更新日:
飲食店の商標調査とは?店舗名・ブランド名の調べ方と登録方法を解説
- Tweet
-
飲食店の開業準備において、店舗名や看板メニューの名称決定は初期に行う工程です。
他者がすでに登録している商標を無断で使うと、後から名称変更や損害賠償を求められる場合があります。いざ名前を決めようとしたとき、法的に問題ないかどうやって調べればよいか迷う方も多いのではないでしょうか。
今回は飲食店開業における名称決定のリスクと商標調査について、具体的な調べ方や登録方法を交えて解説します。
目次
商標調査とは?まず知っておきたい基本知識
飲食店の開業準備では、店舗名を決める前に商標調査を行う必要があります。ここでは、商標の基本から調査の目的や特許との違いまで、今後の手続きを進めるうえで不可欠な前提知識を解説します。
商標とは店舗名やブランドを守る権利
商標とは、提供するメニューやサービスを他店と区別するために使用する名前やマーク(識別標識)のことです。消費者が飲食店を選ぶ際、この商標を参考にしてサービスを利用しています。
店舗名やロゴが広く認知されることは、お店のブランドイメージに直結します。「この看板のお店なら美味しい」というように、品質や安心感を直感的に伝える役割を持っています。
商標はお店の顔として、集客や売上を左右する要素の1つです。決めた店舗名を長く使い続けるためにも、まずはその仕組みを正しく理解し、ブランドを守る準備を進めていく必要があります。
商標調査とは何を調べるのか
商標調査とは、候補となる店舗名やブランド名が登録可能か、他人の権利を侵害しないかを確認する作業です。特許庁が提供するJ-PlatPatというデータベースや、インターネット検索を用いて調査を進めます。看板やメニュー表を作った後に名称変更を迫られる事態を、ここで未然に防ぎます。
調査の手法にはいくつかの種類があります。自分で手軽に行えるGoogle検索などの簡易調査から、弁理士に依頼する専門調査までさまざまです。費用や精度のバランスに迷うところですが、まずは無料で使える検索ツールを活用し、似た名前の飲食店がないか見渡しておきましょう。
商標と特許(特許権)の違い
店舗名やロゴを守る商標と似た言葉に「特許」がありますが、守る対象やルールが異なります。どちらもビジネスを守る権利として、大枠の違いは押さえておきたいところです。
主な違いは保護対象です。商標は名前やマークを守りますが、特許は新しい技術や発明を守ります。権利が続く保護期間にも差があります。特許は出願から原則20年で終了しますが、商標は10年ごとの更新手続きで半永久的に権利を保てます。
申請の条件も異なります。特許はこれまでにない新しい発明であることが求められますが、商標はこれから使う予定のマークでも申請可能です。飲食店の独自製法は特許、店舗名は商標というように使い分けて自店を守ります。
項目 商標 特許 保護対象 店舗名・ブランド名・ロゴ 技術・発明 権利期間 10年ごとに更新可能 出願から原則20年 更新 可能 不可 飲食店の例 店舗名・ロゴ 独自の調理技術や製法
なぜ飲食店開業前に商標調査が重要なのか
基本を押さえたところで、実際の開業準備にどう関わるかを見ていきます。看板やメニューが完成してから慌てないためにも、事前の確認は不可欠です。ここでは、飲食店開業前に調査が重要となる理由を解説します。
商標調査は開業前のリスク管理につながる
商標調査は、店舗の看板となる名前を決定し公開する前の段階で行うのが基本です。あとになって名称の変更を余儀なくされると、看板の掛け替えや宣伝物の作り直しなど多大なコストがかかってしまいます。この無駄な出費を防ぐことが、調査を行う最大の目的です。
具体的な調査のタイミングは大きく3つあります。ブランド名や商品名を決める前の候補段階、最終的な名前やロゴが決まった後の商標出願の前、そして事業を開始して名称を世に公開する前です。
開業準備が進んでから変更となれば、金銭的にもスケジュール的にも大きな痛手になります。思わぬトラブルで立ち止まらないためにも、名前の候補がいくつか絞られた時点で、早めに確認を進めておくことをおすすめします。
商標権侵害によるトラブルを未然に防げる
事前に商標調査を行うことで、他社の権利を侵害する深刻なトラブルを未然に防ぐことができます。
もし商標権を侵害してしまった場合、店名やロゴが使えなくなるだけではありません。店舗の看板やメニュー表などの販促物、さらにはWebサイトに至るまで、すべての修正や変更を迫られることになります。開業直後や軌道に乗り始めたタイミングでこうした対応が発生すれば、せっかくの準備や資金が台無しになりかねません。
