「地元に根付いた歌えるバル」のコンセプトを実現するために、物件選びはじっくりと。

SHOP DATA

サポート
  • 資金
  • 物件
  • 内覧
  • 手続き
パブリックバル風来里
徳山隆造

神奈川県川崎市麻生区上麻生5丁目38-7 東和サープラス柿生104

エリア
神奈川柿生
業種
バル
ロケーション
ベッドタウン
ターゲット
大人向け
業界経験
未経験
開業時の年齢
50代
目標月商
100万~200万
開業資金
~500万
坪数
10~20坪
家賃
20~30万以下

開業を目指すきっかけ

まずはお店のコンセプトについて教えてください。
カラオケをいれているのでパブという業態になりますが、地域の皆さんにとって憩いの場となるべく、食べて歌って楽しんでもらえるお店を目指しています。
カテゴリーとしては「歌えるバル」でしょうか(笑)。

まずはお店のコンセプトについて教えてください。

ちなみに徳山さんの前職はアパレル関係の会社員で、いわゆる脱サラ組ということになるのでしょうか。
そうです。
僕は学生時代から飲食業界に憧れがあって、バイトもしていました。
社会人になってから、さすがにバイトはできないので、客の立場でいろいろなお店にいきましたよ。
僕が足しげく通う飲食店ってスタッフがサービス精神旺盛で、なんとかしてお客さんを喜ばせたいという気持ちが強い店ばかり。
そんな店は行けば絶対に楽しいですし、お客さんの笑顔を見ながらできる仕事っていいなぁと。
そんなことを思った時、僕は55歳で、定年まであと5年。
アパレルの会社は決して居心地の悪い会社ではなかったですが、60歳を迎えた後、果たして自分は何をして生きていくだろうか……と考えるようになったんです。
その結果、ひとまず会社を辞めてみようと思い立ち、家族にも誰にも相談せず、いきなり「辞めます」と会社に告げました(笑)。
ありがたいことに、しばらくの間は引き留められましたが、第二の人生を歩むためにも、会社員という枷を無くしたかったのです。
白紙の状態で会社を辞めた徳山さんが、「歌えるバル」を開業しようと思ったきっかけは何だったのでしょうか。
実はモデル店舗のパブがあるんですよ。
いつ行っても老若男女で溢れかえっていて、万人に愛されるお店です。
柿生駅近くにあったのですが、道路拡張のために余儀なく隣駅に移転となりましたが、場所が変わってもなお繁盛しているというカリスマ的なパブ。僕は開業を決めた時から完全地域密着型でやろうと考えていたので、近所の皆さんが気軽に遊びにきて、飲めて歌えて楽しい時間を過ごせる場を提供したいなと思い描くようになったのです。
そのモデル店舗の繁盛の秘訣について、徳山さんはどう分析していますか?
マスターの人柄でしょうね。
20代後半で店を開き、現在は60前半ですが、なんせイケメン(笑)。
もちろんそれだけではないけど、店は居心地いいですし、老若男女問わず惹きつける魅力も人望もあります。
僕が店に遊びに行ったとき、「会社を辞めてこんなお店を開きたい」と伝えたら、最初は冗談と捉えられたのか「辞めた方がいい」と言われたんです。
でも、ずっと通っているうちに僕の本気度をわかってくれて、それからは開業にあたり親身になって相談にのってくれました。

開業準備での課題と解決方法
(物件探し・資金集め, etc.)

