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合同会社の代表社員とは?業務や役割を業務執行社員と比較して解説!

合同会社の代表社員とは?業務や役割を業務執行社員と比較して解説!

合同会社を設立しようと考えたとき、代表社員という言葉を耳にしたことはありませんか?代表社員は合同会社の顔として、契約や取引を行う重要な役割を担います。とはいえ、業務執行社員との違いや、具体的な業務内容については分かりにくい部分も多いかもしれません。この記事では、代表社員の役割や権限、そして業務執行社員との違いを分かりやすく解説します。合同会社の経営において、代表社員がどのような役割を果たすのかを理解することで、あなたのビジネスプランに役立ててみましょう。
さらに、代表社員に就任するための条件や、選出方法についても詳しく説明します。合同会社の出資者として、どのように会社を運営していくのか、その一助となる情報をお届けします。

合同会社の代表社員とは?役割と基本を解説

合同会社の代表社員は、会社を外部に対して代表し、契約や取引を行う権限を持っています。この見出しでは、代表社員の基本的な権限や責任について詳しく解説し、業務執行社員との違いや代表権を持つことの意義を明らかにします。合同会社の代表社員について理解を深めることで、起業を考えている方がどのような準備が必要かを把握する助けとなるでしょう。

合同会社の設立手順については以下をご確認ください。
法務省:合同会社の設立手続について

合同会社を代表して契約や取引を行える立場

代表社員は合同会社の顔として外部との関係を築き、契約や取引の場で重要な役割を果たします。具体的には、取引先との契約締結や、会社の利益を守るための交渉を行います。例えば、新たな仕入れ先との契約を締結する際、代表社員は契約内容を確認し、会社にとって有利な条件を引き出す役割を担います。契約の際には、会社の方針や利益を第一に考え、慎重に判断することが求められます。代表社員の判断が会社の将来に大きく影響を与えるため、責任は重大です。

代表社員に就任できる人の条件

代表社員に就任するためには、いくつかの法的要件を満たす必要があります。以下の条件に当てはまる方は代表社員にはなれないとされています。


1. 成年被後見人・被保佐人
・判断能力に制限があると認められた人(民法上の制度)


2. 会社法で定められた欠格事由のある人
・破産して復権を得ていない
・刑罰を受けてから一定期間経過していない
例)詐欺罪、横領罪など「経済犯罪」で有罪判決を受けた人


3. 在留資格が適さない外国人
外国人でも代表社員にはなれますが、「経営・管理ビザ」が必要なケースが多く、「就労ができない在留資格」の場合は実務上難しいとされています。
例)観光ビザ、留学ビザ


また、代表社員は合同会社の出資者であることが一般的ですが、外部から選出されることも可能です。
さらに、代表社員は登記が必要であり、法務局への申請を通じて正式に就任が認められます。これにより、代表社員としての法的な権限が与えられ、会社の代表として活動することが可能になります。これらの条件をクリアすることで、代表社員としての責務を果たす準備が整います。

主な業務は対外的な業務から代表印の管理まで

代表社員の主な業務は以下の通りです。


1. 会社の代表としての活動
・契約締結や取引先との対外的なやりとり
・銀行口座の開設、税務署などへの届出、法的書類の提出
・代表印の管理


2. 業務執行
・日々の経営判断(仕入れ、販売戦略、従業員の管理など)
・会計や税務などの内部管理


3. 対外的な責任の所在
会社の法律的な顔として対外的な責任が発生することがある
(ただし、有限責任なので出資額以上の責任は基本的に負わない)


4. 登記上の義務
法務局に「誰が代表社員か」を登記し、氏名や住所が公開される
社名や本店所在地を変更する際などの登記申請

代表社員と業務執行社員の違いは?

