商圏やターゲットを徹底分析…開業後は課題もあるが分析のおかけでやるべきことは見えている

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ガストロパブ オフィスアワー
鈴木将吾

千葉県千葉市中央区新宿2-8-3トレド新宿1F

エリア
千葉千葉中央
業種
バル
ロケーション
繁華街
ターゲット
大人向け
業界経験
10年以上
開業時の年齢
30代
目標月商
100万~200万
開業資金
1,000万~1,500万
坪数
10~20坪
家賃
20万以下

開業を目指すきっかけ

鈴木さんがガストロパブのお店を開業しようと思ったきっかけについて教えてください。
飲食業をはじめた時点で何となく自分の店を持ちたいなと考えるようになったんです。
長く働く中で自分が理想とする店のイメージが湧いてきて、実現するには自分でやるしかない――そう強く思ったことで、開業の意思が固まりました。
将来を考えて意識的に貯金していましたし、ある程度経験を積めていたことも、独立を後押ししてくれましたね。
「オフィスアワー」では世界各地のビールを楽しめるそうですね。
ガストロパブとして世界各地のクラフトビールなど9種類のビールとフィッシュアンドチップスなどの料理をお出ししています。
クラフトビールというと国内のビールに目がいきがちですが、うちは日本だけでなくベルギー・イギリス・ドイツ・チェコ・アメリカのビールを取り寄せています。
イギリスのパブが好きだったので、内装などは本場にあるようなお店をイメージしています。
ただ、こだわりが強くなると輸入アンティークで揃えたくなるし、それはものすごい金額になるので(笑)。店のつくりはウッディな感じとスタイリッシュさをミックスしました。

「オフィスアワー」では世界各地のビールを楽しめるそうですね。

ワインにはソムリエやワインエキスパートなどの資格がありますが、ビールも同じような資格はあるのでしょうか?
ワインほどの厳格な資格認定制度はないのですが、ビール検定やビアテイスターやビアジャッジなどがありますね。
前職が都内のビアバー勤務だったので、自然と知識は身に付きましたし、マニアの方が多い世界なので、詳しい方に教えてもらいました。
ビアバーでは厨房を任されていて、ビールに合わせた料理を作る機会も多かったです。
たとえば店のイベントでイギリスのビールフェアを開催する時はその国の料理を作ったり、日本人の味覚に合うようにアレンジしてお出ししていました。

開業準備での課題と解決方法
(物件探し・資金集め, etc.)

お店は京成線の千葉中央駅から徒歩4分という駅近物件。ターミナル駅のJR千葉駅からも10分と比較的近い場所にあります。立地についてのこだわりはあったのですか。
クラフトビールの店が多い都内で開業してもつまらないと思ったんです。
そもそもクラフトビールはローカルなものですし、だからこそ地方での開業には意味があるかなと。
千葉にはクラフトビールの店は少ないけど、好きな人は絶対いるはず。
ちなみに物件の決め手は路面店であることと、千葉駅から多少歩くけど周囲にマンションが多かったこと。
自分がやりたい店のスタンスは近隣で働く方や、住んでいる方に来て欲しいというものなので、物件を紹介されたら必ず歩いて現地調査をしていました。
どんなことに注意しながら現地調査を行っていたのでしょうか?
チェックしたのは最寄りの千葉中央駅の乗降客数や建て替えの工期。
県庁やオフィス、マンションの位置確認や、物件から駅までの距離を歩いてみるとか。
実際に歩いてみたら、新しいマンションの建設が進んでいたり、そんな地域の様子がわかったんですよね。
人の流れが変われば、周辺も栄えるだろうし、発展する。物件や立地選びはそうしたポイントも踏まえています。
それにこの辺りにはマンションが多い割に飲食店が少なかったんです。
ターミナル駅から少し離れていても、徒歩10分程度の距離なら、店に知名度が出てくれば調べてきてくれるお客様も期待できるかなと。
オープンから3カ月経ちましたが、狙い通りお客様は近所の方がほとんどですね。
まだまだ来客人数は少ないですが、リピートしてくれる方がいたり、紹介で来てくれるご新規さんも増えたりと、少しずつですが広がっているなと感じています。

どんなことに注意しながら現地調査を行っていたのでしょうか?

