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日本政策金融公庫が2018年に開業1年以内の企業に実施した新規開業実態調査によると、起業動機の第3位には「収入を増やしたかったから」とあります。
このように「起業(自分の事業を持つ)=儲かりそう」というイメージを持つ方が多いようですが、起業をすれば必ず儲かるわけではありません。
実際に黒字で経営ができている事業主は全体の61.3%であり、残りのおよそ3分の1強の事業主は赤字の採算状況となっています。自分の事業を持った起業者の事業が黒字経営になる可能性を少しでも上げるためは、儲けやすいビジネスの選択と事業計画書を作ることが必要です。
起業の際に前向きな姿勢を持つことは大事なことですが、決して楽観視しすぎず、データを参考にしながら事業を成功させるための道筋を探していきましょう。目次
競合を知るためにも…どのような人が事業を始めているのか
日本政策金融公庫のデータによると自分の事業を持ち起業した人の平均年齢はここ数年ゆるやかに上昇を続けており、2018年には1991年の調査開始以来もっとも高い43.3歳となっています。
性別で見ると約8割は男性が占めていますが、女性で開業する方も年々増えています。
事業主が起業の直前まで就いていた職業は、正社員だったという人が全体の7割を占め、そのうちの6割が管理職でした。
起業の動機として「仕事の経験を生かしたかった」と答えている人が最も多いです。
以上のことから「管理職という立場も含めて経験を積んだ中年層が、前職と同業またはそれに近い内容の事業を立ち上げる」ケースが平均的な起業家像として浮かんできます。
起業家の平均年齢が上がる一方、開業資金は減少傾向にあります。
2018年には平均1,062万円、中央値では600万円と、いずれも調査開始以来もっとも少ない金額となっており、ネットビジネスに代表される小規模な自営業者の増加がその原因と思われます。起業家が手にする実際の収入
2016年のデータでは、自分の事業を持った開業者のうち個人事業主の平均所得金額は約410万円となっています。一方で会社員などの給与所得者の平均年収は約420万円と個人事業主よりも10万円高い結果となっています。
もちろん個人事業主のなかには副業としてあまり本腰を入れずに事業を運営している人など、いろいろな事情が考えられるので一概には言えませんが、平均年収は個人事業主より会社員の方が高いことはひとつの事実です。
また、開業1年以内の企業の事業の月商を確認しても月商500万円以下の企業だけで85%を占めています。開業しても月商が500万円以下となってしまう事業が多いため、月々でかかる固定費が少なくて済むなど儲けが出やすいビジネスを選択し、事業を進めなければサラリーマン時代と比較して収入が落ちてしまう可能性があります。起業で儲けを出すためにできる最大の工夫とは?
起業で儲けを出すためにできる工夫として、利益率が高いビジネスを選択することが重要です。
高い利益率を出すためには、店舗などの賃貸費用による固定費がかからず、初期費用が安くはじめられるビジネスを行うと良いでしょう。
利益率が高いビジネスとしては、カウンセラーやコンサルタントなどの相談業が代表的です。
他にもインターネットを利用したオンライン語学教師や研修講師などビジネスを行うために店舗が必要ない事業を行うことが高い利益率を確保できる要因になります。
これらの利益率の高いビジネスを成功させるためには、顧客・販路の確保が必要です。
少し古い2014年のデータになりますが、顧客獲得のために最も多くの事業主が試みている取り組みは「自社や商品・サービスに関するホームページの開設」となっています。
また、「開業時に自身の持つ人脈に自信があった」と回答している事業主は顧客の確保に苦労していないという傾向があり、起業前から積極的に人的ネットワークを築くことが手段として有効だとわかります。
このように開業後に儲けを出しやすくするためには、高い利益率のビジネスで開業することを決め、起業前から顧客に成りうる人脈を作るように行動することが必要です。「儲け」を出すためにすべきこと基本
自分の事業を持った起業家が黒字経営を目指すためには、実際に売上が上がるよう事業の運営方針を具体的にすることが重要です。
事業の運営方針の具体化するために、開業前の事業計画書作りと開業のプロに意見を聞くようにしましょう。事業計画書を作れなければ、事業は成功もしなかれば始まりもしない
開業の際には、必ず事業計画書を作成します。
開業前に事業計画書を作成することで、事業開始後どのように事業を進めれば売上を上げられるかという指針となり、売上予測をするために必要でもあります。
また、事業計画書は公的金融機関から融資を受ける際の提出書類としても利用します。
事前に作成することで資金調達が必要になった際は、必須で作成しなければなりません。事前情報収集は必須!開業のプロに話を聞く
儲けが出やすいビジネスを選択し、事業計画書をきっちり作成するために開業のプロからの意見を聞くようにしましょう。
事業の成功には店舗の立地や扱う商材・サービスといった要素はもちろんのこと、流行り廃りや経済の状況など自分ではコントロールできない要素も複雑に絡んできます。
こうした複雑な要素がある以上、「絶対に儲かる事業」というものは存在しないです。だからこそ、多くの開業事例に関わるプロの意見は貴重と言えます。特に「お店」を持つ人注意!起業家と飲食店オーナーの違いは?
起業・起業家という目線で語ってきましたが、例えば「飲食店のオーナー」として、お店を開業する場合は、起業家ではないのでしょうか。
答えはNO
飲食店オーナーとして、個人事業でお店を開業するのは、「起業」です。
起業するわけですから、お店が開業したら「経営者」になります。
ワンオペレーションでお店を開業する場合でも、「料理人」になるわけではなく「経営者」になるのです。
料理人は、調理をすることが主な作業ですが、経営者は、事業を維持し拡大し利益を得るようにすることが主な作業です。
起業して儲けるためには、この「経営者」視点が絶対に不可欠です。
起業する事業は、前職と関係性が高く「慣れている」作業かもしれませんが、経営者としてはビギナーです。
このことを確実に認識し、「経営」という作業ができるかどうか…が儲かるかどうかに掛かっている…と言えるでしょう。この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント
○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。
○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。- NEW最新記事
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