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【小阪裕司コラム】第230回:ピンチをチャンスに変える工夫とは

【小阪裕司コラム】第230回:ピンチをチャンスに変える工夫とは

全国・海外から約1,500社が参加する「ワクワク系マーケティング実践会」を主宰する小阪裕司が商売成功のヒントを毎週お届けします。

思わぬ災害で店主が考えたこととは

 今回は、一見ピンチと思えるような予期せぬ状況もシンプルな工夫で打開できるというお話。ワクワク系マーケティングを実践するある精肉店からのご報告だ。
 同店では、今年の4月初旬、店の前を走る県道が崩落する大きな災害があった。その道路は通行止めとなったが、店にとっては大問題。自店へのアクセスが店の裏側を通る細い道路のみになってしまい、通行量が激減したのだった。
 こうなるとさすがに影響は免れない。事実、4月の売上は前年比95%となったが、復旧に時間も要するため、この状況を放置すれば売上のさらなる低下は目に見えている。
 そこで店主は考えた。このピンチは逆に耳目を集めるチャンスだとも思い、ワクワク系をフル活用。結果、5月は無事に前年比102%を達成し、狙った通りの成果を出すことができたということだ。
 では彼は何をやったのか。行ったことは実にシンプルだ。一つは、管理土木事務所へ要請し、通行止め箇所の立て看板に自店の掲示物を貼ったこと。自店名や「今日も元気に営業中です!」などのシンプルなものだが、これを貼らせてもらえたのは普段からの絆作りの賜物ではないかと店主は言う。
 もう一つは、ホームページ上での情報発信だ。まずは「道路崩落に伴う通行止め・迂回路のご案内」として、崩落現場の状況や迂回路の案内を写真や地図も交えて詳細に発信。5月に入り復旧のめどが立ってくると、次いで「もうすぐ、あの道が戻ってくるー5月末、解除見込み」と投稿。そこでは、崩落直後、自分たちが感じた絶望的な心境も吐露された。
 そしてついに5月末、仮道路が完成し通行止めが解除されると、すかさず「通行止め解除!仮道路ですが、あの道が戻ってきました」と投稿。そこにはお客さんへの感謝の言葉も綴られた。これら3つの投稿には、合計1万PVを超える反応があったという。

「正しい頑張り」が合わさり結果に繋がった

 店主は言う。「どんな状態でも、商売は工夫すれば上手くいく。そう確信できた2か月間となりました」。もちろんこの結果はスタッフたちの頑張りによるものだと彼も言うが、「その頑張りの中に、正しい頑張りが合わさり結果と繋がったのだと考えています」。そう。どんなときも商売は工夫次第でうまくいく。ただ、そこでは「正しい頑張り」であることがカギとなる。それらが合わさったとき成果が生まれ、それがまた自分たちへの自信となるのである。
 「崩落当初は社内で、圧倒的な悲観論が噴出していましたが、今ではのど元過ぎればなんとやら。なかったことになっています」とは店主の談である。

この記事の執筆

博士(情報学)/ワクワク系マーケティング開発者_小阪裕司

博士(情報学)/ワクワク系マーケティング開発者

小阪裕司

1992年「オラクルひと・しくみ研究所」を設立。人の「心と行動の科学」をもとにしたビジネス理論と実践手法(ワクワク系)を研究・開発し、2000年からその実践企業の会「ワクワク系マーケティング実践会」を主宰。現在全都道府県・海外から約1500社が参加。近年は研究にも注力し、2011年、博士(情報学)の学位を取得。学術研究と現場実践を合わせ持った独自の活動は多方面から高い評価を得ている。2017年からは、ワクワク系の全国展開事業が経済産業省の認定を受け、地方銀行、信用金庫との連携が進んでいる。

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