価格設定の難しさをオープン時に実感…開業資金を全額自己資金で賄った、そのメリットとは?

SHOP DATA

サポート
  • 資金
  • 物件
  • 内覧
  • 手続き
張小姐餃子
山下雅司

葛飾区立石7-3-2

エリア
東京立石
業種
中華料理店
ロケーション
繁華街
ターゲット
大人向け
業界経験
未経験
開業時の年齢
50代
目標月商
100万~200万
開業資金
500~1,000万
坪数
10~20坪
家賃
20万以下

開業を目指すきっかけ

2019年10月に開業したばかりの「張小姐餃子(チョウサンギョウザ)」ですが、メインの餃子だけでなく、ジャージャー飯などの面白いメニューも多いですね。
主力はもちろん餃子ですが、プラスアルファとして夜メニューに出している中国の家庭料理が好評なんですよ。中華料理店といったら大きな中華鍋を使い強火で豪快に炒める料理が多いものですが、うちは構造上煙が出せない。なので、煮たり和えたりといった料理をお出ししているんですが、結果として他では食べられないメニューが揃った形になりました。妻が中国北部の河北省出身なので、彼女が慣れ親しんだ故郷の料理を再現して出しているのですが、他では食べられないからと同郷のお客さんもわざわざ遠くから来てくれます。

2019年10月に開業したばかりの「張小姐餃子(チョウサンギョウザ)」ですが、メインの餃子だけでなく、ジャージャー飯などの面白いメニューも多いですね。

山下さんは脱サラしてこのお店を始めたそうですね。
サラリーマンとして、食品商社に30年勤めていました。もともとは料理が好きで、大学も食品関係。食に縁があったんでしょう。定年後に始めるよりも、体力のある50代のうちに開業した方がベストだと考えたんです。ただ、開業ノウハウがなかったので、どこかの料理店で働いてからやるのも悪くないし、勉強にもなると考えて何社か面接を受けました。しかし、50代になると採用されるのもなかなか難しい。決まるまでに時間も苦労もかかるなら、遠回りするより自分でやってみようと思い立ったんです。会社を辞めて半年でオープンに漕ぎつけました。

開業準備での課題と解決方法
(物件探し・資金集め, etc.)

お店は「せんべろの街」としても有名な葛飾区立石にありますが、飲食店にとっては激戦区ではないでしょうか?
事前に知っていたら出店していなかったです(笑)。物件選びでこだわったのは、自宅から近い場所にあること。それだけなんです。安い店が多いのはうっすら知っていましたが、出店してみて初めて肌感覚でわかりました。場所柄飲むことが大好きな人も多いし、立石で飲みたい!と目的を持った方が遠方からやって来る。せんべろの街ですので、はしごをする方はうちに来ても1時間もいないですね。餃子とちょっと飲んで次の店に行くという感じです。ただ、雨が降ったら人が少ない、金曜だから人が多いというセオリーがない街です。金曜なのにお客様が1人しか来ないことが何度かあって、近所の同業者に相談すると「当たり前だよ!そんなの30年やっている俺でもわからないよ」と言われてしまいました(笑)。
あえて立石を選んだわけではないんですね。でも、お店は駅近でメインストリート沿いと最高の立地です。
最初に立石で探した時、不動産屋から「このあたりはそう簡単に物件はでないよ」ってけんもほろろに断られたんです。それで隣駅の青砥で見つけた物件で話を進めていたら、最後の最後に火を使う仕事はダメだと断られ、振り出しに戻ってしまった。仕方なく最初に断られた不動産屋にまた相談しにいったら「あんたもしつこいね」といいながらも、この物件を紹介してくれたんですよ。ラッキーなことにたまたま空いたタイミングでした。僕も2度目だったし、紹介してもらえたのかなと。

あえて立石を選んだわけではないんですね。でも、お店は駅近でメインストリート沿いと最高の立地です。

それはすごいスピード感ですね。開業準備はどう進めましたか。
まず開業資金ですが、30年間の蓄えがあったので、融資などは受けずに自前ですべてまかないました。
開業までが早かったのは融資を受けなかったからですが、自分の店の構想がまだ"熱い"うちにオープンできたのはよかったと考えています。
ただ、私自身に開業にまつわる事細かな知識がなかったので、内装会社の方がUSENのサポートを紹介してくれたんです。開業に特化したサービスを受けられるので、レジの導入からネット環境、電気ガス、ゴミの回収業者など細かいところまで教えてもらえたのは非常に助かりました。

開業後の気づき/今後の課題

オープンしてまもなく半年を迎えますが、経営上の課題はありますか。
価格の再考ですかね。飲食代が安いエリアなので、値付けもそれに合わせてみたのですが、お客様からもっと値上げした方がいんじゃないかと心配されるほど。自分でもちょっと安すぎるなと思っています。オープンして間もないですし、まずは半年やってみて客単価をあげていくための施策を取り入れたいと考えています。
あとはランチタイムの回転数を上げること。主力商品である餃子がもっと認知されれば品目は少なくていいかもしれません。しかし近隣のサラリーマンにきてもらうためには、メニューの選択肢の多さや、すぐに提供できるものが必要かなと思うようになりました。餃子でも焼く、煮るといった調理に手がかかると待ち時間ができてしまう。それだと昼をすぐ終わらせたい人にとって2度目の来店はないんですよ。オペレーションで手際が悪い部分がまだあるので、改善していきます。
今後のビジョンについてはどうお考えですか。
餃子1本でやっていけるくらい、餃子を柱に据えることです。あとはここまで不眠不休でやってきているので、適度に休めるシフトをつくること。儲け重視で店を始めたわけではないんです。モノ作りをして喜んでもらえる店にしたいんです。
実際にお店をオープンした後に感じていることはどんなことですか?これからお店を開業する方へのアドバイスになるようなこと、ありますか?
大切なのは一も二もなく「体力」。飲食店の経営に欠かせないと痛感しています。あと根気ですかね。この仕事を始めて1カ月で8キロ?せたんですよ。立ちっぱなしなので。慣れないこと続きでしたが、流れを掴んできたので、だいぶマシになりました。自分は体力ある方だと思いますが、こんなにきついとは思わなかったです。サラリーマンに戻りたいと思ったこともありますが、会社の人間関係に悩むことがなくなったし、体力的にしんどくても、精神衛生上はすごく良くなりましたよ。
張小姐餃子
  • 葛飾区立石7-3-2

PAGETOPへ