その他の開業準備はどのように進められましたか。
店をやろうと決意した後、すぐに開業セミナーにでかけましたし、情報収集として居抜き物件サイトなどに登録も。
開業に関しては初心者なので、内装業者もどう決めていいのかわからなかったんです。
セミナー参加のメリットは相談できる場所ができたこと。前職の社長や知り合いの経営者にも相談させてもらっていたのですが、皆さん忙しいのでやたらめったら話を聞くのも気が引けてしまって。
canaeruのような開業支援を専門にやっているところに質問できるのは助かりました。
準備を進める中で「これは大変だな~」と思ったことは?
知らない用語にぶち当たった時ですね(笑)。
飲食店の中のこと、たとえば調理に関する専門用語ならわかるけど、それ以外の法律的な経営用語や不動産用語を知らなかったので、その都度調べるのに手間がかかりました。
直近でいうと軽減税率って何だろうと。
そこから調べても、さらに分からない用語が出てくるからまた調べる…そのループでした。

開業後の気づき/今後の課題

オープン後、間もないですが、課題は見えてきましたか?
今のところ経営上の悩みはあるかと聞かれたら、ないですね。
集客など苦戦はしているけど、やるべきことは見えているからです。
不足を補うためのアウトプットが足りてないから、そこに力を注げばいい。
たとえばメニューが充実していないのなら開発する。
ただ、何をすべきかわからなくなったり、やってみても効果が出なかったら悩みになるでしょうね。
開業後、間もなく新型コロナウイルス拡大による自粛要請で苦労されたかと思います。営業や衛生対応で工夫された部分はありますか?
やむを得ずしばらくは休業、短縮営業としました。
衛生対応は基本的なこととなるのですが、喚起とソーシャルディスタンスの徹底、あとは人数制限を設けましたね。
世間が外出自粛の期間は集客も特に苦労したのですが、うちのお店ではテイクアウト販売と、家族に限ってお店の貸切予約も受け付けるように工夫していました。
「オフィスアワー」の将来的なビジョンについてはどう考えていますか。
多店舗展開はしたいと考えています。
手掛けてみたい業態の飲食店もあるのですが、まずは小さく始めたこのお店をしっかり固めることですね。
飲食業はAIに取って代わられる分野ではないと思うんです。
人と人とが接する場所って何物にも代えられないですよね。店主に話をしにきてくれたり、お客様同士がコミュニケーションをとったり。僕はそんな場をつくりたいんです。
都市生活者には自宅とも職場とも離れたコミュニティ、つまりサードスペースが必要だといわれていますが、僕の店もそういう場所でありたいですね。地域のコミュニティ的な場所になればいいと思っています。
開業経験を経て、改めて感じる「経営に絶対に必要なこと」。鈴木さんの考えを教えてください。
資金力は絶対に必要。
立ち上げて一気に上手くいくとは思わない方がいいと思います。
利益の有無に関わらず1年ほど耐えられる位の資金が手元にあった方が気持ち的にも楽になるからです。
多少利益が出たとしても、何があるかわからないし、それによって追い詰められる場面も出てくるかもしれない。
あとは経験値。
脱サラして飲食店を開きたい、と考えている方がいるとしたら、短期間でもいいから実際に飲食店で働いてみることも必要ではないでしょうか。
想定外のトラブルが起きてしまった場合、冷静に対応できるのは経験があってこそだと思うんです。
自分で店を持ってみて思うのは、オープンする前もした後も、絶対に何かしらのトラブルが起きるということ。
僕には経験があったので、何とか切り抜けることができています。
何が起きても、いかに早く修正できるか。経営者としてのリカバリー力も重要です。
極端な話、ビールだけやっても受けないと思ったらパっと切り替えられるか、ということでしょうね。
ガストロパブ オフィスアワー
  • 千葉県千葉市中央区新宿2-8-3トレド新宿1F

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