店舗の営業自体に影響が出るだけでなく、相手方から損害賠償を請求されて負担が生じるケースもあります。事業の根幹を揺るがすリスクを避けるためにも、開業前の調査は必須のステップです。ご自身での確認に少しでも不安がある場合は、早めに専門家へ相談し、安心して営業できる体制を整えておくことが大切です。
飲食店で特に商標調査が重要な理由
飲食店において商標調査が欠かせないのは、他者に店名やブランド名を先に登録されてしまうと、後から名称の変更を求められる可能性があるためです。もし変更となれば、思い入れのある店名を手放さなければならず、精神的なショックも小さくありません。
名称変更に伴う実務的な負担も重くのしかかります。店舗の看板やメニュー表、Webサイトといった制作物をすべて作り直す修正費用が発生します。これまで築き上げた認知度や集客力が低下してしまうリスクもあります。経営が軌道に乗り始めたタイミングでの変更は、大きな足かせとなります。
厳しいケースでは、過去の使用に対する損害賠償や示談金の支払いを求められる場合も存在します。開業準備で忙しい時期には後回しにしがちな部分ですが、将来の損失を防ぐための初期投資として、名称決定前の調査は確実に行っておく必要があります。
リスク 内容 店名・ロゴの使用停止 名称変更を求められる可能性がある 販促物の再制作 看板・メニュー表・Webサイトの修正が必要になる 認知度の低下 積み上げたブランド価値が失われるおそれがある 損害賠償請求 商標権侵害として金銭的負担が発生する場合がある
商標権や商標調査を行うメリット
ここでは、飲食店が開業前に商標調査を行い、商標権を取得するメリットについて解説します。
少し手間に感じるかもしれませんが、自店舗のブランドを長く守るための心強い味方になってくれます。具体的な4つの利点を見ていきましょう。
メリット 内容 長期的にブランドを守れる 更新により継続的に権利を維持できる 社会的信用の向上 登録商標として信頼性を示せる 安心してブランディングできる 模倣リスクを抑えながら認知拡大を進められる 資産として活用できる 譲渡やライセンスによる活用が可能
商標権を更新すれば半永久的に維持できる
商標権は、更新手続きを行うことで長期間にわたり権利を維持できる点が大きな特徴です。
特許権は出願から20年、意匠権は25年で終了し、期限を迎えると独占する権利は消滅します。一方、商標権は登録から10年ごとに更新を繰り返すことで、ブランド名やロゴを継続的に保護できます。ここが、他の知的財産権とは決定的に違う部分です。
飲食店にとって、長く親しまれた店舗名やロゴはそのままお店の信用に直結します。長期的なブランド戦略を見据え、長年かけて培ったブランド価値を守り続けることは、事業運営の強固な基盤づくりに役立ちます。
開業時は手続きの多さに負担を感じるかもしれませんが、将来にわたって揺るぎない看板を持ち続けられると考えると、その見返りは決して小さくありません。
社会的信用につながる
商標登録を済ませておくことは、ご自身の店舗やブランドの信頼性を高めることに直結します。公的な権利として認められている登録商標を使用している事実は、事業の健全性を示すわかりやすい証明になります。
とくにこれから飲食店の立ち上げを目指す段階において、周囲からの信用は欠かせない要素です。コンプライアンスや権利意識の高さをアピールできるため、食材の仕入れ先などの取引先や、来店されるお客様に大きな安心感を与えられます。
店舗オリジナル商品の展開や多店舗展開を視野に入れる場合にも有利に働きます。大手企業やECモール、小売店との取引において、商標リスクの低い安全なブランドとして評価されやすくなるからです。まずは事業の土台を固める意味でも、前向きに権利化を検討しておくのがおすすめです。
安心してブランディングできる
商標登録を済ませることは、これから自社ブランドを育てていくための重要なスタートラインになります。店舗のコンセプトを固め、いざ看板を掲げるというときに、権利という見えない土台があるかないかでは日々の安心感が大きく変わってきます。
正式に登録を行うことで、時間をかけて決めたブランド名やロゴが法的に保護されている状態であることを客観的に示せます。この事実は、初めて来店されるお客様や日々の食材を頼む取引先に対して、信頼性の高いブランドであることをアピールする材料として役立ちます。
他店からの模倣リスクを抑えることは、長期的なブランド価値を築くための強固な基盤づくりにつながります。法的な保護という守りを固めながら、焦らず着実にブランドの認知や信用を積み上げていく準備を整えていきましょう。
