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廃棄物処理法とは?個人店舗の事業ごみのルール・罰則・処理手順

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店舗での営業活動から出る事業ごみは、家庭ごみと同じ地域の集積所には捨てられません。
法律によりすべての事業者に適正処理の責任が課されるため、いざ開業準備を進める段階で、廃棄物の分別や回収業者の選び方に戸惑う方も多いのではないでしょうか。
ここでは事業者に求められる排出事業者責任と廃棄物処理法について、個人店舗におけるごみの処理ルールや違反時の罰則を交えて解説します。

目次

廃棄物処理法とは?正式名称・目的・対象をわかりやすく解説

店舗を運営していくうえで、ごみの正しい扱い方を知っておくことは必要不可欠です。
間違った処理でトラブルにならないよう、ここでは廃棄物処理法の正式名称や目的、対象となる事業者をわかりやすく解説します。

廃棄物処理法の正式名称と制定された目的

廃棄物処理法とはどのような法律なのか、まずはその基本を押さえておきます。全体の背景を知ることで、このあとの実務的なルールも理解しやすくなります。
正式名称は「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」で、一般的には「廃棄物処理法」や「廃掃法」と呼ばれています。この法律は、生活環境の保全や公衆衛生の向上を目的に制定されました。具体的には、ごみの排出を抑えることや、出たごみを適正に処理するためのルールが定められています。
少し硬い表現に感じるかもしれませんが、要は街をきれいに保ち、人々の健康を守るための取り決めです。店舗を構える以上、どうしても毎日ごみが発生します。事業ごみをルール通りに処理することが、地域から信頼されるお店づくりに直結するのだと捉えておきましょう。

廃棄物処理法・施行令・施行規則・政令の違い

廃棄物に関する決まりは、役割ごとに3つの階層に分かれています。いざ調べようとしたときに違いがわかると、必要な情報へ早くたどり着けます。
「法律」は、基本的なルールを定めた一番大きな枠組みです。ごみの適正処理や不法投棄の禁止といった、店舗経営の根幹となる方針をここで示しています。
「施行令(政令)」は、法律で決めた対象や基準を具体化するものです。たとえば産業廃棄物20種類の指定など、実務で対象範囲に迷った際の判断基準はここで確認します。
「施行規則(省令)」は、手続きや書類、表示方法などを細かく定めたものです。委託契約書に書くべき項目やマニフェストの運用方法など、日々の店舗作業で直接関わるルールが含まれます。

廃棄物処理法の対象となる店舗・事業者

廃棄物処理法は、事業活動から出るすべてのごみが対象となります。株式会社などの法人に限らず、従業員が自分1人だけで切り盛りする個人店舗や個人事業主であっても例外ではありません。
うちは小規模だから家庭ごみの集積所に出しても大丈夫だろうと考えがちですが、これはよくある誤解です。店舗の運営に伴って発生したごみは、原則としてすべて「事業ごみ」に分類されます。
飲食店に限らず、小売店や美容室、サロン、整骨院、学習塾、事務所なども対象です。事業ごみは、家庭ごみと処分のルールが根本的に異なります。
自店舗で発生するごみの種類や処理手順を、開業前にあらかじめ確認しておく必要があります。

廃棄物処理法における廃棄物の定義と有価物との違い

店舗から出るごみを処理する際、何が「廃棄物」にあたるのかは悩ましいポイントです。自己判断で進めてしまうと、後から法令違反を指摘されて慌てかねない部分でもあります。
法律上は、持ち主(占有者)が不要とした物を廃棄物と定義しています。一方で、他人に有償で売却できるものは「有価物」として扱われ、廃棄物処理法の対象外となります。例えば、資源として買い取られる金属や、状態の良い使用済み機器などが有価物にあたります。
ただし、少額でもお金を受け取れるリサイクル品であっても油断はできません。買い取り額よりも収集運搬費などの経費が高くつき、実質的に店舗側の持ち出しになる取引は、有価物ではなく廃棄物としてみなされます。
リサイクル目的で業者へ引き渡す段ボールや廃油なども、市場価格や契約条件によって扱いが変わります。物の性状・排出状況・取引価値などから総合的に判断されるため、少しでも判断に迷ったときは管轄する自治体の窓口へ確認を入れておきましょう。

