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カレー屋での開業は儲かるって本当?メリットとデメリットを解説

カレー屋での開業は儲かるって本当?メリットとデメリットを解説

カレー屋が儲かる理由とは

カレー屋が飲食店のなかでも儲かりやすいと言われている理由はいくつかありますが、主な理由として挙げられるのは提供までの時間が短いことや、低コストでの運営が可能という点です。

カレーは仕込んだものを温めるだけで提供できることもあり、注文から提供までの時間が他の料理と比べて極端に短く、非常に高い回転率を誇ります。

また、カレーに使用するスパイスや野菜類、肉類などの原材料はそれほど高価ではありません。料理のバリエーションも限られるため、メニュー開発のコストも抑えられます。加えて、調理工程が単純で提供に手間がかからないため、人件費も低い傾向にあります。

さらに、カレーは定番メニューとして幅広い年齢層の支持を得ているため、顧客の囲い込みが容易です。カレー本体に合わせてトッピングなどの多彩なオプションメニューを設定すれば、客単価の向上も狙えます。

このように、回転率が高く低コストでの経営が可能で、リピーターが獲得しやすく、客単価の向上も期待できるといった要素から、カレー屋は比較的儲かりやすく、安定した収益が見込めるビジネスモデルだと言えるでしょう。

「カレー屋は儲かるのか?」のテーマについて、さらに詳しく知りたい方は以下の対談記事をチェックしてみてください。

関連記事 カレー屋って儲かるの?|カレーの伝道師・水野仁輔と追う、「カレー」で起業するオトコたち!!

カレー屋が儲かる理由とは

カレー屋で開業するメリット

前章で解説した儲かる理由をさらに掘り下げる意味をこめて、カレー屋を開業するメリットについて詳しく見ていきましょう。カレー屋を開業する主なメリットは以下の3点です。

●需要が安定している
●さまざまな開業形態がある
●材料費が安い

それぞれ詳しく解説していきます。

需要が安定している

カレーは世界的に人気の料理であり、男女問わず幅広い年齢層から支持されています。さらに独自のコンセプトや個性を打ち出すことで、顧客の共感を得られれば、熱烈なファンを獲得することも可能です。

また、カレーは冬季を中心に需要が高まる一方、夏場でも「刺激的なスパイスを味わいたい」と考える顧客も多く、一年を通して人気があります。このようにカレーは季節変動の影響を受けにくいため、安定した需要が見込めます。

さまざまな開業形態がある

カレー屋の開業には個人で店舗を構える方法や、チェーン店のフランチャイズに加盟して開業する方法、移動式のキッチンカーによる開業など、開業形態はさまざまです。個人で店舗を構えるには、開業準備から店舗運営まですべて自分で行う必要があるため、手間と費用はかかりますが、自分のこだわりを存分に反映できます。

一方で、フランチャイズは、チェーン店のブランドや運営ノウハウを活用できるため、経験の少ない人でも開業しやすいのが特徴です。本部から開業や運営のサポートを受けられるため、初期投資やリスクも抑えられます。

また、キッチンカーはオフィス街やイベント会場など、多くの人が集まる場所で移動販売できる点がメリットです。店舗開業に比べて初期投資やランニングコストを低く抑えられることから、比較的リスクの低い開業形態とも言えます。

さらに近年では、通販サイトでのオンラインショップ展開も選択肢の一つとなっています。店舗を持たずにインターネット上で商品を販売すれば、大幅に初期投資を抑えることが可能です。

このように、自身の資金力やコンセプト、ターゲットに合わせて最適な開業方法を選択できることも、カレー屋開業の魅力です。

材料費が安い

カレーには各種スパイスをはじめ、鶏肉や牛肉の肉類や魚介類、ニンニク、タマネギ、ニンジン、ジャガイモなどを使用するのが一般的ですが、いずれも比較的低価格で手に入ります。

もちろん、有機のスパイスや野菜、和牛などの高級食材を使用すれば材料費は跳ね上がりますが、その場合は売値を適正価格に設定すれば利益を損なわずに済みます。品質が落ちる懸念はあるものの、冷凍の食材をうまく活用すれば、より材料費を下げることができるでしょう。

カレー屋で開業するデメリット

カレー屋の開業には多くのメリットがありますが、同時にいくつかのデメリットも存在します。ここでは、主要なデメリットである「競合の多さ」と「客単価の低さ」について解説します。

カレー屋で開業するデメリット

競合が多く存在する

カレー屋は飲食店のなかでも比較的参入障壁が低いため、多くの競合店が存在します。現在、都市部を中心に個人経営やチェーン店など、さまざまなカレー専門店が乱立しており、価格競争も激化している状況です。

このような環境では、単においしいカレーを提供するだけでは集客が困難です。好立地の確保や独自の商品開発、効果的な販促活動など、競争に打ち勝つための戦略を立てる必要があります。

これからカレー屋を開業するなら、優れた商品力と販売力に加え、SNSやGoogle ビジネス プロフィールをうまく活用するなど、効果的なマーケティングが不可欠です。

客単価が低い

カレー屋の大きなデメリットとして、客単価の低さが挙げられます。一般的にカレーは価格設定が低い料理ジャンルです。ご飯の大盛りや、サラダなどの付属メニューを付けても、客単価は他の飲食業態に比べて低い傾向にあります。ほかの料理と異なり、一緒にアルコールを楽しむ人が少ないのも客単価が上がらない要因でしょう。