合同会社において、代表社員と業務執行社員の役割や権限はどのように異なるのでしょうか。この見出しは、両者の違いを明確にし、具体的な業務上の差異を解説します。

会社の意思決定における権限の範囲が違う

代表社員は会社を代表して取引を行う際の最終的な決定権を持ちます。例えば、新たな取引先との契約締結や大規模な投資決定は、代表社員の権限で行われます。
業務執行社員は、運営方針や人事に関する決定など、日常の業務遂行に関する意思決定を担当します。まず業務執行社員が提案を行い、その後代表社員が最終的な承認を行う流れが中心です。代表社員と業務執行社員で権限の範囲を分けることで会社全体のバランスが保たれるのです。そのため、両者の協力が会社の円滑な運営に不可欠です。特に、出資者や社員の意見を尊重しつつ、最終決定を行う代表社員の役割は重要です。

代表社員と業務執行社員は登記が必要

合同会社の代表社員や業務執行社員は原則として登記が必要です。会社の信用を高め、対外的な信頼性を確保するためです。つまり代表社員と業務執行社員が変更された場合は、速やかに変更登記を行う必要があります。

代表社員の権限と義務について

合同会社の代表社員は、会社の顔として経営を担う重要な役割を果たします。ここからは代表社員が持つ具体的な権限と義務について詳しく解説します。代表社員は、会社の財産を適切に管理し、取引先との契約を慎重に進める義務があり、これらの義務に違反した場合には法的なペナルティが課されることもありますので、注意が必要です。

会社の財産管理と運営における責任

代表社員は、会社の財産管理において重要な責任を負っており、資金の流れを把握し、必要な支出を適切に行うことが求められます。例えば、飲食店を開業する際には、設備の購入や店舗の賃貸契約などの経費を適切に管理し、予算内での運用を心掛けることが重要です。開業後の資産管理にも同様のことが言えるでしょう。
代表社員は会社の資産を守る義務があり、そのために慎重な判断と計画的な運営が求められます。万が一、義務を怠った場合には、会社に損害を与えることになり、法的な責任を問われる可能性もあります。したがって、常に最新の財務状況を把握し、適切な判断を下すことが求められます。

取引先との契約における注意点

代表社員が取引先と契約を締結する際には、いくつかの注意点があります。まず、契約内容が会社の利益に合致しているかを確認することが重要です。契約書には、取引条件や納期、支払い条件などが明確に記載されている必要があります。特に、契約書の条項には、曖昧な表現がないか、法的に問題がないか厳密に確認しましょう。
また、代表権を持つ代表社員は、契約の締結にあたって、出資者や他の社員とのコミュニケーションを十分に行い、合意を得ることが重要です。契約を結ぶ前には、必ず契約書を精査し、必要に応じて専門家の意見を仰ぐことも一つの方法です。契約に関するトラブルを未然に防ぎ、会社の信用を守りましょう。

代表社員の選任方法は?人数制限も解説

合同会社を設立するうえで、代表権を持つ代表社員の選出は慎重に行う必要があります。代表社員の選任は、通常、出資者や社員の合意に基づき行われます。選任手続きのフローとしては、まず出資者や社員による協議を経て候補者を選出し、その後、定款に基づいて正式に選任されます。選任された代表社員は、法務局への登記を行うことで正式にその権限を持つことになります。人数に関しては、定款で特に制限がない限り、複数名の代表社員を選任することも可能です。

定款での規定方法と記載事項

定款は、合同会社の基本的なルールを定める重要な書類です。代表社員の選任に関しても選任基準や手続きについて定款に記載する必要があり、例えば、「代表社員は出資者の過半数の同意により選任する」などといった具体的な記載が求められます。
また、定款には代表社員の権限や義務についても明記することが推奨されます。代表権を持つ代表社員の選任は、会社の経営に大きな影響を与えるため、しっかりとした規定が必要です。詳細な記載例や規定方法については、法務局の公式サイトに掲載されている例を参考にしましょう。

記載例

複数名の代表社員を置くメリット

複数名の代表社員を選任することには、いくつかのメリットがあります。まず、代表社員が複数いることで、業務の分担が可能になり、会社の経営がスムーズに進むことが期待できます。例えば、ある代表社員が対外的な業務を担当し、もう一人が内部管理に専念することで、効率的な業務執行が可能になります。
一方で、デメリットとしては、意思決定に時間がかかる場合があることが挙げられます。複数名の代表社員がいることで、意見の不一致が生じる可能性もあるため、事前に役割分担や意思決定のプロセスを明確にしておくことが重要です。具体例として、ある合同会社では、代表社員を2名置き、1名は営業、もう1名は財務を担当することで、業務の効率化を図ったケースがあります。メリットとデメリットを比較し、自社にとって最適な体制を選択してください。