個人店舗にとって廃棄物処理法が重要な理由と特徴

店舗から出るごみの処理は、家庭のごみ出しとは全く異なるルールが適用されます。ここを自己流で進めると、思わぬトラブルを招く恐れがあるので注意しましょう。個人店舗にとって廃棄物処理法がなぜ重要なのか、その理由と特徴を解説します。

排出事業者責任がある

事業活動から出るごみは、廃棄物処理法によって「自らの責任において適正に処理しなければならない」と定められています。これが排出事業者責任と呼ばれる原則です。
ここで意識しておきたいのは、ごみを処理業者へ渡したら終わりではないという点です。費用を払って許可業者に委託した場合でも、最終的な処分が完了するまでは、排出元の店舗側に責任が残る仕組みになっています。
そのため、マニフェスト(産業廃棄物管理票)などを活用し、最後まで正しく処理されたかを確認する義務があります。万が一、委託先が不適正な処理をした場合、店舗側も行政処分の対象となるリスクがあるため、処理状況の追跡が自店舗を守る防波堤となります。

一般廃棄物と産業廃棄物では処理ルールが違う

店舗から出るごみは、事業系一般廃棄物と産業廃棄物の2つに分かれます。飲食店を例にすると、紙くずや調理で出た生ごみは事業系一般廃棄物です。一方で、食材の包装に使われていたプラスチックや金属くず、調理後の廃油などは産業廃棄物に分類されます。同じ一つの店舗から、両方のごみが発生することは決して珍しくありません。
ここを曖昧にしたまま進めると、後から業者探しをやり直す手間がかかります。なぜなら、一般廃棄物と産業廃棄物では、回収を委託できる業者の許可の種類が明確に異なるからです。一般廃棄物の許可しか持たない業者に、産業廃棄物を引き渡すことはできません。まずは店舗からどんなごみが出るかを洗い出し、どちらに該当するかを仕分けてみてください。

適正処理は店舗の信用と事業継続を守る

廃棄物のルールを守ることは、単なる義務ではなく店舗を守る防衛策です。万が一不適切な処理が発覚すれば、行政指導を受けるだけでなく、悪臭や不法投棄による近隣トラブルに発展するリスクがあります。
一度問題が起きると取引先からの信用低下を招き、最悪の場合は休業など営業への影響も避けられなくなります。さらに金銭面でも、不適正に処理されたごみの原状回復費用や、処理費用の追加負担が発生し、経営の土台を大きく揺るがします。
こうした事後対応の重いペナルティに比べれば、日常的な管理にかかるコストは決して高くありません。日々の営業の中でごみを正しく分別し適正処理を続けることが、店舗の信用を築き、事業継続を支える確実な基盤となります。

廃棄物処理法を守るメリット

ルールに沿ったごみ処理は、一見手間に感じるかもしれません。しかし、適正な対応は店舗を長く続けるための土台になります。ここからは、廃棄物処理法を正しく守ることで得られる具体的なメリットについて解説します。

行政処分や罰則を受けるリスクを減らせる

ルールに沿った適正処理は、店舗と経営者個人の双方を守るための防波堤となります。廃棄物処理法に違反すると、段階的な行政指導だけでなく、重い処分を受ける恐れがあるからです。
不法投棄や焼却禁止に違反した場合、刑事罰や多額の罰金が科されます。法人への両罰規定も適用されるほか、業務への改善命令や措置命令を受けることも想定しておくべき部分です。日々の正しい分別と委託が、こうした予期せぬ法的リスクから事業を遠ざけてくれます。