商標権は譲渡することも可能
商標権は財産として扱われるため、売買や譲渡が可能です。
店舗の人気が出てブランド価値が高まるほど、商標権の資産価値も向上します。お店が成長するにつれて、名前そのものが大きな財産になっていくと考えると、イメージしやすいのではないでしょうか。
手放すだけでなく、商標権を第三者にライセンスして使用料収入を得ることもできます。実際に、この仕組みを事業拡大や新たな収益化の手段として活用するケースは少なくありません。
このように、商標登録は単にトラブルから名前を守るための手続きにとどまりません。自分たちのブランドを、将来的な資産として育てていくための前向きな投資にもつながります。先の選択肢を広げる意味でも、権利をしっかりと確保しておく意義は大きいといえます。
商標調査を行うデメリット
商標調査は安心につながる一方で、開業準備中の負担になりやすい側面も持っています。
ここでは、時間や費用の問題から自己判断に伴うリスクまで、事前に知っておきたい3つのデメリットについて解説します。
調査に時間がかかる
商標登録は、特許庁へ申請すればすぐに完了するわけではありません。出願から審査を経て無事に登録に至るまでには、一般的に7〜12か月程度の期間がかかります。
審査にかかる日数は申請する分野によっても異なりますが、近年はさらに長期化する傾向にあります。ここを見落とすと、いざオープンという時期を迎えてもまだ店舗名の権利が確保できていないと慌てかねません。商標調査そのものにも時間がかかるため、直前の動き出しはリスクを伴います。
店舗名やブランド名の候補が絞れたら、早めに商標調査へ着手し、そのまま出願準備を進めることが望ましい形です。思いがけない手戻りを防ぐためにも、十分な準備期間を確保してスケジュールに余裕を持たせておく必要があります。
プロに依頼すると費用がかかる
商標調査を専門家である弁理士や特許事務所に依頼する場合、基本的には有料となります。費用の目安は数万円から数十万円になることが多く、決して小さな金額ではありません。依頼先や調べる区分によっても変動するため、まずは見積もりをとってコストの負担を把握することが第一歩です。
もちろん、ご自身で調査を行えば調査自体の費用はかかりません。しかし、専門的な知識がない状態で抜け漏れなく調べるには、どうしても相応の時間と手間が必要になります。
開業準備で忙しい時期に、慣れない作業へ多くの時間を割くのは負担が大きくなります。目の前の支出額だけでなく、ご自身の限られた時間をどう使うかも含めて、プロへ依頼するかどうかを判断してみてください。
自己判断では見落としが発生する可能性がある
結論から言うと、費用を抑えようと自分だけで調査を完結させるのは、見落としのリスクが伴います。商標調査で類似性を正しく見極めるには、特許庁の審査基準に基づいた専門的な知識が必要です。
実際に同じ検索システムを使ったとしても、調べる人の経験や知識によって調査の精度は大きく変わってきます。せっかく時間をかけて調べたつもりが、すでに登録されている商標を見逃していたという事態は避けたいところです。
もし見落としたまま出願すれば、審査で拒絶されるだけでなく、気づかず他者の権利を侵害してしまう場合もあります。自力での簡易調査は候補を絞り込むうえで有効ですが、最終的な判断は専門家に委ねるのが手堅い進め方といえます。
商標調査の種類と主な手法
ここからは、商標調査の種類と具体的な手法について解説します。
手軽な簡易検索から専門家への依頼まで、調査にはいくつかのアプローチがあります。まずは全体像をつかみ、どの方法から手をつけるべきか判断する材料にしてください。
調査方法 費用 特徴 Google検索・SNS検索 無料 同名店舗や利用状況を手軽に確認できる J-PlatPat検索 無料 登録済み・出願中の商標を確認できる AI商標調査ツール サービスによる 類似商標を効率的に検索できる 弁理士への依頼 有料 最も精度の高い調査が期待できる
Google検索・SNS検索による簡易調査
まずは、検討している店舗名やブランド名がすでに世の中で使われていないか、Google検索やSNSで調べてみるのが最初のステップです。手軽に調べられるため、一般的な言葉が広く使われているかを確認する際に大変有効な手段となります。
ただし、検索結果に多数表示されるような一般的な言葉は、そもそも商標としてひとつの店舗で独占することができません。いくら気に入った名前でも、他店が普通に使っている名称では登録のハードルが上がります。
