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コロナの逆境を逆手にとって約8割のリピーターを獲得。100店舗展開を目指す新進気鋭の天ぷら店「天ぷら処 きた原」

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てんぷら処 きた原
北原将光

大阪市西区新町1-12-19

エリア
大阪新町
業種
和食・食堂・レストラン
ロケーション
ビジネス街
ターゲット
大人向け
業界経験
5~10年
開業時の年齢
30代
目標月商
100万~200万
開業資金
1,000万~1,500万
坪数
10~20坪
家賃
-

開業を目指すきっかけ

前職は広告代理店で働いていたと伺っていますが、なぜそこから飲食店を開業しようと考えたのでしょうか。
私の母親は、かれこれ50年以上喫茶店を経営しており、そこでお客様と楽しく会話をしながら働いている母親の姿を、小さい頃からずっと見てきました。自営業の経営に必要な知識についてもその中で見ていたので、開業するなら飲食業でチャレンジしたいと思っていたんです。
また、それとは別に、尊敬していた前職の社長が経営から離れることになったことも開業を考えた理由のひとつです。この出来事を機に会社を辞めて、開業に向けた準備をしようと思い立ちました。こっちが直接的なきっかけですね。
開業するなら「和食」と決めていたので、その会社を辞めた後は2年間ほど日本料理のお店で修行して、その際に調理師免許も取得しました。
日本料理店で2年の修業期間というのは随分短いように感じられます。
そうなんです。当初は、できれば30代のうちに開業したいという気持ちがあったので、数年で日本料理を覚えようと思っていました。でも、日本料理の全てを数年で完璧にすることは、僕には不可能だとは理解していて――。
なのでその中でも、短期集中で、かつ自分が楽しく学ぶことができる料理は何かと考え、「天ぷら」に集中して学ぶことにしました。日本料理店の面接時には「天ぷらの揚げ方と煮炊きの仕方をメインで教わりたいので、修行の見習いでよくあるような洗い物をしている暇はないです」ときっぱりとお伝えしていたんです。
他社も含めて3社で面接をし、有難いことに3社とも内諾いただけて、その中でも一番条件の良かった日本料理店へ就職することになりました。

開業準備での課題と解決方法
(物件探し・資金集め, etc.)

開業準備では一番初めに何から始めましたか?
僕は紙に落とし込まないと嫌なタイプの人間なので、まず事業計画書を作るところから始めました。「3年後には会社にしたい」という願望を持っていたので、年次3年くらいの計画書を考えたんです。それから経営理念を考え、それを達成するためには何が必要か、という順番で作成。最終的には20ページくらいのものができました。(笑)
資金を余剰として借りておいた方が良いかなと思い、借りに行ったときにも、日本政策金融公庫の担当者から「コンサルタント雇いましたか?」と言われるくらいのしっかりとしたものができました。
ただ、開業準備を進めていく中で飲食の横の繋がりが本当に無かったため、USENのセミナーを3,4つ受講させていただきました。セミナーは経営に関するお話を伺えてとても勉強になりましたね。特に講師として登壇していた日本政策金融公庫の方が僕の知合いと繋がっている方でしたので、分からないことなどを気軽に聞くことができました。思わぬ縁があって良かったです。
それはいい出会いでしたね。事業計画書を作成後、実際に物件探しなどを始められたかと思いますが、そこではどんな苦労がありましたか?
当時は不動産に関する知識が浅かったことに加えて、インバウンド需要に頼ろうとしていたので、物件探しにはかなり苦労しましたね。初めに目を付けていた物件は大阪城に近いオフィス街にあったのですが、考えていた予算からはかなりオーバーしていたんです。立地は僕の希望とマッチしていたのでとても魅力的に映りましたが、最終的にその物件は見送ることにしました。
このお店の物件を決める際は、一件目でリサーチ不足だった反省を活かして、徹底的なリサーチをしましたね。プロに調べてもらうと余計な費用がかかってしまうので、すべて自分で行いました。その際、図書館をとても重宝しました。意外かもしれないですが、図書館ではリサーチの役に立つ資料や自分の居る地域のマップなど、店舗出店に必要な情報が無料で得られるんです。そこで中央区と西区全町調べたところ、自分の希望する条件とマッチしている場所が「新町一丁目」と「京町一丁目」と「西本町一丁目」の3個所だけだったんです。この店舗の住所は「新町一丁目」という場所なのですが、1ブロック奥に京町一丁目というオフィス街があり、この界隈で出店したいと思っていたのでその辺りに候補を絞って物件を探しました。
他にも、周辺で開業している飲食店の単価を業態問わず、20件、30件くらいリストアップしました。昼夜の客単価を調べたところ、700円代のお店は現在の場所から直径100mくらいの範囲で2件ほどしかなく、それにほとんどが客単価800円代からだったんです。立地、客単価など競合となる店も含めて全部調査した結果、現在の場所でなら勝負できるなと考えました。

それはいい出会いでしたね。事業計画書を作成後、実際に物件探しなどを始められたかと思いますが、そこではどんな苦労がありましたか?