店舗や経営者の社会的信用を守れる

ごみの適正処理は、店舗の評価や日々の営業を直接左右する要素です。ルールを軽視すると、悪臭や汚水、害虫の発生、ごみの散乱を招き、地域住民や貸主からの信用を一気に失う原因になります。
加えて、取引先からコンプライアンスの順守状況を厳しく確認される場面も増えています。万が一ずさんな管理がニュース報道や口コミで広まれば、致命傷になります。確実な手順を踏むことが、お店の看板を守る最大の防衛策です。

廃棄物処理費用と業務を管理しやすくなる

ごみの分類や分別、保管ルールを整えることは、店舗運営の効率化に直結します。ルールが明確になれば日々の排出量が見える化され、無駄に気づきやすくなるからです。
排出量を把握できると、適切な回収頻度や委託業者との契約内容を見直すことができ、結果として処理費用の適正化につながります。また、帳簿やマニフェストを用いた一元管理がしやすくなるため、日々の業務負担を減らす実務的なメリットも得られます。

リサイクルや資源の有効利用につなげられる

ごみをただ捨てるだけではなく、次へ生かす視点を持つと、店舗の経営にとっても大きなプラスになります。ルールに沿った適切な分別を心がければ、再利用やリサイクルへの道が開け、全体の廃棄物量を減らすことが可能です。
特に段ボールや古紙、金属、プラスチック、使用済み製品などは、きちんと分ければ再資源化しやすくなります。このとき、売却できる状態であれば「有価物」として扱われ、廃棄物には該当しません。ただし、売れるだろうと自己判断するのは禁物です。油汚れや異物が混ざっていると買い取られず、通常の廃棄物扱いになるため、引取先の基準を事前に確かめておきましょう。
資源を有効に生かす取り組みは、環境保護だけでなく実利の面でも役立ちます。有価物として引き渡せた分だけ、ごみとして処分する処理費用を確実に削れるためです。さらに、リサイクルへ積極的に協力する姿勢は、店舗のクリーンなイメージやお客様からの信頼獲得にもつながっていきます。

廃棄物処理法への対応で生じるデメリット・負担

ここでは、店舗が廃棄物処理法に対応する際に生じるデメリットや負担について解説します。法令を遵守してごみを適正に処理するためには、業者の手配から日々の管理まで、避けては通れない費用や手間が存在します。

処理業者への委託費用がかかる

事業ごみの処理には、家庭ごみと異なり店舗側で費用を負担する義務があります。毎月の固定費になるため、早めに概算を把握しておきたい部分です。
主な内訳は収集運搬費と処分費です。回収頻度や廃棄物の種類や量で金額は変わり、特別管理産業廃棄物は処理基準が厳しいためさらに高額になります。
まずは2〜3社から見積もりを取り、条件を見比べてみてください。金額だけでなく、回収のタイミングや追加費用まで確認しておくと安心できます。

分別・保管・帳簿管理の手間が増える

適正な処理には、日々の業務負担が伴います。具体的には、廃棄物の分別や保管基準の遵守、保管場所への表示義務です。
さらに、業者との契約書や許可証の確認、マニフェストの交付と報告、帳簿作成に加え、各種書類の保存も求められます。ここを一人で抱え込むと、本来の店舗業務を圧迫する要因になります。
負担を減らすためにも、まずはルールのマニュアル化や管理担当者の決定を進め、店舗全体で対応する体制を整えましょう。

廃棄物の区分や許可の判断が難しい

事業ごみの分類は複雑で、ここを自己判断で進めると後から手続きのやり直しになる場合があります。
プラスチックや汚泥、廃油、汚水などはどの業種でも産業廃棄物ですが、木くずのように業種によって区分が変わる品目もあります。さらに、業者が持つ許可品目や許可地域、自治体ごとの運用差も絡むため、適法な依頼先選びは一筋縄ではいきません。迷ったときは自分で抱え込まず、必ず自治体の窓口や専門業者へ問い合わせて確認する手順を踏みましょう。