この段階で完全に同じ名前の店舗が複数見つかるようであれば、別の候補を考えるのもひとつの手です。本格的な商標調査に進む前に、ここで大まかな重なりを弾いておくと、その後の手続きがスムーズに進みます。
J-PlatPatを使った商標検索
本格的な調査を進める際、特許庁と連携して運営されている「特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)」を使うのが一般的です。このサイトを使えば、すでに登録されている商標や出願中の商標を誰でも無料で閲覧できます。費用をかけずに手元のパソコンからすぐ調べられるため、まずはご自身で検索して状況をつかんでおくのがおすすめです。
使い方はシンプルに設計されています。トップページ上部にある商標タブの「商標検索」を選び、検索窓に候補となる店舗名やブランド名を入力して検索ボタンを押すだけです。もし同じ名前や似た名前が出てきた場合は、詳細画面でどの分野(区分)で登録されているかを確認していく手順となります。
類似商標調査
類似商標調査とは、自分の候補と既存の登録商標が似ていないか、「外観・称呼・観念」の3要素から確認する作業です。
ここをおろそかにすると、いざ出願しても審査で弾かれて時間と費用を無駄にする場合があります。
1つ目は「外観」による確認で、マークの見た目や文字の形が似ていないかをチェックします。
2つ目は「称呼」による確認で、読み方や発音が同じように聞こえないかを比べます。
3つ目は「観念」による確認で、言葉から連想される意味合いが重ならないかを見極めるステップです。
特許庁の審査では、これら3つのうち1つでも似ていると判断されると、登録できない可能性が高まります。まずは一番重なりやすい読み方(称呼)だけでも、早めに検索して状況を確かめておきましょう。
AI商標調査ツールを活用する方法
自力でのリサーチに限界を感じたときに注目したいのが、専用のAI商標調査ツールを活用する方法です。AI商標調査とは、従来の複雑なプロセスを一新し、知財戦略に革新を与えるソリューションをいいます。専門的な知識がなくても直感的に扱いやすいため、初めて開業準備を進める方にとっても心強い味方になります。
最大の特徴は、AIが膨大なデータベースから瞬時に類似商標を検索し、その類似度を客観的に評価できる点です。人間によるチェックでは見落としがちな細かな類似点も、システムが自動で判断基準を提示してくれます。まずは店舗名の候補をいくつか絞り込んだ段階で、試しにツールへ入力して現状を把握する使い方がおすすめです。
弁理士へ依頼する専門調査
自力での判断が難しい場合は、弁理士へ専門的な商標調査を依頼するのが最も確実な選択肢です。
弁理士とは、特許や商標といった知的財産権の出願手続きを代理で行う国家資格者を指します。専門的な知見に基づいて同一商標や類似商標の有無を細かく調査し、自店舗が指定すべき適切な商標区分を正確に見極めてくれます。
ここで費用を惜しんで自己流で進めると、後から審査に落ちてしまい、店舗名の変更を余儀なくされて慌てる場合があります。
弁理士に依頼すれば、調査から出願までを一貫して任せられます。登録の成功率を高めつつ、本業であるメニュー開発や店舗のオープン準備に集中できることが大きなメリットです。
飲食店が確認すべき商標区分
飲食店が商標調査や登録を行う際、まず軸として確認すべきなのは「第43類(飲食物の提供)」です。ここを確実に押さえることが、大切な店舗名を守るための大前提となります。
その上で、将来の事業展開に合わせて他の区分も併せて調査しておくと安心です。たとえば、店舗でオリジナル調味料やスイーツの販売を考えているなら「第29類・30類(食品関連)」の確認が必要です。ECサイトでの物販も視野に入れるなら「第35類(小売・EC関連)」も関連してきます。
料理教室やワークショップの開催などを予定している場合は「第41類(イベント・セミナー等)」も候補に入ります。まずはメインとなる飲食店の領域を固めつつ、数年先のビジネスモデルまで想像して調査区分を選定してみてください。
区分 対象 飲食店での例 第43類 飲食物の提供 飲食店営業 第29類 食品 調味料・加工食品 第30類 菓子・パンなど スイーツ販売 第35類 小売・EC ECサイトでの販売 第41類 教育・イベント 料理教室・ワークショップ
商標調査の実行手順
実際の商標調査をどのように進めればよいのか、全体の実行手順について解説します。
店舗名やブランド名の候補出しから、簡易検索や専用データベースでの確認、専門家への相談と出願までの具体的な流れです。
