新業態「ドッグバリアフリーカフェ」を実現。開業準備期間中に融資審査通過を決定づけた3つの要素

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Dog Barrier free Cafe 茂原珈琲
瀬山浩樹

千葉県茂原市下永吉894-1

エリア
千葉茂原
業種
カフェ・喫茶店
ロケーション
ベッドタウン
ターゲット
ファミリー向け
業界経験
3~5年
開業時の年齢
40代
目標月商
200万~300万
開業資金
2,000万以上
坪数
30坪以上
家賃
20万以下

開業を目指すきっかけ

「ドッグバリアフリー」というコンセプトは、ありそうでなかったジャンルですね。どういったきっかけでそのコンセプトに至ったのでしょうか。
「ドッグバリアフリー」は誰もまだ使っていない言葉だったので、商標登録も簡単にできました。
通常のドッグカフェのように、特別な時間を犬と過ごすというよりも、犬と共に日常を楽しむ、という意味合いを込めているのですが、そもそも、このコンセプトに至った背景には、出店した茂原周辺では盲導犬が入れない飲食店が多いことがあります。
時代の流れとして、犬や猫をペットとしてではなく、家族の一員として共に暮らす方が増えていますよね。それにも関わらず、生活の中に犬と一緒に楽しめるような場がほとんどありませんでした。
そういった課題を解決することが、『Dog Barrier free Cafe 茂原珈琲』を開店しようとしたきっかけです。
一般的なカフェの開業とは異なる、特別な準備等は必要でしたか。
店舗の箱、ハードの面では、準備においてそれほど大きな違いはないと思います。
各地域の保健所によって基準は異なると思いますが、このお店では厨房にペットが入らないような設え、仕切りさえしっかり作っておけばOKが出ましたね。
ただし、ソフトの面では、店の特徴になりますので、それなりに準備はしています。
コンセプトを決めた段階で、ペットの食育士の資格を取りましたし、店内で行う犬猫のボランティア活動を保護する仕組みも作りました。
加えて、当店で一杯コーヒーを飲むと10円、マグカップを買うと300円寄付されるという活動もオープン当時から行っています。
一方で、通常のカフェとしての地力の高さにもこだわりがあるように感じます。
「茂原珈琲」という店名には“茂原で一番のカフェになりたい”という想いが込められています。
茂原に飲食店は多くあるものの、こだわりのあるお店は少ないんですよね。
ですので、東京に通っているような方が、家の近くでもこんな素敵なものが食べられるんだと思っていただけるような、特別感のあるお店を作りたいと考えて準備を進めました。
例えば、イタリアでNo.1のシェアを誇るエスプレッソLAVANZAのコーヒーは、現在のところ、外房エリアでは当店だけでしか出していません。ここでしか味わえない何かを感じ取ってもらえるような店として確立させたいと思います。
瀬山さんは、電気メーカーに勤める会社員だったそうですが、飲食店の開業については以前より計画していたのですか。
電機メーカーや携帯電話キャリアで約20年働いていたのですが、そもそも飲食業を開業したいという想いは強かったんです。
20年弱、会社員として働いた後、脱サラして埼玉県で移動販売のフランス風ホットドッグを売っていたこともあります。
ただ、5年前に家庭の事情で、茂原に帰らなくてはならなくなったので、いったん別の仕事に就きつつ、いつかは自分の店を持つと決めていました。

開業準備での課題と解決方法
(物件探し・資金集め, etc.)

