モアナ歯科が成功した秘密。「目指すビジョンを描き、イメージに沿って経営をしてきた」

歯科医師としてだけでなく、経営者としての顔も持つ「医療法人 奉優会 モアナ歯科クリニック」の吉田理事長。多忙な中でも“経営を楽しむことを忘れない”という吉田理事長に、独立や経営の考え方についてお話しを伺いました。

人気歯科医成功の秘訣。目標を達成するために「しなければいけないこと」を考える！

――2013年に東川口にクリニックをオープンして以来、竹ノ塚、武蔵浦和、東長崎と順調に数を増やしていますよね。ここまでの規模をイメージされて開業されたのですか？
独立する前から分院展開させていくことは決めていました。それを実現させるためのプロセスも、「最初のクリニックではこれくらいの患者数を目標にしよう。そのためにしなければいけないことは何か？」と考え、具体的な計画を持っていました。独立する前から目指すビジョンを描けていたので、そのイメージに沿って経営をしてきました。

――吉田理事長がビジネスについて考え始めたのはいつ頃ですか？
父が会社経営者だったことが影響しているのか、ビジネスに対する興味は人一倍強かったです。歯学部に入学した後も、すぐに経営に関する勉強会に入ったりもしていました。歯科医師として口腔外科を専門にしたのも独立を考えてのことでした。歯科の診療科目のなかで、口腔外科には、重症度の高い患者様が集まります。医師としては責任重大ですが、将来、自分のクリニックで診療メニューを広く持ちたいと考えていたので、目標に向けて明確な選択をしてきたと思います。

実現したいことを書き出してビジョンを固める！

――独立に向けてはどんな準備をしましたか？
クリニックで実現したいことを書きだしてビジョンを固めました。「法人を大きく育てたい」、「患者様に最高の医療をお届けしたい」など、やりたいことがたくさんありましたが、すべてを実現することはできませんよね。そこで、できることとできないことを仕分けして、できないことはどうしたらできるようになるかを明確化し、そこから計画を作り実行する、という手順を踏みました。最初にこのビジョンをしっかりと固めておいたおかげで、目標達成への道がスムーズになりました。

独立したからこそ、感謝の言葉やクレームがダイレクトに伝わる

――実際に独立してみて、思い描いていたビジョンは現実になりましたか？
そうですね。勤務医時代よりも、仕事の楽しさを実感できる場面が増えたのは嬉しいことだと思います。例えば、患者様からいただく感謝の言葉やクレームも、勤務医でしたらあくまでその医院に対する言葉ですよね。でも独立した今では、その言葉は直接私のもとに届きますので、ひとつひとつの出来事がビジネスに繋がってくる楽しさがあります。また、うまくいかずにイライラしても、それはそれで楽しかったり。もはや、仕事が趣味というレベルですね（笑）。
その反面、独立によってお金の自由がなくなりました。勤務医時代は安定した固定収入がありましたが、会社を持てばあらゆる場面で運転資金が必要になります。そうなると、削れる部分は自分の収入しかありません。自分の身を切ってでも経営を優先させる辛さはあるのかもしれませんね。

――これから独立を考えている歯科医師へアドバイスをお願いします。
独立してクリニックを経営していくなかで、歯科医師と経営者のバランスを求められる場面が多々あります。私としては、医療と経営はどちらも同じくらい大切だと思います。このバランスを保ちながら進んでいくには、何よりも患者様を一番に考えて、医療も経営も、尽力していくことだと思います。
目の前の患者様に対して「これは患者様のためになるのか？」「自分は患者様のために何ができるのか？」ということをいつも考え、医療人として尽くすことを忘れないでいたいですね。