法改正や自治体ルールへの継続対応が必要になる

廃棄物処理の仕組みは、一度契約して終わりではありません。知らないうちに変更が加わることもあり、こまめな確認を怠ると後で慌てる原因になります。
実際には法律や施行令、施行規則、政令の改正だけでなく、環境省通知や自治体条例の変更にも対応が求められます。これに合わせて、処理業者の許可更新や契約内容の定期確認も必要です。
行政窓口などで定期的な情報収集を行い、年1回程度は店舗の運用を見直す機会を設けると安心です。

店舗から出る廃棄物の種類と処理手法

ここでは、店舗の営業に伴って発生する廃棄物の種類と、それぞれの処理手法について順番に解説します。
ごみを正しく分別し処分することは、法令遵守だけでなくスムーズな店舗運営にも直結する大切なステップです。

事業系一般廃棄物の種類と処理方法

店舗から日常的に出やすいごみの代表例が、紙くずや生ごみ、木製品、繊維くずなどです。飲食店であれば、調理くずや食べ残しがこれに当たります。身近なごみばかりですが、実は業種によって扱いが変わる点に注意が必要です。
同じ紙くずや繊維くずでも、特定の業種から排出されると産業廃棄物に分類されます。自分の店舗のごみがどちらに当たるのか、ここを自己判断してしまうと後々のトラブルに繋がる恐れがあります。
事業系一般廃棄物として扱う場合は、自治体が定めるルールに従うのが基本です。指定のごみ袋で出すか、市区町村の許可を受けた一般廃棄物収集運搬業者へ委託して処理します。まずは店舗を構える自治体の窓口で、具体的な排出手順を確認してみてください。

産業廃棄物20種類と店舗で発生しやすい品目

ごみを正しく分けるには、法律で定められた20種類の産業廃棄物を知る必要があります。ここを見落とすと、後から処理業者を探し直すことになります。
20種類は、廃プラスチック類や廃油など「全業種で該当する12種類」と、木くずなど「特定業種のみ該当する7種類」、処理後の「13号廃棄物」に分かれます。
個人店舗でよく出るのは、ビニールの廃プラスチック類、空き缶の金属くず、割れた食器のガラスくずです。飲食店なら厨房の廃油や設備の汚泥、洗剤の廃酸・廃アルカリも出ます。具体例を知ることで、実務のイメージが湧いてくるはずです。
さらに、業種限定品目の存在も押さえておきましょう。木くずや紙くずは建設業などから出た場合のみ産業廃棄物となり、一般的な店舗から出た場合は事業系一般廃棄物となります。まずは自店舗のごみを一度リストアップしてみてください。

特別管理産業廃棄物・石綿・薬品類の注意点

特別管理産業廃棄物とは、爆発性や毒性を持ち、通常の産廃より厳重な管理が求められるごみです。一般的な店舗の営業において、発生する頻度は高くありません。
ただ、ここで自店には関係ないと油断するのは禁物です。店舗の改装や設備交換、退去時の撤去工事で出る廃材には注意を払う必要があります。
具体的には、廃油・廃酸・廃アルカリ、石綿、低濃度PCBを含む古い機器、薬品類などが該当します。また、感染性廃棄物や放射性物質は別法令の対象となる場合もあります。
いざ工事となって慌てずに済むよう、事前に処理方法を専門業者へ確認しておくのが安全な進め方です。

自ら処理・自ら運搬する場合のルール

店舗から出た廃棄物を、経営者や従業員が自分の車を使って処理施設へ直接運ぶことは可能です。
ただし、自ら運搬や処理を行う場合でも、廃棄物処理法が定める処理基準は厳守しなければなりません。運搬時には、周囲へのごみの飛散や悪臭の流出を防ぐための対策が求められます。さらに産業廃棄物を運ぶ際は、車両への「産業廃棄物収集運搬車」といった表示や、発生元・運搬先などを記載した書類の携帯が義務づけられています。
ここで見落としやすいのが、他店舗の廃棄物への対応です。例え近隣の店舗から頼まれたとしても、許可なく他者の廃棄物を運搬することは法律違反となります。運べるのは、あくまで自店舗から出たごみのみである点に注意しておきましょう。