STEP1:店舗名・ブランド名候補を整理する
まずは調査作業に進む前に、店舗名やブランド名の候補を洗い出す作業から取り掛かります。ここでしっかり準備しておくと、その後の確認作業がスムーズに進みます。
具体的には、現在想定している事業内容だけでなく、将来的な多店舗展開やオリジナル商品の販売なども見据えて候補を検討します。お店の看板となる店舗名や、提供するサービス名などを具体的にイメージし、実際に使用する名称を明確にしておきましょう。
いざ調査をしてすでに登録されていて使えないと分かったときに慌てないよう、あらかじめ複数の名称候補を用意しておくのがポイントです。候補ごとに商標登録ができるかどうかを比較確認できるよう、優先順位をつけてリスト化しておくことをおすすめします。
STEP2:Google検索・SNS検索を行う
候補名が決まったら、まずはGoogleなどの検索エンジンを使って無料で簡単な商標調査を行います。ここで類似する名称が多く見つかった場合は、早めに別の候補名を検討するのが得策です。
検索結果に問題がなければ、次は特許庁のJ-PlatPatを使った詳細な調査へと進みます。調査の際は「見た目」「読み方」「意味」の3つの観点から類似性を確認し、指定する商品やサービスだけでなく関連する区分も併せてチェックしてください。自己判断に迷うときは、弁理士などの専門家へ調査を依頼する方法もあります。
専門家への相談も含めて調査結果に問題がないと確認できたら、商標登録の出願手続きへ進むことができます。
STEP3:J-PlatPatで商標検索する
簡易調査の次は、特許庁のデータベース「J-PlatPat」を使って本格的に調べていきます。まずはサイトへアクセスし、商標検索画面を開きましょう。
検索画面に調べたい店舗名を入力したら、飲食店向けの「区分」を指定して絞り込むのがコツです。飲食提供サービスは主に第43類に該当します。条件を入れて検索を実行し、同じ名前や似た名前がすでに登録されていないか、検索結果をひとつずつ確認していきます。
STEP4:類似商標の有無を確認する
検索結果に似た名前が並んでいても、すぐに使えないと決まるわけではありません。
ここで確認すべきなのが、商品やサービスの似ている範囲を特許庁が定めた「類似群コード」です。
飲食店なら「43A01」のような5桁の英数字が割り当てられています。
もし名称が似ていても、このコードが違えば別の分野とみなされ、登録できる可能性があります。
少し専門的で戸惑うかもしれませんが、候補を諦める前にコードが重なっていないか見ておきましょう。
STEP5:必要に応じて弁理士へ相談する
商標調査では、既存の登録商標と重複や類似がないかを確認することが重要です。あわせて、考えた店舗名に商標として十分な独自性があるかも検討する必要があります。
公序良俗違反など登録を妨げる要因がないかどうかの確認も大切です。ここまで自力で進めてきたものの、こうした法的な基準を自分だけで正確に判断するのは難しいと感じるかもしれません。
権利侵害のリスクまで含めてしっかりと確認しておきたい場合は、弁理士などの専門家へ相談するのがおすすめです。専門知識を持ったプロに依頼することで、より精度の高い調査と判断が期待できます。
費用はかかりますが、後からトラブルになる不安を手放せるのは大きなメリットです。安心してお店のオープン準備に集中するためにも、専門家のサポートを上手に活用してみてください。
STEP6:商標出願を行う
事前の調査で登録の見込みが立てば、特許庁へ商標登録の出願手続きを行います。ここまでくれば、店舗名を守るための大きな山場は越えています。
手続きとしては、「商標登録願」という書面を作成し、特許庁へ提出します。この願書には、登録したい商標と、どのサービス(区分)で使用するのかを正確に記載しなければなりません。提出方法は、窓口への持参や郵送のほか、インターネットを通じたオンライン出願も選べます。
出願後は特許庁による審査を待ちます。願書の不備や区分の指定ミスがあると、後から修正の手間がかかったり、想定通りの権利を得られなかったりするケースもあります。少しでも不安が残るなら、手続きから専門家である弁理士に任せるのも確実な選択肢です。
商標調査に関するよくある質問
ここからは、飲食店開業時の商標調査についてよくある質問を解説します。
店舗名の対象範囲や自力での調査可否など、実務で迷いやすいポイントをまとめました。細かな疑問をここで解消し、自信を持って準備を進めていきましょう。
店舗名やECサイト名も商標登録の対象になる?