広告代理店で働いていただけあって、リサーチ力が並外れていますね。資金集めや物件探し以外で苦労されたことはありましたか?
店内のオペレーションや内装についても悩みましたね。
初めに目を付けていた物件の交渉が破談になった際に、既に日本料理店を辞めてしまっていたこともあり、少し時間が余っていたんですね。それでチェーン店の天ぷら店と少し高級な天ぷら店の2つの店舗へアルバイトに行ったんです。そこで店内をどういうオペレーションで、人をどういう配置にした方が効率良く全ての導線を確保できるのかを学びました。
内装の部分では、自分が思い描いているイメージが、果たして正しい導線なのか判断することが難しいところでしたね。僕が内装で参考にしていたお店は、福岡県にある「天麩羅処 ひらお」という天ぷら店なのですが、アルバイト先のチェーン店でも同じ店舗を参考にして大阪や関東に出展をしていてることを知ったんです。それで、カウンターの高さから椅子の高さまで、写真もたくさん撮って、すべて細かく測りました。実際に内装業者に依頼する際には、同じ高さにしてもらえるようお願いしました。オペレーションや内装の課題はアルバイトでお世話になったお店を参考にすることで解決できたかなと思います。

開業後の気づき/今後の課題

2020年5月のオープンですが、コロナウイルス感染拡大による影響は大きかったですか?
開業して初月での赤字はありませんでした。なので、コロナウイルス感染拡大が影響した赤字はないということが分かり、これまで自分が行ってきた分析や考えは間違えていなかったなというところに辿り着くことができました。
僕自身、飲食という業種で、お客様と対面で接するお仕事の経験は開業準備でお世話になった2つのアルバイトぐらいのものです。なので逆にコロナウイルスの感染拡大がなく、お客様がたくさん来店していたら対応しきれずに失敗していたなとも思っています。やっぱり初めはどうしても不備というかミスしている部分があると思います。そこからPDCAを回して、失敗と修正を何回も繰り返すしかミスを埋められないなと。
今回、コロナウイルスの影響でお客様の来店数は抑えられていますし、お客様の目も厳しくなられていると思います。だからこそ一人ひとりのお客様に対して丁寧な仕事をする必要があると感じています。
実際、今に至るまでにお客様の8割くらいがリピーターとして来店してくださっています。コロナウイルスが流行っていなければ、もしかしたら小さな気遣いの大切さに気付くこともできなかったと思いますし、お客さんに対して丁寧に接することができていなかったかもしれないですね。

2020年5月のオープンですが、コロナウイルス感染拡大による影響は大きかったですか?

なるほど。来店者の傾向なども分析されていたりしますか?
月ごと・日ごと・曜日ごとと、細かく分けてデータをすべて取っているので、何曜日に客の入りが悪いとかも分かるようにしています。データを分析すると、先月と比べて今月は日算でいくらか上がっているとかも分かるようになります。分析しているおかげで対策は組めているかなと。この状況が明けてから、描いているプランに乗っていけばいいなと思っています。
開業後、売上の目標は想定を捉えられていますか?
想定していた目標売上を少し早い段階で達成はしています。次の目標売上に辿り着きそうなくらいまで来ていますね。でもまだまだ満足しているわけではありません。大それたことと思われるかもしれませんが、僕が目指しているのは、最低100店舗までこのお店を展開させることです。これは笑われてもいいので叶えたいと思っています。1店舗で30万円、50万円の売上を作るよりも、100店舗が各店舗で5万円を売上げ、500万円の売上を作る方が現実的だし、効率的だと思うんですよね。違うしがらみがあって別の大変な問題はあるとは思いますが、高い壁と思われているところを目指さないと意味がないと思っています。コロナ禍ということもあり夢の到達まではまだ道のりは長いですが、高い目標を目指して店舗展開を進めていければと思っています。
てんぷら処 きた原

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