「店作り」は事業の手段…味を担保しつつ商売は試行錯誤している

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プリヤマハル東京
田中章敬

東京都渋谷区笹塚2-7-9

エリア
東京笹塚
業種
カレー専門店
ロケーション
ベッドタウン
ターゲット
大人向け
業界経験
3~5年
開業時の年齢
50代
目標月商
300万以上
開業資金
1,000万~1,500万
坪数
10~20坪
家賃
20万以下

開業を目指すきっかけ

東京・笹塚で開業された「プリヤマハル東京」は、日本でも珍しい西インド料理専門店。 このお店を始めたきっかけについて教えてください。
「プリヤマハル東京」は私とインド人の共同経営です。もともと私は日本で起業したい外国人のコンサルティングを業務としていたのですが、インドとオーストラリアでインド料理店を手掛けていたインド人が、日本でもレストランを展開したいと来日し、知人を通して、「故郷の料理を出す飲食店をつくりたいので一緒にやらないか?」と声をかけてきたんです。過去に外国人の飲食店起業のコンサルも何度か経験があって、私自身、インド料理が好きで習ったり家でもつくっていたところに、自分で飲食店をやってみたいという気持ちもあったので、彼の誘いに乗った形です。

東京・笹塚で開業された「プリヤマハル東京」は、日本でも珍しい西インド料理専門店。 このお店を始めたきっかけについて教えてください。

開業準備での課題と解決方法
(物件探し・資金集め, etc.)

お店は京王線の笹塚駅から5分もかからない場所にありますが、立地に関しては何かこだわりがあったのですか?
山手線の内側は賃料が高いということもあり、経営パートナーのインド人から「都心は嫌だ」と言われていたんです。それで笹塚駅を含め、中野駅や学芸大学駅、自由が丘駅といった都心から私鉄で10分前後の場所に狙いを定め、物件の相場や人口など情報などを収集し、候補物件を挙げていきました。決め手となったのは、うちの前のテナントが27年間続いていたイタリア料理店だったこと。ころころ変わるテナントより、長いこと続けられる場所なのだろうという判断です。
共同経営の場合、開業資金はどう出し合ったのでしょう。
オーナーとしての権利は均等にしているので、開業資金も50%と同じ割合でそれぞれが負担しています。
一緒にビジネスを進める中で、文化や習慣の違いなどは出てきませんでしたか?
開店準備は事務的に行ってきたので、特に困ったことはなかったですね。ただ、物件が決まった後の内装工事の進め方について考え方の相違がありました。日本の場合、内装業者に発注して、彼らが電気や水回りなどそれぞれの下請け業者に発注することが一般的。しかしインド人の場合は自分がプロジェクトマネージャーとなり、様々な工事箇所の専門業者を複数選び、見積もりをとって一番安いところに発注しようとしていた。インドではそれが当たり前のようなんです。同じやり方を日本でトライしようとしていたのですが、やはり難しかった。結局、総合力のある内装業者に工事をお願いしました。

一緒にビジネスを進める中で、文化や習慣の違いなどは出てきませんでしたか?

そうした意味でも、田中さんがパートナーで助かったかもしれませんね。
日本独自のルールがあることを説明して、納得してもらえたことは良かったです。お店自体は彼のイメージ通りにつくりあげました。店内の壁紙などに使っているオレンジ色は郷土のカラー。ちなみに店のロゴデザインのモチーフはサリーの柄で、オレンジとグリーンの色使いはインドの国旗をイメージしたものです。