中間処理・最終処分・リサイクルの違い

店舗から出たごみがどのように処理されるのか、その道のりを追ってみましょう。排出された廃棄物は、まず収集運搬業者によって処理施設へと運ばれます。
施設に到着して最初に行われるのが中間処理です。ここでは焼却や破砕、選別などを通じてごみの量を減らし、安全な状態にします。この段階で資源として使えるものは、再生利用(リサイクル)へと回されます。
そして、中間処理やリサイクルを経ても残ったごみが、最終処分場で埋め立てられるという流れです。排出事業者には、これら一連のルートを把握する責任があります。
もし委託先が不法投棄などをすれば、元の排出者である店舗も責任を問われる場合があります。契約段階で、最終処分まで適正に処理されるルートなのかを確認しておきましょう。

マニフェスト制度が必要になる廃棄物

産業廃棄物の処理を業者へ委託する際は、「マニフェスト(産業廃棄物管理票)」の交付が義務付けられています。不法投棄を防ぎ、適正な処理を確認するための制度です。ここは見落とすと法令違反になる重要な部分です。
伝票には廃棄物の種類や業者の情報を記載し、運搬・処分の工程ごとに業者が完了報告を書き込みます。運用方法には複写式の「紙マニフェスト」と、システムを利用する「電子マニフェスト」の2種類があります。
処理完了後は戻ってきた写しを確認し、交付日から5年間保存します。紙の場合は前年度の交付状況を毎年6月末までに自治体へ報告する義務もあります。まずは紙と電子のどちらを選ぶか、委託先の業者と相談して決めてみてください。

個人店舗が廃棄物を適正処理する実行手順

ごみの適正処理は、店舗の信頼を守るための大切なステップです。ここからは、廃棄物を法に則って処理するための具体的な実行手順を解説します。
必要な手続きを順に確認し、ルールづくりを進めていきましょう。

店舗から発生する廃棄物の種類と量を洗い出す

適切な処理計画を立てるには、まず店舗から出るごみの全体像を把握する作業に入ります。頭の中だけで考えると、イレギュラーな発生分を見落としてしまいがちです。
通常営業や納品、日々の清掃で出るごみに加え、大掃除、設備交換、改装、将来の閉店時に出る廃棄物まで想定します。これらを品目・排出量・排出頻度・発生場所ごとに書き出し、漏れがないか一つずつ確認できる一覧表を作っておくのが確実です。

一般廃棄物・産業廃棄物・有価物に区分する

ごみの種類を洗い出したら、次は法令に沿って分類を進めます。ここでの仕分けを間違えると後の処理手順が狂うため、慎重に進めたい作業です。
区分は、一般廃棄物・産業廃棄物・特別管理産業廃棄物・有価物(リサイクル品)の4つが基本です。産業廃棄物のなかには、特定の業種から出た場合のみ該当する「業種指定」の品目もあります。もし判断に迷う品目が出てきたときは自己判断で済ませず、必ず管轄の自治体窓口へ確認してください。

保管基準に沿って分別・表示する

ごみの回収日までただお店の隅に置いておけばよいわけではなく、周囲への影響を防ぐ管理が求められます。ここの対策を怠ると、近隣トラブルや衛生問題に直結する原因になります。
店舗内やバックヤードでは、害虫やねずみ、悪臭の発生を防ぐため密閉できる容器を使用します。屋外に置く場合は、飛散や汚水の流出を防ぐ囲いを設けましょう。産業廃棄物には専用の保管場所を定め、規定を満たした「産業廃棄物保管場所」の表示板を掲示することが義務付けられています。

