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飲食店を開業するには様々な資格や許可が必要です。しかし取得が必要な資格や申請すべき許可は飲食店の営業形態などによって異なることがあります。そこで、今回は飲食店の開業に必要な営業許可の取得方法を詳しく紹介します。
関連記事 飲食店の開業に必要な資格は2つ!開業に必要な届出についても解説目次
- 飲食店の営業に必要な許可とは
- 飲食店営業許可
- 喫茶店営業許可
- 深夜酒類提供飲食店営業開始届
- その他の営業許可が必要な業種一覧
- 飲食店の営業許可の申請方法
- ステップ1:食品衛生責任者の資格取得
- ステップ2:事前相談
- ステップ3:営業許可申請を提出
- ステップ4:施設検査を受ける
- ステップ5:営業許可証の交付
- 飲食店営業許可申請に必要な書類
- 営業設備の大要・配置図
- 内装配置に関する平面図
- 場所の見取り図
- 食品衛生責任者の資格を示すもの
- 水質検査成績書(物件による)
- 登記事項証明書(法人の場合のみ)
- 保健所の施設検査でポイントになる設備要件
- 飲食店営業許可を取得するのにかかる費用
- オープンまでに食品衛生責任者の資格が間に合わない!どうする?
- 飲食店の営業許可の更新について
- 廃業した場合に営業許可はどうなる?
- 飲食店の営業許可を得る際の注意点
- 無許可営業は罰則対象
- 申請事項に変更がある場合、速やかに届け出る
- 営業許可を取得できない場合がある
- 飲食店の営業許可取得には事前準備をしっかりとしよう!
飲食店の営業に必要な許可とは
飲食店を開業するには原則的に飲食店営業許可が必要です。また、深夜にお酒を提供する際は深夜酒類提供飲食店営業開始届が求められます。その他、取り扱う食材によって必要な許可が異なります。
飲食店営業許可
ランチやディナーなどの料理を提供する飲食店のほとんどで必要な許可です。飲食店営業許可を得ることで、店舗で調理した食品の提供とお酒の提供が可能になります。お酒に関して、未開栓のお酒を提供する際は酒類販売免許が別途必要なので注意が必要です。
喫茶店営業許可
調理をしない食事、酒以外の飲料を提供する場合は、飲食店営業許可ではなく、喫茶店営業許可を取得することになります。電子レンジによる温めは調理に該当するため、提供できる食事は一切手を加えないごく僅かなものに限定されます。申請のハードルは飲食店営業許可とほぼ同じで、違いといえば申請・更新の手数料が安いくらいです。そのため、喫茶業で営業するつもりでも飲食店営業許可を取得するのがおすすめです。
深夜酒類提供飲食店営業開始届
午前0~6時の間に営業する、酒類をメインに提供する飲食店は申請が必要です。酒類をメインに提供する飲食店には主に居酒屋やバーなどが該当します。牛丼屋やラーメン屋など、主食をメイン提供しているお店の場合であれば届け出は不要です。
その他の営業許可が必要な業種一覧
基本的には飲食店営業許可があれば、飲食店を営業することができます。しかし、取り扱う食材、製造・販売する食品によっては別の営業許可を取得する必要があります。営業許可を取得する必要があるのは次の34業種です。
菓子製造業/あん類製造業/アイスクリーム類製造業/乳処理業/特別牛乳搾取処理業/乳製品製造業/集乳業/乳類販売業/食肉処理業/食肉販売業/食肉製品製造業/魚介類販売業/魚介類せり売営業/魚肉ねり製品製造業/食品の冷凍又は冷蔵業/食品の放射線照射業/清涼飲料水製造業/乳酸菌飲料製造業/氷雪製造業/氷雪販売業/食用油脂製造業/マーガリン又はシヨートニング製造業/みそ製造業/醤油製造業/ソース類製造業/酒類製造業/豆腐製造業/納豆製造業/めん類製造業/そうざい製造業/缶詰又は瓶詰食品製造業/添加物製造業飲食店の営業許可の申請方法
飲食店の開業に必要な飲食店営業許可を取得するには、次の2つの条件を満たす必要があります。
・施設に1名以上の食品衛生責任者の配置
・保健所に施設の基準を満たしているか確認してもらう
食品衛生責任者の取得と配置、保健所の認可など飲食店営業許可を取得するまでの流れをステップごとに紹介してきます。
2つの条件について詳しくはこちらの記事でも解説しています。
>>飲食店営業許可の2つの基準を見てみる
ステップ1:食品衛生責任者の資格取得
まずは食品衛生責任者の資格を取得します。食品衛生責任者は、店舗の現場責任者として食品衛生関連の法令違反がないよう施設や業務全般の衛生管理を司ることになります。食品衛生責任者の資格は各都道府県の食品衛生協会が主催する「食品衛生責任者養成講習会」を受講することで取得できます。もし食品衛生管理者、栄養士、調理師などの資格をすでに取得している場合は、講習会を受けずとも食品衛生責任者になることができます。