商標は商品やサービス、会社、店舗などを識別するための名称やマークであり、店舗名やECサイト名も登録の対象になります。文字だけでなく、ロゴや立体的な形状なども商標として登録できる場合があります。
登録を行うと、その商標を独占的に使用できる権利を取得できるため、他社との差別化を図るうえで大きな安心材料となるはずです。手続きの際は、業種や事業内容に応じて適切な区分を選ぶことが重要になります。
自分で商標調査はできる?
特許庁の検索サービス「J-PlatPat」を使えば、ご自身で商標調査を進めることは十分に可能です。まずは候補となる店舗名がすでに登録されていないか、手元のスマートフォンやパソコンから気軽に検索してみましょう。
完全に一致していなくても「類似している」とみなされるケースがあり、この判断には専門的な知識が求められます。万が一の見落としを防ぎ、確実を期すなら弁理士への依頼をおすすめします。
商標権の名義は変更できる?
結論からお伝えすると、商標権の名義は後からでも変更が可能です。事業を譲渡したり、合併や会社分割、相続が発生したりしたタイミングで権利者を移せます。将来的な事業展開を考えるうえでも安心できるポイントです。
権利を複数人の共有名義にしたり、分割したりと柔軟な対応ができます。名義は変えずに、第三者へ商標の使用だけを許可することも可能です。なお、これらの手続きは出願中の段階でも行えます。
ロゴのデザインが異なれば、読み方が同じでも商標登録できる?
結論からお伝えすると、ロゴの見た目がまったく異なっていても、読み方が同じ・似ている場合は登録できないことがあります。
商標の審査において、名称の呼び方はデザインと同様に重要な判断基準です。見た目で問題がないと安心しがちですが、音の響きが類似しているだけで商標権に抵触する場合があります。事前の調査では文字やロゴの形に加えて、読み方まであわせて確認しておくのが無難です。
海外で使いたいブランド名も、日本のJ-PlatPatで調査できる?
商標権は国ごとに管理されているため、J-PlatPatで確認できるのは日本国内の情報に限られます。日本で登録しても海外では保護されない点には注意が必要です。
将来的な海外展開を見据えている場合、進出先の国が提供する商標データベースで個別に調査しなければなりません。
国によって制度や手続きが異なるため、自力での判断は難しくなります。海外での使用も予定しているなら、早めに専門家へ相談する方針を持っておくと安心です。
まとめ|商標調査は店舗名決定前に実施しよう
飲食店の店舗名やブランド名を決める際、商標調査は後回しにできない重要なステップです。看板やメニューが完成した後に他社の商標権侵害が発覚すると、名称変更だけでなく損害賠償といった思わぬトラブルに発展する場合があります。
まずは簡易調査で候補を絞り込み、判断に迷った場合は弁理士などの専門家を頼るのが確実な進め方です。無事に店舗名が決まれば、次は物件探しや資金調達といった具体的な準備が本格化します。今後の開業準備に不安がある方は、canaeruの会員登録や開業相談を活用して、物件選びなどの次なる行動へ進めてみてください。
- NEW最新記事
-
-
2026/07/03
-
2026/06/30
-
2026/06/23
-
- 人気記事
-
-
2020/05/20
-
2026/03/19
-
2020/03/24
-
- canaeru編集部おすすめセミナー
- お役立ちコンテンツ
-
-
先輩開業者の声

元記者が念願の飲食店開業!低糖質メニューで挑む、新しい定食屋…
-
セミナー情報

【沖縄会場開催】店舗開業をかなえる 開業応援相談会
-
セミナー動画

開業までの課題を解決する無料セミナーを動画で配信中!
-
店舗物件検索(首都圏)

ただいまの登録件数12,070件
-
店舗物件検索(大阪)

ただいまの登録件数525件
-
店舗物件検索(北海道)

ただいまの登録件数35件
-
店舗物件検索(東海)

ただいまの登録件数138件
-