廃棄物の種類に合う許可業者を選ぶ

委託先選びは、ごみの種類に合った許可を持つ業者を探すことが基本です。意図しない法令違反を防ぐため、契約前に必ず許可証の提示を求めて実物を確認します。
チェックリストとして、一般廃棄物処理業許可、産業廃棄物収集運搬業許可、処分業許可の有無を見ます。
あわせて店舗所在地を含む許可地域か、出すごみが許可品目にあるかを照らし合わせます。有効期限と積替え保管の有無まで目を通せば、安心して手続きを進められます。

委託基準に従って契約書を作成する

産業廃棄物を処理業者へ任せる際は、口約束での依頼は禁止されており、必ず事前に書面で契約を結ぶ義務があります。このルールを破ると「委託基準違反」として罰則を受ける恐れがあるため注意が必要です。原則として、収集運搬業者と処分業者のそれぞれと個別に契約を交わす形を取らなくてはなりません。
いざ契約書を作成する段階になると、指定された項目が多く戸惑う方も多い部分です。書面には、廃棄物の種類・数量・性状はもちろん、委託料金や最終的な処理施設まで細かく明記します。また、締結した契約書は終了後も5年間の保存が義務付けられています。一から作るのは手間がかかるため、まずは自治体が公開しているひな形を活用してみてください。

マニフェストを交付して処理完了を確認する

委託業者へ廃棄物を引き渡す際、契約どおりに処理されたかを見届けるための伝票「マニフェスト」を交付します。ここを人任せにすると、万が一不適正な処理が起きた際に自らの責任を問われる場合があります。
手順は、まず排出時に廃棄物の種類や数量などを記載して運搬業者へ交付します。その後、収集運搬終了、中間処理終了、そして最終処分終了と、各工程が終わるたびに業者から報告が戻ってきます。交付日から90日(最終処分は180日)を過ぎても報告がない場合は、状況の確認義務が生じます。
なお、現在はインターネット上でやり取りを完結できる「電子マニフェスト」が主流です。紙の伝票を郵送・保管する手間が省けるため、まずは電子対応の業者を優先して選んでみてください。

契約書・許可証・マニフェスト・帳簿を保存する

処理業者への委託後に残る書類の管理は、日々の営業のなかで後回しになりやすい部分です。しかし、各書類には法律で厳格な保存期間が定められており、紛失すると罰則の対象になるため注意が必要です。
委託契約書とそれに添付する許可証の写しは、契約終了の日から5年間保存します。マニフェストや処理実績を記録した帳簿、毎年の交付状況報告書も、それぞれ交付や閉鎖から5年間の保存が義務付けられています。
書類ごとに管理項目を整理し、表計算ソフトなどで許可証の更新期限を一覧化しておく形がおすすめです。紙ではなく電子データで一元管理すれば、期限切れを防ぎ、必要なときにすぐ確認できる体制が整います。

従業員向けルールを作り定期的に見直す

契約を済ませたら、次は店舗内で運用するごみ処理マニュアルの作成へと進みます。現場のスタッフが迷わず動ける仕組みを作らなければ、日々の業務の中でルールが形骸化する要因になります。まずは、誰が見てもわかる分別表を掲示し、保管場所と回収日、絶対に混ぜてはいけない禁止事項を明文化しましょう。
マニュアルができたら店舗ごとの責任者を決め、新人研修などを通じて浸透させます。ここは後回しにすると、あとから分別ミスや再指導の手間が増えやすい部分です。また、法改正への対応や業者との契約更新のタイミングに合わせ、現場の定期点検も実施してください。このサイクルを回すことで、初めて安心して営業に集中できるようになります。

廃棄物処理法に関するよくある質問

ここでは、店舗のごみ処理について迷いやすい疑問を取り上げ、それぞれのルールと注意点を解説します。

個人経営の小さな店舗にも廃棄物処理法は適用されますか?