開業すると決心してからは、どんな準備から始めたのでしょうか。
まずやったのは、地域の起業ワークショップやセミナーなどに参加して、人脈をつくることです。
茂原に引っ越してきたばかりの新参者でしたので、例えば「茂原を元気にする会」という有志の会、商工会の起業塾など、リアルやオンラインを問わず、そういう場には積極的に参加して知り合いを増やしていきました。
結果、そこで生まれた繋がりや出会いが、何よりも宝になったと思います。
具体的にはどういった繋がりがあったのでしょうか。
物件探しや資金調達のこともそうですが、厨房機器、レジや通信、BGMの手配など、自分だけではわからないことは、数えきれないほどあります。セミナーなどで出会った飲食店の先輩や業者の方々、USENの担当の方から、実践的な情報を教えていただけたからこそ、今があると思いますね。
私は移動販売車やカフェ、厨房での仕事は多少なりとも経験していますが、開業に関しては素人です。自分の店を持つということはそれらとは別次元のものでしたので、周りの方に本当に助けられましたね。
開業準備の中で一番大変だったことは何でしょうか。
店を始める多くの方がそうでしょうが、一番大変だったのは、物件探しと資金調達です。
私の場合は、自己資金がそれほど多くなかったので、融資はマストだったということもあります。茂原周辺の金融機関と地主の方には、ほとんど全員に会っているくらい時間も労力も使いましたね。
物件に関しては、結果的に最初に気に入った場所で開業できたのですが、当初この物件では銀行の融資が下りず、NGだったんです。
駅からこの物件までは約3kmの距離があるので、「この立地で、ドッグバリアフリーというコンセプトで、本当にお客さんが来るのか?」というところで審査に落ちてしまって。

開業準備の中で一番大変だったことは何でしょうか。

公庫だけではなく、地元の銀行からも融資を受けられたんですよね?
銀行の支店長とは、起業イベントの審査員で来ていた時に知り合って、その後、多くの壁打ちをさせてもらいました。茂原周辺のありとあらゆる物件を見て回ったのですが、支店長から、この立地だったらOKとか、ここはダメとか、その都度フィードバックをもらいましたね。
最終的にどのような形で融資を実現したのでしょうか。
融資が決まるには、3つの要素があったと思います。
まずは事業計画書です。審査では事業計画書の書き方も大きな判断材料になるのですが、振り返ってみると、最初はかなり詰めが甘かったと思います。その弱点は、商工会がやっている創業塾に参加して、事業計画書の書き方をブラッシュアップしていったことで解決しました。
2つ目は、店の佇まい。転機となったのは、いすみ市で行われていたビジネス発表会で、そこに来ていた「kurosawa kawara-ten」という設計事務所の社長さんと出会ったことです。この設計事務所が手掛けた『Cokube Coffee』は、倉庫を改装したカフェで、デザイン性が海外も高く評価されているんですが、なんと私の店も設計してくれることになったんです。
店の佇まいが見える化できたことで、銀行が納得してくれた部分もありました
普通の店をやってもお客さんが来る保証はないので、茂原にこんなオシャレな店ができるということを銀行に認めてもらったと。
最後は、偶然ですが、物件を賃貸ではなく購入したことです。
物件を探している期間に、現在の物件の所有者がお亡くなりになったんです。
でも、相続した息子さんが土地を貸すことには難色を示していました。
ならば、購入ならどうですか?と持ち掛けたら、OKが出て、その土地を担保にすることができたことも、融資を得られた大きな要因だったでしょう。

開業後の気づき/今後の課題

ほぼ当初の予定通り2020年7月にオープンしたわけですが、開業後に課題は出てきましたか。
一番の課題は、集客ですね。新型コロナウイルス感染拡大の影響で店を開けられる時間に制限がありましたし。
ですので、何よりも『茂原珈琲』に行けば、LAVANZAのコーヒーが飲めるというような当店の個性を、少しでも多くの方々に浸透させていくことが最優先だと考えています。
そういったキラーコンテンツもまだまだ少ないので、メニューも少しずつ増やしていこうと考えています。
今振り返ってみて、開店前にやっておけばよかったと思うことはありますか。
周辺のお客様に、もっと多く挨拶をしておけばよかったということです。
実際に物件が決まって開店準備に追われて、そこまで手が回り切らなかったですね。
多くの出会いが支えとなって開業にいたったことは話した通りですが、店を続けていくにも、多くの人のつながりが必要になります。
遠くからお客さんが来ていただけるのもありがたいことですが、そうなるためにも、近隣のコミュニティにとって必要な場にならなければいけないと考えています。

今振り返ってみて、開店前にやっておけばよかったと思うことはありますか。

Dog Barrier free Cafe 茂原珈琲

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