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【小阪裕司コラム】第233回:9万円の経費が275万円の売上に

【小阪裕司コラム】第233回:9万円の経費が275万円の売上に

全国・海外から約1,500社が参加する「ワクワク系マーケティング実践会」を主宰する小阪裕司が商売成功のヒントを毎週お届けします。

不安を抱えながら始めたニューズレター

 前回、顧客とのコミュニケーションを目的に行ったニューズレター(以下、NL)の作成が、予期せぬ別の効果を生んだ事例をお伝えした。今回は、NLに初めて取り組んだワクワク系マーケティング実践会(このコラムでお伝えしている商売の理論と実践手法を実践する企業とビジネスパーソンの会)会員のあるリフォーム店からのご報告をご紹介しよう。
 昨年の8月にNLの発行を始めた同店。まずは、過去に工事した約100名のお客さんに送り始めたが、店主が気になったのはそのコスト。印刷代と配送代で毎月1万円の費用がかかる。当初は「毎月1万円はキツイな」「効果なかったら精神的ダメージが大きいな」と思っていたとのことだが、9ヶ月続けた結果、売上につながった。「発行費用9万円が275万円の売上になりました。この結果には驚きを隠せません」。
 なんでもこのNLを通じ、「息子の家も塗装してあげて」「ご近所さんにも紹介したから見積もりしてあげて」などの紹介があり、仕事につながったとのこと。NL発行以前、紹介はほとんどなかったそうだが、発行後わずか9ヶ月で3件の紹介があり、今回の結果となった。これはやはり、NLを通じて既存客とのつながりができたことが影響していると店主は言う。
 彼いわく、実践会に入会する前は過去のお客さんとつながりを持つことをおろそかにしていた。連絡すれば、「あそこが悪い、ここが悪い」とクレームが来るのではないかという恐怖心があり、距離を置きたい自分がいたという。しかし入会し、顧客リストの大切さ、既存客とつながることの大切さを知ったことから、「めんどくささと恐怖心を乗り越え、第一号を発行しました」。

不安を乗り越え得たものとは?

 彼が感じていた「めんどくささと恐怖心」や、発行費用に対し効果があるかどうかの不安感は、NLの発行、ひいては既存客とのつながりを維持する営みへの自然な反応だ。しかしそれを乗り越え一歩を踏み出したとき、彼のように得るものは大きい。
 彼はこうも言う。「売上が上がることも嬉しいのですが、過去のお客様から良い評価を得られていることを知れて非常に嬉しかったです。自分が必要とされていることを知って、仕事のモチベーション上昇にも繋がりました。現場での仕事もより一層丁寧にやろうと思えましたし、NLの継続にも意欲が持てました」。こうして仕事への感覚が変わり、日々の仕事がより充実していくこともまた、大きな「得るもの」だ。NLや顧客とのコミュニケーションは、実に多くのものを生むものなのである。

この記事の執筆

博士(情報学)/ワクワク系マーケティング開発者_小阪裕司

博士(情報学)/ワクワク系マーケティング開発者

小阪裕司

1992年「オラクルひと・しくみ研究所」を設立。人の「心と行動の科学」をもとにしたビジネス理論と実践手法(ワクワク系)を研究・開発し、2000年からその実践企業の会「ワクワク系マーケティング実践会」を主宰。現在全都道府県・海外から約1500社が参加。近年は研究にも注力し、2011年、博士(情報学)の学位を取得。学術研究と現場実践を合わせ持った独自の活動は多方面から高い評価を得ている。2017年からは、ワクワク系の全国展開事業が経済産業省の認定を受け、地方銀行、信用金庫との連携が進んでいる。

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