店舗の規模や法人・個人の違いに関わらず、廃棄物処理法はすべて適用されます。個人事業主であっても、ごみの量がごくわずかであっても対象外にはなりません。
事業活動から出たごみである以上、適正に処理する責任が生じます。自己判断で済ませず、まずは管轄する自治体のルールを確認して、正しい処理手順を整えておきましょう。

店舗のごみを家庭ごみの集積所に出してもよいですか?

店舗のごみは、原則として家庭ごみの集積所には出せません。無断で出すと不法投棄とみなされ、罰則を受ける可能性があります。
事業ごみは許可業者へ委託するか、自治体の事業系ごみ制度に沿って処理するのが基本です。ただし、少量なら集積所を利用できるなど、例外を設ける地域もあります。思わぬトラブルを防ぐためにも、必ず店舗がある市区町村のルールを確認してください。

廃棄物処理業者へ任せれば排出事業者責任はなくなりますか?

業者へ委託しても排出事業者責任はなくならず、任せれば終わりではありません。
店舗には、許可確認や委託契約の締結、マニフェストの交付といった手続きに加えて、最終的な処理状況の確認まで求められます。ここで気を引き締めておかないと、万が一業者が不適正処理をした場合に、店舗側も責任を問われる場合があります。

マニフェストはすべての事業ごみに必要ですか?

マニフェストは、原則として産業廃棄物の処理を業者へ委託する際に必要です。対して、事業系一般廃棄物では通常使用しません。
ただし、自治体によっては一般廃棄物でも独自の管理票を求める例外があります。自己判断せずに一度確認しておくと安心です。オンラインで管理できる電子マニフェストもあるため、無理のない方法を選んでみてください。

無許可業者へ依頼した場合は店舗側も違反になりますか?

無許可の業者への委託は法律で禁止されており、依頼した店舗側も委託基準違反に問われます。万が一その業者が不法投棄を行えば、店舗側も関与を疑われ、撤去などの措置命令を受けることになります。
厳しい罰則の対象となるため、依頼前には必ず自治体が発行した許可証を提示してもらい、自らの目で確認しておきましょう。

店舗のごみを自分の車で処理施設へ運搬できますか?

業者に頼まず自分で運べば費用を抑えられそうですが、いくつかルールがあります。自店舗の廃棄物なら自己運搬が可能ですが、他人のごみは運べません。
運搬時は処理基準に従い、飛散や流出の防止、車両への表示、必要書類の携帯が求められます。施設により受入条件が違うため、実行前に自治体や搬入先へ確認しておきましょう。

店舗でごみを焼却してもよいですか?

店舗のごみを野外で焼却する行為は、廃棄物処理法により原則禁止です。例外は一部の農業等に限られ、違反時は5年以下の懲役か1,000万円以下の罰金が科されます。
少量でも煙や悪臭が出れば、近隣トラブルに直結する原因になります。少しなら大丈夫と安易に例外を自己判断せず、廃棄物処理基準に従い必ず業者へ処分を任せてください。

廃棄物の区分に迷ったときはどこへ問い合わせればよいですか?

分別に悩んだ際は、廃棄物の種類によって相談窓口が変わる点に注意が必要です。一般廃棄物は市区町村の担当部署へ、産業廃棄物なら都道府県や政令指定都市の窓口へ確認します。
自己判断で進めると、後で思わぬトラブルになることもあります。行政のほか、地域の許可業者や行政書士といった専門家に相談する選択肢も持っておくと安心です。

まとめ|廃棄物処理法を理解して安心できる店舗経営を始めよう

店舗のごみ処理は、一般廃棄物と産業廃棄物の区分から始まります。経営者には排出事業者責任があり、適切な保管基準の順守が求められます。許可業者との委託契約やマニフェストの運用を怠れば、罰則のリスクも生じる点に注意が必要です。
こうしたルールを一つずつクリアしていくことが、安全な店舗運営につながります。

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