参考記事:飲食店開業に必要な資格は2つ!取得方法や届出についても解説
ステップ2:事前相談
飲食店営業許可の申請をする前に、出店先の管轄保健所に事前相談に行きましょう。開業予定の店舗が保健所の基準を満たした施設なのかどうかを店舗の図面などを持参して確認してもらいます。事前相談は必須ではありませんが、内装工事着手前に見てもらうことで再工事などのリスクを減らせます。
ステップ3:営業許可申請を提出
内装工事などが終わり、店舗の設備が整ったら、営業許可の申請を管轄先の保健所に提出します。保健所の検査では施設の立入検査などがあるため、営業許可が下りるまで時間がかかります。そのため、オープンの2〜3週間前には提出することが望ましいです。また、申請には以下の物が必要ですので事前に準備しておきましょう。
・営業許可申請書
・営業設備の大要・配置図
・食品衛生責任者の資格を示すもの
・水質検査成績書(物件による)
・登記事項証明書(法人の場合のみ)ステップ4:施設検査を受ける
申請書類に問題がなければ、保健所の職員が実際に店舗の設備等のチェックを行います。検査対象は厨房とトイレです。そのため、客席側は準備が整っていなくても問題ありません。施設や設備の基準や細かいルールはそれぞれの保健所によって異なる場合があります。
ステップ5:営業許可証の交付
保健所の職員が施設や設備等に問題がないと確認した場合、後日、営業許可証が交付されます。こうしてようやく実際に営業を開始することができます。交付された営業許可証はお店の目立つところに掲示しておきましょう。
飲食店営業許可申請に必要な書類
飲食店営業許可申請には、営業許可申請に加え、以下のものが必要です。
・営業設備の大要・配置図
・内装配置に関する平面図
・場所の見取り図
・食品衛生責任者の資格を示すもの
・水質検査成績書(物件による)
・登記事項証明書(法人の場合のみ)営業設備の大要・配置図
店舗の面積や内壁の材質、配置などの営業設備を記載する書類です。用紙は、保健所やホームページから入手できます。防虫・防鼠、換気、照明、トイレなど、施設設備について細かく記載します。分からないことがあれば、適当に記入せず随時保健所に確認しましょう。
内装配置に関する平面図
施設のどこに客室、厨房があるかを示す図面で、前述した「営業設備の大要」の裏面に付いていることが多いです。特に保健所では衛生面から水回りを重視しているため、調理場やシンクなどを中心に作成します。図面といってもそれほど難しいものではないので、手書きで作成することも可能です。なお、内装業者に依頼している場合、自分で準備する必要はありません。
場所の見取り図
店舗がどこにあるのかを示す資料のことです。最寄り駅や周辺の施設などを書き、店舗の位置に印をつけておきます。手書きでもかまいませんが、グーグルマップなどの地図を利用することも可能です。
食品衛生責任者の資格を示すもの
前述したように、飲食店を営業するためには、店舗ごとに食品衛生責任者を配置しなければなりません。この資格を証明するために、「食品衛生責任者手帳」を提示、またはコピーを提出します。
水質検査成績書(物件による)
貯水槽や井戸水を使用する場合に必要な書類です。一般的にはビルの管理会社や大家さんがこの書類を管理しているため、申請の際は依頼して準備しましょう。
登記事項証明書(法人の場合のみ)
法人として飲食店を営業する場合には、登記事項証明書も必要です。「目的」の欄に「飲食店の経営」「飲食店業」などの文言が入っているかを確認しましょう。登記事項証明書は全国の法務局で取得できます。
保健所の施設検査でポイントになる設備要件
保健所の施設検査では、図面通りに工事が行われているか、所定の設備がついているかどうかを細かく確認されます。検査のポイントになる設備要件は以下の通りです。
・店舗の場所や面積、構造は図面通りか
・換気や防虫設備は適切か
・厨房とトイレに手洗い場が設置されているか
・厨房と客室が分かれているか
・厨房の床は洗浄・清掃しやすいか
・汚れの取れやすい壁か
・照明は全体を照らしているか
・食器棚に戸が付いているか
もし検査で不備が見つかった場合、その改善をしなければ営業はできません。なお、保健所によって検査基準が異なる場合もあるため、事前に相談しておくと良いでしょう。
飲食店営業許可を取得するのにかかる費用
飲食店の営業許可を得るには、申請手数料が必要になります。金額は都道府県や営業の種類によって異なりますが、だいたい16,000~19,000円です。詳しくは管轄の保健所ホームページを確認しましょう。このほか、登記事項証明書や各種証明書の交付手数料が発生する場合もあります。
オープンまでに食品衛生責任者の資格が間に合わない!どうする?
