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全国・海外から約1,500社が参加する「ワクワク系マーケティング実践会」を主宰する小阪裕司が商売成功のヒントを毎週お届けします。
経営改善を表す3つの数字
今日は、お客さんを「顧客化」することが業績を底堅く上げていく話。その具体的な取り組み、そこでは何がカギかといったお話だ。ワクワク系マーケティング実践会(このコラムでお伝えしている商売の理論と実践手法を実践する企業とビジネスパーソンの会)会員のある化粧品専門店が、3ヵ年の取り組みを報告してくれた。それによって経営係数がいかに改善されたかも具体的に記されており、大変参考になる。ご紹介しよう。
先に成果を述べておこう。何よりまず売上が順調だ。そのなかで改善された、特に重要な数字が3つある。第一に「顧客流出率」の改善。約10%の減少だ。同店には現在約2000人の顧客がいるが、以前より約200人も多くが、顧客として残るようになったということだ。第二に「顧客の上得意化」。顧客一人当たりの年間購入金額が1万円もアップした。約2000人がそれぞれ1万円ずつ多く使ってくれるようになったわけで、全体で約2000万円の売上が上乗せされたことになる。第三に「上得意客の増加」。年間購入金額の多い顧客の増加率が著しいのである。
いずれも収益を生み出すための要点であり、これらが改善されたことは大きい。このような状況を彼らはいかにして実現したのだろうか。
そこにはまずフォローレターの存在がある。新規客に対してできるだけ早く礼状を出し、一週間後に再び手紙を送り、おしまいに思いがけないギフトを送る。これを約3週間のうちに実行するのだ。内容はそう大げさなものではない。商品の使用感を尋ねたり、お店としてのこだわりを語ったりといった内容だ。
多くの店は新規客に再来店を期待しながら、具体的な働きかけをしていない。大切なのは、「帰った後」のアプローチなのだ。またこれらはささやかな行動だが、3週間にわたるプログラムを実行するには顧客管理の仕組みが必要だ。どのお客さんに、いつ、何を送ったかを正確にチェックする。次のレターをいつ発送するのか、常に把握しておく。お店のスタッフがもれなく、忘れずに、無理なく行える流れを作ることが大切だ。専門店の業績悪化は真実なのか
店主によると、巷では昔ながらの「専門店」の業績は厳しく、化粧品専門店も例外ではないという。その理由は、ビジネス環境の変化、とりわけ様々なチャネルで化粧品が売られるようになったこととされるそうだが、それは事実だろうか。同店では着実に顧客が増え、業績も向上しているのだから。ここで重要なのは、彼らの取り組み、そして、その背景にあるカギだ。それは何か。続きは次回に。
この記事の執筆
博士(情報学)/ワクワク系マーケティング開発者
小阪裕司
1992年「オラクルひと・しくみ研究所」を設立。人の「心と行動の科学」をもとにしたビジネス理論と実践手法(ワクワク系)を研究・開発し、2000年からその実践企業の会「ワクワク系マーケティング実践会」を主宰。現在全都道府県・海外から約1500社が参加。近年は研究にも注力し、2011年、博士(情報学)の学位を取得。学術研究と現場実践を合わせ持った独自の活動は多方面から高い評価を得ている。2017年からは、ワクワク系の全国展開事業が経済産業省の認定を受け、地方銀行、信用金庫との連携が進んでいる。
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