はじめての開業は分からないことの連続…失敗したこともあったがお客様に支えられながら挑戦し続けていく
SHOP DATA
- サポート
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- 資金
- 物件
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- 手続き
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- jUjUtto(じゅじゅっと)
- 加納福生
岐阜県可児市中恵土2302-1
- エリア
- 岐阜
- 業種
- 和食・食堂・レストラン
- ロケーション
- ベッドタウン
- ターゲット
- ファミリー向け
- 業界経験
- 10年以上
- 開業時の年齢
- 40代
- 目標月商
- 100万~200万
- 開業資金
- 1,000万~1,500万
- 坪数
- 10~20坪
- 家賃
- 20~30万以下
開業を目指すきっかけ
- 「鉄板ハンバーグJUJUtto(ジュジュット)」のコンセプトについて教えてください。
- お店の売りは岐阜県の名物である飛騨牛を使い、熱々の鉄板で焼いたハンバーグステーキです。地元の人からみたら、飛騨牛といってもさほど驚きはないかもしれませんね(笑)。ただ、鉄板ハンバーグ専門店と謳っているのは店のある可児市では珍しいんですよ。うちのハンバーグを通じて、来てくださったお客様に感動を与えることができたら――。そんな思いも込めています。
- 飛騨牛というと高級食材ですが、なぜこの食材をメインに使おうと思ったのでしょう。
- お店をやるからには地産地消にもこだわりたかったんですよね。なんといっても飛騨牛は岐阜の名物でもありますし。そもそも飛騨牛は脂身が細かく、柔らかいため、噛み心地と舌ざわりがとても良いことが特徴。最高の素材でつくり上げたハンバーグにはオリジナルソースを合わせています。ただ、飛騨牛といえどもお手頃価格で味わってほしいという思いもありましたので、いろいろと検討して、地元で人気の精肉店との取引を決めました。岐阜高山のブランド牛だけにあまりにも金額が高いと難しいかな……と心配していたのですが、なんとか交渉して無事に取引が成立したんです。メニューは、合いびき肉もしくは飛騨牛のミンチ肉を使用したハンバーグをメインにしていて、デミグラスソースや和風おろしをはじめとした鉄板ハンバーグ、ハンバーグのトマト煮込みグラタン、お子様セットなどを取り揃えています。
- 加納さんがお店を開業するに至ったきっかけについて教えてください。
- 私が「とあるハンバーグ」と出会ったことがターニングポイントになりました。それまでは、和食の料理人として仕事をしていたのですが、「独立して店をやってみたい!」といった気持ちがほとんどなかったんです。そんな時に、何気なく入った洋食屋で食べたハンバーグに衝撃を受けてしまった。食べたことのない美味しさで、とにかく感動したんですよね。それで自分もこんなハンバーグをつくりたいという強い衝動に駆られてしまったんです。それから、その洋食屋に「働かせてほしい」と直談判しました。なんせ、過去を振り返っても、こんなにも料理で感動したことがなかったので、「給料なんていらないから修行させてほしい」と、とにかく自分の滾る気持ちを伝えたんです。
- アポなしで、弟子入り志願したのですね。その洋食屋さんもさぞかし驚いたのでは……(笑)
- スタッフの募集をかけていなかったので店主も困惑していたと思います(笑)。幸いにも私の意気込みを気に入っていただけて、結果として5年ほど勤務しながらハンバーグづくりの修行に打ち込むことができたんです。ちなみに店主からは無給で働かせるわけにはいかないと、ちゃんと給料をいただいていましたよ(笑)。5年の間にハンバーグづくりのノウハウも蓄積できたし、店主からも「もう独り立ちしても大丈夫だ」と太鼓判を押してもらえることができた。年齢も40歳を超えていたので、独立をして店を持つなら今がチャンスかなと思い立ち、開業に至ったわけです。
開業準備での課題と解決方法
(物件探し・資金集め, etc.)
- 立地や物件はどのような考え方で探されたのですか?