そんなマスターも力になってもらいながら、実際に開業準備はどのように進めましたのでしょうか。
飲食店でのバイト経験があるとはいえ、はるか大昔のことですし、開業するとなれば未知の領域。
無知故に、最初は大きな不動産会社にいけば簡単に飲食店向けの物件を紹介してくれるし、開業もできると思い込んでいたんです。
で、実際に大手不動産会社に行って「物件を見せて欲しい」といったら、「飲食店は扱ってはいません」とけんもほろろ。
そんな状態からのスタートで、早々に路頭に迷ってしまったと思いました(笑)。
それからは考えを改め、物件探しは地道の一言。
街を歩き回って、“空き物件”という看板を見つけては、片っ端から電話。
ネット検索では、USENのように物件情報を取り扱っているサイトを見つけては、すべて会員登録して逐一情報を得られるようにしました。
USENからは、希望にマッチする物件を送ってもらえて、自分で探す手間が省けたのはよかたですね。
また、セミナーにも5回、参加。
すべて無料のセミナーで、終了後には個別で物件についてや内装工事についての相談もしました。
これもすべて無料。
念のため簡単な事業計画の作成もフォローしてもらって、本当に全部無料でやってもらえたのはよかったですね。
開業する時は、本当にこまごました事務作業が多いので、少しでも誰かが手伝ってくれるのは本当に助かります。
お店は小田急線「柿生」駅から徒歩2分の商業施設内にありますが、立地や物件選びでは、どんな点にこだわったのでしょうか。
小田急沿線に住んでいるので、勝手がわかるエリアを希望していましたし、物件選びでこだわったのは、とにかくカラオケを置いても許される環境であることでした。
柿生駅にこだわらず、小田急線沿線上の広範囲で探していたのですが、カラオケOKな物件ってなかなか見つからないんです。
なので、時間もかかりましたし、かなりの数の物件を内覧しました。
最終的にここに決めたのは、カウンターがあったこと。
居抜き物件で、以前はタピオカティーの喫茶店だったんですよ。
カウンターの中にいる僕と、向いに座るお客様という姿がイメージできて、探し始めた当初はカウンター自体は必須の什器にしてなかったのですが、決め手になりました。
また、壁一面に木材を多用していて、ぬくもりが伝わるつくりだったのもよかったですね。
情報をインプットする中で、どんなことが役立ちましたか?
まずは参考になりそうな飲食店をまわったことですね。
バーやスナックに出向き客として楽しむ一方で「この物件どうやって探したの?」と密かにヒアリング。
カラオケができるお店をやろうと決めていたので、重点的に同業者の店で探りを入れました(笑)。
無料の開業セミナーにも行けるものは片っ端から参加していました。
ただ、この時期が一番しんどかった。
なんせ無給料ですからね。

開業後の気づき/今後の課題

間もなくオープンの日を迎えますが(編集部注※取材時はオープン前)、経営者となった今、ビジネスに対する捉え方などに変化は生まれましたか。
会社を辞めた後、ものの見方がガラッと変わりましたね。
たとえば会社員時代ならば、デパートにいっても、どんなディスプレイをするのだろうとピンポイントで注意深く見ていたのが、経営者となった今はディスプレイの要素だけでなく、価格や客層、接客だったりと多面的にチェックするようになりました。
よくいえば視野が広がったということなのかもしれません。
開業資金は退職金を使ったので、手元にあまり残っていない状態が不安なんですが(笑)、それでも自分にとって第二の人生の始まりですし、新たな挑戦に日々ワクワクしている気持ちが勝っています。
販促として、5,000枚ほどのチラシを作成しました。
地元密着を目指す上では、宣伝はチラシだと考えています。
まずは、お店自体を知ってもらうところから始めて、常連さんを作っていく仕組み作りをしたいと思っています。
チラシはすでに配布していますが先日も近所に住む男性が、「もう飲めるの?」ってフラッと立ち寄ってくれたりして、すでに効果を感じています。

間もなくオープンの日を迎えますが(編集部注※取材時はオープン前)、経営者となった今、ビジネスに対する捉え方などに変化は生まれましたか。

かつての徳山さんのように会社員でありながら、開業を考えている方は少なくありません。そんな方に向けてアドバイスをお願いします。
もし、今もどうしようかと悩んでいるのなら、「一旦、会社を辞めてみること」がひとつの手段になるかもしれません。
僕の場合でいうと、何も行動に移さず定年を迎えてしまったら、その後も何をすべきかずっと悩んでいたでしょうね。
スパッと辞められたのは年齢のことも大きいかもしれませんが、辞めたことで次にいかなければいけないと自分自身の背中を押せたし、何があっても乗り越えるぞ!という気構えができました。
勇気をもって一歩を踏み出せば、いろいろと動き始めるものです。
僕はまずこの店を軌道にのせて、地元に根付かせ、地元の皆さんに愛される店に育てていきたいです。
パブリックバル風来里
  • 神奈川県川崎市麻生区上麻生5丁目38-7 東和サープラス柿生104

PAGETOPへ