開業後の気づき/今後の課題

無事にオープンを迎えられて、どんなお気持ちでしたか。
感慨深いというより、見切り発車に近い方が感触としてはありましたね。開店日を明確にして、スケジュールを切りながら進めていたので、接客やレジのトレーニングなどは間に合っていなかったのが正直なところ。だから本当に開店していいのかな……という気持ちはありました。開業準備を始めてからオープンまでは半年ほどでしたが、何をするにもデッドラインを決めて進めていました。計画的というより、勢いと割り切りだったかもしれませんが(笑)。ただ、ダラダラと準備はしないと決めていたし、決めた期間でベストチョイスを心掛けていました。
オープンから半年が経ちましたが、ここまでの手ごたえは?
周辺はオフィスも多いですが、路地に一歩入れば住宅地という土地柄なので、当初はランチは会社員をメインに、ディナーは会社帰りや地元の方々などの需要を見込んでいました。ランチは想定通りなのですが、夜の集客に正直ちょっと苦戦です。インドのワインやウイスキーなどのアルコール類や、お酒に合うスパイス系の料理を取り揃えているのですが。打ち出し方が悪いせいなのか、インド料理で飲み会を、というチョイスはそう思いついてもらえないのかもしれません(笑)。宴会などの予約は居酒屋や大箱の中華料理店にもっていかれているという現状があるので、今後の課題ですね。
スパイス料理はハマる人が多いですし、そういった意味でリピーターがつきやすいというイメージがありますが、実際にはどうでしょうか。
うちでお出ししているのは、ムンバイを州都とするマハラシュトラ州の郷土料理ということもあり、コアなインド料理が好きな方は来てくれます。味には自信があるのですが、客数がまだついてこないことを考えると、情報が届いていないのかもしれないし、味がこちらの思うほど期待に応えきれていないのかもしれません。本当はもう少し尖った内容で、あまり見たことがない、だけど美味しいというメニューを出したかったけど、今はできていないのが現状。ただ、お店に少し余裕が出てきたので、マハラシュトラ州の料理人を招聘することを考えています。開業のタイミングに合わせて呼ぶのはビザやお金の問題もあって難しかったんですよ。料理人がきたら売上が必ず改善するかはわかりませんが、現状分析のひとつの対処法にはなるのではないかなと考えています。
軌道に乗り始めてきた矢先の新型コロナウイルス拡大による自粛要請。お店ではどういった対応をされていましたか?ういった対応をされていましたか?
自粛要請期間は週休3日で、営業時間も20時閉店に変更して営業していました。
衛生対応もできる限りのことはしましたね。アルコールの散布と噴霧後の拭き取り、水回りの清掃、換気、始業前の従業員の手洗い・うがい、検温、勤務中のマスク着用、お客様への消毒や手洗いなどの告知など実施してきました。
あとは、お会計時にキャッシュレス推奨したり業者様との打ち合わせはオンラインで行っています。
販促に関しては、もともとテイクアウトとウーバーイーツによるデリバリーは実施していましたが、今後の更なるテイクアウト、デリバリー需要に合わせて新たな業者との提携や、新たなアプリの活用等で拡大していきたいと思っています。
地域メディアや地元商店街とも連携して、少しでも集客へ繋がるように行動しています。
飲食店の経営者になってみて、必要な資質や能力ってどんなことだと思いますか?
飲食店は体力と根性が必要と言われていますが、それを全面的に押し出し、スタッフに無理強いするとブラックになるし、経営者として絶対にやってはいけないこと。そこをおろそかにすると店の雰囲気や味に反映してしまうと思います。決められた勤務時間の中で、利益を出してみんなが食べていけるようにしないと、無駄に働くことになりかねません。
そもそも店をつくるというのは、あくまでひとつの出発点であり事業の手段。やるべきことは客をいかにして店に呼び込み、お金を支払っていただくか、ということです。日本のインド料理店には行列店もあり、パートナーのインド人はそれを期待していたふしがあったのですが、うちはメインストリートから外れているし、あえて来させる店の仕掛け、動機となるメニューを用意する必要があります。そのためには日々の創意工夫、企画を実行する力も必要です。小さな例ですが、コラボレーションを活用しています。実は今、近所のスポーツジムとコラボして、ジムに店のチラシを置いてもらったり、ジム会員だけがお得に食べられる限定メニューを用意しているんですよ。どんな業種でもコラボする余地はあると思うし、双方の集客になるチャンスだと思っています。

飲食店の経営者になってみて、必要な資質や能力ってどんなことだと思いますか?

プリヤマハル東京
  • 東京都渋谷区笹塚2-7-9

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