- 自宅に近いところでお店を開きたかったので、岐阜県の多治見市、可児市、美濃加茂市あたりを中心に探していました。居抜き物件を希望していたので半年ほどかけて色々な物件を見ていたのですが、ある不動産屋さんから紹介を受けたのが今の物件。実はここ、もともとは整骨院だったんです。本来は居抜きがよかったので、どうしようかな……と悩みもしたのですが、周辺は交通量も多く、大通り沿いに面した物件ですし、駐車場も完備していたので決めました。
郊外店舗は、駐車場があるなし、大きさ、場所などで売上に大きな差がでます。
やはり、店舗に隣接していて駐車台数が多い方がいいわけですが、街道沿いで看板が見えて、そこからパーキングにすんなり入れるか、など、郊外店は郊外店ならではのスキームがあるので、物件の中だけを探す条件にするのは、ちょっと粗い条件なのかもしれません。
- 開業資金はどうやって調達しましたか?
- 意識的に貯金はしていたのですが、それを自己資金として使い、足りない分は日本政策公庫からの借り入れで賄いました。
- 資金以外のことは、開業に向けて、どのようなことに着手されたのでしょうか?
- 他の飲食店のオペレーションや味などを知りたかったので、偵察がてら食べ歩きに出かけることが多かったですね。開業準備はひとりで粛々と進めないといけませんが、なにせ初めての経験なので分からないことや悩みなど出てくるもの。そんな時に相談できる仲間は絶対に必要だなと思い、知人の飲食店オーナーに話を聞きにいったりもしました。飲食店にとっては横の繋がりはとても大切ですからね。
開業後の気づき/今後の課題
- 無事にオープンを迎えた時、経営者としてどんなお気持ちでしたか?
- 「よし、これからもっともっと頑張るぞ!」という気持ちでしたが、その一方で、「できることなら開業準備をやり直ししたいなあ……」とも思ってしまったんですよね。私にとって開業自体が初めての経験なので、準備を進めながらひとつひとつ学んでいったという感じなんです。全体的に開業コストは安く抑えたつもりですが、「もっと、ああすればよかった、こうしたかった…」と反省することもあり、正直なところ、後悔はないといったら嘘になりますね。
おそらく、飲食店の開業者によくあることなのかも知れません。
- 特にやり足りなかった開業準備があるとしたら、それはどんなことでしょうか。
- 「やったつもりでも実はそうでもなかった」ということは多いのですが、そのひとつには商圏を徹底的に調べ上げることができなかった、ということがあります。今思えば全然リサーチが足りていなかったのではないか?と。ふたを開けてみたら、実は周辺には競合となる飲食チェーン店がけっこうあったんです。張り合うつもりはないけど、結局は味や接客で評判がわかれることになると思うし、そこで勝負していきたいし、勝負しなくてはいけない部分だと思っています。味のこだわりはもちろん必要ですが、食べるのはお客様なので、皆さんの感想などに耳を傾けることも大切だなと痛感しています。
1店舗目の開業だと、商圏やターゲットを詳細まで分析するのは難しいことなのですが、でも、少しでもやった場合とやらない場合とでは、オープンしてからの経営が違うと感じています。
- オープンしてからの悩みはありますか。
- スタッフを抱えるようになったので、マネージメントもしなければいけなくなったのが、なかなか大変だなと。軌道にのったらもう1店舗出したいという気持ちがあるので、自分に代わる人材を育てなくてはいけないと考えています。あとは売上も集客も含め、計画通りにはいってはいないことが悩ましい。原因を突き詰めていくと宣伝不足に尽きるので、これからは力をいれていきたいと思っています。
- 都市部の飲食店での集客はグルメサイト…というのがセオリーかと思いますが、都市部ではなく地元密着型の飲食店の場合、どのような集客策があるのでしょうか?
- 店の告知をするなら、地元のフリーペーパーに掲載させてもらったり、コミュニティFMなんかもいいかもしれませんね。車社会ということもあって、ラジオを聴く人は多いと思うんです。ただ、地域には年配の方も多いので、チラシや本当に人から人への口コミの方がより強いかもしれません。集客については、オープンしてからでないと感覚が分からないことも多いし、時間も労力もかかります。ですが、やはり長く経営するためには、集客策は絶対に必要なので、今後、どのように展開していこうか、ととにかく模索する日々です。