更新日:

【小阪裕司コラム】第232回:顧客コミュニケーションの意外な効果とは

【小阪裕司コラム】第232回:顧客コミュニケーションの意外な効果とは

全国・海外から約1,500社が参加する「ワクワク系マーケティング実践会」を主宰する小阪裕司が商売成功のヒントを毎週お届けします。

ニューズレターで顧客との絆作り

 今回は、顧客とのコミュニケーションを目的に行ったことから、予期せぬ別の効果も生まれたお話。ワクワク系マーケティング実践会(このコラムでお伝えしている商売の理論と実践手法を実践する企業とビジネスパーソンの会)会員のある居酒屋からのご報告だ。
 同店では顧客との絆作りのためにニューズレター(以下、NL)を発行している。店主は「初めてつくったレターは、A4サイズの紙半面に、協力してくれるスタッフさんの『似顔絵』と『趣味』だけという、なんともお粗末なものでした」と振り返るが、このコミュニケーションツールが長らく顧客との絆を深めてきた。
 ワクワク系マーケティングにおいて、絆作りは最も大切で商売の基盤となる実践の一つだ。なぜなら、絆のない顧客は流出する―再来店する可能性が著しく低くなる―ことが、データ的に明らかだからだ。ただ今回の店主からの報告には、その趣旨とは別の興味深いことが書かれていた。
 先ほど、NLの中身はスタッフの似顔絵と趣味だけだとあったが、なにせ誰もが初めての取り組み。スタッフの中でも協力的な人とそうでない人はいる。「そこは深く考えず、協力してくれる方はありがたい、そんなマインドで続けています」と言う店主だが、当初は店主自らグループLINEで「どんな食べものが好き?」「行ってみたい場所は?」といった問いかけをして返信を受け取り、それをもとにNLを作成していたという。

顧客との絆作りがスタッフとのコミュニケーションを強化

 それを毎回行ううちに、店主の中にふと、「もっとスタッフさんのことを詳しく知りたい」、そんな感情が湧いてきた。そこからはLINEでなく対面で聞き取りを始め、NL自体には紙幅の都合でそれほど多くの情報は載せられないが、あえて多くの質問をするようにしていった。すると、スタッフとのコミュニケーションがどんどん良くなり、明らかに会話の質や店での笑顔が増えていった。つまり、顧客とのコミュニケーションのために行ったことを通じて、スタッフとのコミュニケーションが変わっていったのである。
 「以前はスタッフさんの現状を把握したり、これからどうして行きたいかとか、不満や不安がないかを聞くための個人面談みたいなことをやっていたこともありましたが、今その仕組みはありません」と店主は言う。コミュニケーションを取ること。その人をよく知ることができる情報を引き出し、自らも語ること。それは多くの関係をより良いものにする。人は、お互いを知ってはじめて絆が深まるものだからである。

この記事の執筆

博士(情報学)/ワクワク系マーケティング開発者_小阪裕司

博士(情報学)/ワクワク系マーケティング開発者

小阪裕司

1992年「オラクルひと・しくみ研究所」を設立。人の「心と行動の科学」をもとにしたビジネス理論と実践手法(ワクワク系)を研究・開発し、2000年からその実践企業の会「ワクワク系マーケティング実践会」を主宰。現在全都道府県・海外から約1500社が参加。近年は研究にも注力し、2011年、博士(情報学)の学位を取得。学術研究と現場実践を合わせ持った独自の活動は多方面から高い評価を得ている。2017年からは、ワクワク系の全国展開事業が経済産業省の認定を受け、地方銀行、信用金庫との連携が進んでいる。

canaeruは年間300件以上の開業サポート実績!

メールアドレスの登録で
開業までのサポート完全無料で受けられます!

個人情報の取り扱いについて

メールアドレスを入力してください

無料会員登録でできること
① 「日本政策金融公庫」の創業融資をはじめとする資金調達の相談が出来る!
② 開業時に必要な事業計画書の作成サポートが受けられる!
③ 店舗開業や運営に関するさまざまな疑問点・お悩みを何度でも相談可能!
※ 金融機関出身者、元飲食店オーナーら店舗開業のプロが対応します

PAGETOPへ