まったく分からない状態でありながらも、念入りな下調べで見えてきた脱サラ開業への道
SHOP DATA
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- 鉄板Shane
- 川畑雅昭
東京都大田区東六郷2-14-8
- エリア
- 東京
- 業種
- 居酒屋
- ロケーション
- ベッドタウン
- ターゲット
- 大人向け
- 業界経験
- 未経験
- 開業時の年齢
- 40代
- 目標月商
- 100万~200万
- 開業資金
- 500~1,000万
- 坪数
- 10~20坪
- 家賃
- 20万以下
開業を目指すきっかけ
- 開業のきっかけを教えてください。
- 飲食店を経営していた母親が他界したことがきっかけとなっています。当時、私はサラリーマンで、母親が亡くなるまで開業とか飲食店経営とかにあまり興味はなかったんですが、母が亡くなった後もお店の常連だったお客様からお店で働く母の話を聞く機会が非常に多くありました。話を聞いているうちに、親しまれる母の人望の厚さに憧れるようになり母のように飲食業を経営してみたいと思ったんです。
店名は、母が経営していた「しえん」という店名から、「鉄板Shane(シェーン)」にしました。
- そうだったのですね。飲食店業界のご経験はありましたか?
- 私はまったくの未経験者でしたので何をしたらいいのか分からない状態でしたね。なので最初はインターネットで分からないことを調べて知識を得るようにしていました。インターネットで得られる知識に限界を感じたとき、canaeruの開業サポートがセミナーを開催していることを知ってすぐに受講しました。それから5回ほど受けましたね。
開業準備での課題と解決方法
(物件探し・資金集め, etc.)
- セミナーを受けられて何か身になったことはありますか?
- 学んだなと特に思ったことは業態の選び方ですね。お店を開こうと思った当初は、お好み焼き屋を考えていたので、7日間という短期で習得できるお好み焼き屋専門の学校まで行きました。学校を終えた後にセミナーで教わった、“業態を選定するときのポイント”を振り返ってみたとき、自分でさえ月に1回通うか通わないかのお好み焼き屋で勝負しようとしていたことに気付いたんです。なので、お好み焼き屋より少し幅を広げて「鉄板焼き」に思考を広げてみました。そこで、「居酒屋鉄板Shane」の構想が次々と浮かんできたんですよね。
また、サポート担当の方へ困ったことや解らないことなどを相談すると迅速に対応してもらったのでとても助かりました。
- 業態が決まった次はどのような準備をされましたか?
- 物件探しをしました。私の場合、地元での開業を希望していたので地元界隈で物件を探したのですが、結局1年間ほど探し続けたんです。開業準備をする中で一番苦労したかもしれないですね。探し始めてから半年ほどで契約できそうな物件があったのですが、大家さんとの折り合いがつかず破棄せざるを得なかったこともありました。そのときは本当に心が折れそうになりましたね。その後、インターネットを利用して探していたのですが、私の条件に合う物件はほとんど見つけられませんでした。
このままでは埒が明かないと思ったので、自分のプロフィールや探している物件の条件を書いて、希望するエリアにある不動産屋へ片っ端から配りに行ったんです。
希望していたエリアは、地元である糀谷と大鳥居、そして現在、店を構えている雑色の3つのエリア。自分の足で不動産屋を訪問した理由は、直接会いに行って顔が見える状況をつくることで物件契約の本気度を伝えて市場に出る前の新しい物件や、退去予定などの情報を得ようと思ったからです。
この方法で見つけた雑色の物件は、商店街の中にあるので人通りがあり、更に商店街の奥は住宅街となっています。ファミリー層が多く、立地も坪数も私の条件に合う物件だったんです。
- 開業するにあたり融資は受けたのですか?
- もともとはすべて自己資金で運営していく予定で動いていました。ですが、コロナ禍での開業でお客様がどれだけ来てくださるのか予想が立てづらかったので余裕のある運営をしていくために少しだけ借りることにしました。
お金を借りるための事業計画書を作成したことがなかったので、canaeruの開業サポートの担当者に聞きながら進めました。
作成するにあたり、USENからいただいたアドバイスで「なるほど!」と思ったことは、“コロナ禍でのイレギュラーにも対応した事業計画書を作成する”ということです。コロナ対策とコロナ禍での経営状況を加味した事業計画書を公庫に提出したら「これなら安心ですね」と言ってもらえてすんなり融資を受けることができました。
開業後の気づき/今後の課題
- 11月22日にオープンと聞きました。コロナ禍でのオープンでしたが実際来店客数はいかがでしたか?
- オープンから1ヵ月が経ちましたが、オープンフィーバーもあって連日ほぼ満席で回転もしていますね。
ただ、オペレーション部分で準備不足を痛感しました。スタッフとして働いてくれている家族にレジの打ち方や注文の取り方を教える余裕がなくオープン当日を迎えてしまったんです。案の定、当日はとてもバタバタでした。また、プレオープンを行ったのですが、その際にはコースメニューのみで提供していたので良かったのですが…。グランドオープン時ではアラカルトが中心になるので、注文をいただいてから料理を提供するまでの時間がとても長くなってしまいお客様に迷惑をかけていましたね。だけど、そういった失敗を最初にしていたおかげで、現在はオペレーションをしっかり構築でき、料理を早く提供できるようになりました。
- そうなんですね。開業したばかりだと思いますが、ここまでを振り返り開業してよかったことはありますか?
- 地元で開業できたことで、普段会わない友人がお店に来てくれるので懐かしんだり近況を報告できたりと交流の機会が増えたので、物件探しのときに妥協しなくて良かったなと思いました。そして何よりも、新規のお客様から「美味しかった」と言ってもらえたときは格別に嬉しかったですね。
- サラリーマン時代のことが開業準備に活かされていると感じることはありますか?
- そうですね。私は地盤基礎のメーカーに勤めていました。作業チームの分担を考えたり、工程を組んだりして工事予算を算出するような業務でした。なので、何かを始める際には何が課題となっているのか、問題解決するために何が必要なのかを念入りに考えるようにしています。開業する際もあらゆるところで以前の仕事で培ったことが活かされていたと思います。
- 川畑様のようにサラリーマンを辞めて開業しようと思っている方に向けて、アドバイス等あれば教えてください。
- 私自身、飲食店経営もやったことがなく、ましてや開業も未経験なので分からないことだらけの状態でした。ですから、何が分かっていないのかを書き出して、それを一つずつ解決していきましたね。あとは信念を持つことです。お店を開くことは誰にでもできると思うんです。しかし続けることは自分の信念をしっかり持たないと難しいのではないかなと、開業してみて感じています。
これだけ飲食業が多いので、どんなお店で何がしたいのかをしっかり決めることは本当に大切だと感じました。