代表社員の変更手続きについて

合同会社の代表社員を変更する際には、手続きが必要です。特に、代表社員の変更は会社の経営に大きな影響を与えるため、正確かつ迅速に行うことが求められます。ここからは、代表社員の変更手続きについて解説します。

変更登記の手順と必要書類

登記を変更する具体的なフローは以下の通りです。

1. 社員間での決定(内部手続き)
まず、定款や社員間契約に基づいて、新しい代表社員を決定します。
※定款で「全員の同意が必要」となっていれば、その通りに進めます。

2. 必要書類を準備する
法務局に提出する書類は以下の通りです。

書類名備考
登記申請書法務局に提出するメインの書類
代表社員の就任承諾書新代表社員が就任に同意したことを証明
退任届(または辞任届)前代表社員が退任・辞任したことを証明
印鑑届書(必要に応じて)新しい代表社員の印鑑を届け出る際に必要
登録免許税(1万円)収入印紙で納付
総社員の同意書(必要に応じて)定款の規定により、選任手続きの証明として添付する場合がある

3. 法務局へ登記申請
代表社員変更後、2週間以内に、会社の本店所在地を管轄する法務局へ提出します。
提出方法は以下の3つがあります。
・直接窓口へ持参
・郵送
・オンライン申請
オンライン申請の詳細はこちらからご確認ください。
[株式会社・合同会社の設立]オンライン申請・QRコード(二次元バーコード)付き書面申請について


4. 登記完了後の手続き(任意)
・税務署、都道府県税事務所、市区町村などにも変更届を提出する。
・銀行口座の代表者名義の変更
・社会保険や労働保険の手続き ※該当する場合のみ

住所変更時の手続き方法

代表社員の住所変更がある場合も、法務局への変更登記が必要です。まず、住所変更が決まったら、速やかに変更手続きを進めることが求められます。住所変更に伴う手続きは、代表社員の変更手続きと同様に、正確な書類の準備が重要です。
住所変更の際に必要な書類としては、登記申請書、変更後の住所を示す住民票、代表社員の印鑑証明書などがあります。これらの書類を揃えて、法務局に提出します。手続きの流れとしては、まず必要書類を準備し、法務局に申請を行い、変更が承認されると新しい住所が登記されます。

代表社員の特殊なケースと対応策

合同会社を運営する上で、代表社員が死亡したり重病にかかったりするなど、業務の継続が困難な状況に置かれることがあります。ここからは、そうした特殊なケースにおいてどのようにして会社の経営を維持したらよいか、その対応策について説明します。適切な対応策を知っておくことで、予期せぬ事態にもスムーズに対処できるようになります。

代表社員が死亡した場合の対応手順

代表社員が死亡した場合、まずは速やかにその事実を法務局に届け出る必要があります。その際、死亡届の提出に合わせて代表社員の変更登記を行うことが求められるため、会社の定款に基づき次の代表社員を選出し、正式に登記を完了させましょう。
次に、会社の運営に関わる権限を新たな代表社員に引き継ぐための手続きが必要です。これには、銀行口座の名義変更や取引先への通知などが含まれます。これらの手続きを迅速に行うことで、会社の経営に支障をきたすことなく、スムーズな移行が可能となります。

よくある疑問と解決策

合同会社の代表社員については、多くの方が疑問を抱くポイントがいくつかあります。代表社員の選出方法や業務範囲、権限についての理解は、合同会社を設立する上で重要です。この見出しは、代表社員に関するよくある質問や疑問点をまとめ、それぞれの具体的な解決策を提示します。これにより、飲食店の開業を考えている方々が、合同会社の設立と運営において安心して進められるようにサポートします。
例えば、代表社員の選出方法についての疑問には、定款(会社の基本ルールを定めた書類)での規定が必要であることを理解することが大切です。また、代表社員の具体的な業務範囲についても、具体的な例を挙げて解説することで、業務の全体像を把握する手助けをします。これにより、経営における不安を軽減し、スムーズな開業準備を進めることが可能になります。

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まとめ

本記事では合同会社の代表社員の役割や具体的な手続きについて解説しました。
代表社員は代表権や登記の管理はもちろん、経営においても大きな責任を担っています。業務執行社員との違いを把握することで、会社の意思決定や権限の範囲を明確にし、スムーズな経営が可能となります。
自分自身の事業を成功に導くために、知識を深め、計画的に行動するようにしましょう。

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