. 一旦ご注文が収まり、お皿やグラスをお下げする時
「もし、よろしければ、おすすめのデザート(または、ご飯もの・一品など)が、あるのですが…」など

7.空いたグラスをお下げする時(しばらくご注文が無い場合)
「よろしければ、熱いお茶か、お冷をお持ちしましょうか?」など
※三分の一くらいの方は「もう一杯飲みます!」とおかわりくださります。

「おすすめは何ですか?」と聞かれた時の対応

「おすすめは何ですか?」と聞かれた時に「全部おすすめです」はNGです。「○○です」と明確に答えるのがベストですが、「どの料理も自信を持って提供している!全部食べてほしい!」と思う方も多いと思います。

そんな時は「お客様はお肉とお魚でしたら、どちらがお好みですか?」→「今日は、お魚がいいかな」→「お魚でしたら今日は鯛が特におすすめですが、お刺身・天ぷら・煮つけの、どれが良いですか」などと、メニューブックやタブレットを一緒に見ながら、お客様が選んでいただく方法で答えましょう。

この時、お客様が商品のお値段も把握できるように見せるのがポイントです。お会計の時にトラブルになったり、お客様の心の中で「おすすめの商品はいくらの値段だったのだろう…」、「思っていたより高かった」などの印象を持たれないためです。「おすすめしてくれた○○美味しかったよ!ありがとう!また来ますね」と笑顔でお帰りいただくための気配りも忘れずに。

まとめ

“おすすめトーク”は、料理そのものの魅力だけでなく、「この人が言うなら信じようかな」と思ってもらえる接客力の見せ場です。実際、私は接客の場でも、お客様と積極的に会話をします(もちろんタイミングは観察しています)。そうすることで、客単価アップにつながったり、再来店くださったりする方も多いです。

例えば、一人のスタッフがお声がけに成功し、客単価が500円上がったとします。すると、単純計算で500円×250日(一年間の平日おおよその日数)=125,000円プラスの売上になります。もし一日、二人のスタッフが「効果的なおすすめ」を実行すると、250,000円です。このように、一年の売り上げが25万円もアップします。

たかが「おすすめ」されど「おすすめ」。目の前のお客様が、喜んでいただけるおすすめは何?と、あなたのお店のメニューをもう一度、一つ一つ特徴やエピソードを探してみませんか?

この記事の執筆

オフィスわんさか 代表 愛嬌接客®専門家_木村美季 きむらみき

オフィスわんさか 代表 愛嬌接客®専門家

木村美季 きむらみき

飲食業界約34年間携わり、女将として約15年間の飲食店経営の経験を持つ。
延べ34万人以上のお客様を接客した経験から、現在は全国の商工会議所や飲食店・サービス業界にて“リピーターが生まれる接客術”「愛嬌接客®セミナー」を展開中。
元・吉本新喜劇女優というポテンシャルを最大限に活かしたノウハウ「愛嬌接客®」は商標も登録済み。

また、研修や講演・コンサルティングだけではなく、現場の生の声を忘れぬよう、世界中から旅行者が集まる、大阪で一番忙しい道頓堀にて毎週土日、「株式会社くれおーる」の店舗で訪日外国人を中心にたこ焼きを販売している。

《資格・所属など》
箕面商工会議所(登録専門家) /一般社団法人 日本ほめる達人協会 特別認定講師/一般社団法人 楽花成の会 広報(関西飲食店オーナー の会)

オフィスわんさか
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