また、カレーのみでも十分満足できる顧客も多く、店舗の付加価値を高めない限り、客単価の大幅な引き上げは難しいのが実情です。そのため、店舗の雰囲気作りや、こだわりの食材の使用、オリジナルのトッピングメニューの開発など、付加価値の高い商品・サービスを提供することで、客単価の向上を図る必要があります。

カレー屋の年収とは

カレー屋の経営状況や店舗規模によって、店主の年収にはかなりの開きがあります。一般的に、年商5,000万円を売り上げる自社経営のカレー屋では、店主の年収は500万円〜750万円程度です。また、フランチャイズの場合も、ほぼ同様と言われています。

一方で、個人経営の小規模店やテイクアウト店の場合、年商が1,000万円程度にとどまることも多く、その場合の店主の年収は100万円〜150万円程度と厳しい状況です。カレー屋の年収水準は立地条件や競争環境、商品力、販売力、運営効率など、様々な要因に左右されます。

カレー屋で開業して儲かるためには

カレー屋が安定した収益を上げるためには、正しい戦略に基づいた取り組みが重要になります。ここでは収益に直結する「客単価の向上」「回転率の向上」「効果的な開業形態の選択」「立地の検討」について解説します。

カレー屋で開業して儲かるためには

トッピングで客単価をあげる

カレー屋の収益性を高める上で最も重要な取り組みの一つが、付加価値の高いトッピングメニューの提供による客単価の向上です。定番と言える玉子やとろけるチーズなどのトッピングを用意するだけでは、他店との差別化は難しくなっています。

そのため、店舗独自のオリジナルトッピングを用意し、提供することが肝心です。例えば、モッツァレラチーズやゴルゴンゾーラチーズ、マスカルポーネチーズなど、イタリア料理で使用するような本格的なチーズトッピングを多数用意する、カレーの種類を増やし二種盛り、三種盛りを推奨するなど、満足度の高いメニューを展開することで、客単価の向上が期待できます。

さらに、トッピングメニューの開発と合わせて、家庭やチェーン店では味わえないカレーの味付けやルウ、ソースなどを開発したり、日替わりでラインナップなどを変えたりすることで、顧客の満足度をさらに高められるでしょう。定番メニューにはないオリジナリティあふれる商品を提供することが、競争力の向上と収益の確保に繋がります。

回転率をあげる

客単価の向上に加えて、顧客の回転率を高めることも、カレー屋の収益性を高める上で重要な要素と言えます。特に、ランチタイムの効率的な顧客対応や、テイクアウト需要の取り込み、デリバリーサービスの導入など、顧客の利便性を高める取り組みは大切です。

例えば、ランチタイムはスムーズな注文・提供体制を整え、待ち時間を最小限に抑えることで、より多くの顧客を受け入れるようにします。さらに、キャッシュレス決済の導入やWebサイトからの注文受付などを活用すれば、レジ業務が効率化されるため、回転率の向上に繋がります。

これらに取り組めば、顧客の回転率を高めて売上増加に寄与できるでしょう。

開業方法を検討してみる

カレー屋の開業形態について、本記事の前半でいくつか紹介しましたが、大半の方は独立開業とフランチャイズ加盟のどちらかを選択します。

独立開業は自由度が高く、自分の理想とするカレー屋を具体化できる一方で、ブランドの確立や顧客基盤の構築、運営ノウハウの蓄積には時間と労力が必要です。対照的にフランチャイズ加盟は、確立されたブランドのもとで営業を開始でき、経営指導や運営サポートが受けられるため、開業初期のリスクを軽減できます。

どちらの方法を選ぶかは、自身のビジネスに対する考え方や将来のビジョン、資金調達能力、経営における自信と経験によるところがあります。それぞれのメリットとデメリットを考慮した上で、最適な選択をすることが成功への鍵となるでしょう。

立地選びは慎重に検討する

カレー屋の収益を大きく左右する要因の一つが、出店場所の選定です。立地選びでは、自店のターゲット顧客層が多く集まる場所を探すことが最も重要なポイントとなります。しかし、その場所が繁華街だった場合、高い集客を望めるものの、家賃をはじめとする物件の維持費が高騰するリスクもあります。

また、店舗への交通アクセスの良さも重要な要素です。車やバイクでのアクセスを重視するのであれば、ロードサイドへの出店も検討する価値があります。一方、繁華街への出店であれば、徒歩でのアクセスは便利ですが、車で来店したい顧客の確保は難しいでしょう。

このように、立地条件の良し悪しは店舗の集客力と収益性に大きな影響を及ぼします。ターゲット顧客層やコンセプト、予算などから総合的に判断して、最適な出店場所を見極めることが重要です。

この記事の執筆

ライター・飲食店経営_大杉元則

ライター・飲食店経営

大杉元則

調理師学校卒業後、大手老舗ホテルの西洋料理部門に勤務。フレンチレストランやベーカリー、給食会社を経て2010年、無農薬野菜にこだわったイタリアンを開業。現在は店舗のオーナーシェフを務めながら飲食関連を中心としたライターとして活動中。

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