原則として、飲食店を営業するには食品衛生責任者の配置が必要ですが、食品衛生責任者資格の講習予約が満員などの理由でオープンに間に合わない場合も。オープンに間に合わない場合は、申請後一定期間内に有資格者の配置を約束する誓約書を提出することで、許可の取得が可能です。申請後に食品衛生責任者を配置できたら、その旨を保健所に報告します。
飲食店の営業許可の更新について
飲食店営業許可には期限があります。営業する業種にもよりますが、一般的に有効期限は5〜8年とされています。そのため、有効期限を越えて営業継続を希望する場合、営業許可の更新が必要です。有効期限満了月中に必要書類を提出することで更新ができます。更新する際には以下の必要書類が必要ですので、事前に準備をしておきましょう。
・営業許可申請書
・申請手数料
・現に受けている営業許可証
・食品衛生責任者の資格を示すもの
・水質検査成績書(物件による)
保健所に営業許可の更新を申請したあと、保健所の職員による設備などの衛生状況を確認するための立ち入り検査があります。衛生状態に問題がないことが確認されると、新しい営業許可証が交付されます。廃業した場合に営業許可はどうなる?
飲食店を廃業する際には、廃業届を提出する必要があります。申請先は保健所で、以下の書類の提出が必要ですので、事前に準備をしておきましょう。
・廃業届
・現に受けている営業許可証
・食品衛生責任者廃止届
・食品衛生責任者の資格を示すもの飲食店の営業許可を得る際の注意点
飲食店の営業許可を得る際には、いくつか気をつけるべき点があります。主な注意点は次の3つです。
無許可営業は罰則対象
飲食店の営業許可を得る前から営業を始めてしまうと、食品衛生法、風営法に違反することになり、2年以下の懲役、または200万円以下の罰金が課せられる可能性があります。さらに営業停止命令を受け、2年間営業許可が取得できなくなることもあります。そのため、必ず営業許可証が交付されてから営業を始めましょう。営業許可の申請から許可が下りるまでには2〜3週間かかるので、オープンに間に合うよう申請は早めに行っておくことが大切です。また、営業開始した後も営業許可証の有効期限切れには注意しておきましょう。
申請事項に変更がある場合、速やかに届け出る
飲食店営業許可に関して、営業者の住所変更や改姓、営業施設の一部変更などが生じた場合は変更届けが必要です。変更がある際は変更届と食品営業許可証を保健所に提出します。また、営業者の変更等がある場合は新たに営業許可の取得が必要になることもあります。
営業許可を取得できない場合がある
飲食店営業許可を取得しようとしても、取得できない場合があります。それは、取得希望者が食品衛生法の人的欠格事由に該当している場合です。人的欠格事由には、無許可営業等などにより食品衛生法違反で罰せられた人や何かしらの理由で営業許可を取り消されてしまった人が該当します。法人で取得を目指している場合、会社役員のうち一人でも人的欠格事由に該当していると、許可は下りないので注意が必要です。人的欠格事由に該当している人でも、処罰を受けてから2年経過すれば取得が可能になります。
飲食店の営業許可取得には事前準備をしっかりとしよう!
飲食店の営業には原則、飲食店営業許可が必要です。飲食店営業許可を取得するには食品衛生責任者の設置と店舗の設備の基準を満たす必要があります。しっかりと準備をしておかないと、許可が降りず、オープンができない自体にもなりかねません。
また、申請から許可が下りるまで、おおよそ2〜3週間かかるので、余裕をもって申請はするようにしておきましょう。
この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント
○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。
○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。- NEW最新記事
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