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MARKTのフレンチはまるでアート!!?21歳でたった7万円を手にフランスへ渡ったシェフが目指すフレンチとは
目の前のお客様を満足させることができれば、絶対また戻ってきてくれるし、その方々がまた新たなお客様を呼んでくれる
- 杉浦和哉(すぎうらかずや)/MARKT
二子玉川のショッピングセンター街近くの閑静な住宅街の一角にあるMARKT(マルクト)は、緑の蔦が絡まった青い看板が目印の風情ある一軒家フレンチレストラン。“青空市場”を意味する店名「MARKT」に込めたのは「訪れる人を笑顔にしたい」という願い。そのために可能な限り生産者を訪ね、厳選した食材を使うというこだわりを持つ。そのこだわり・想いを杉浦和哉シェフに聞く。
※現在の店名はnaturam (ナチュラム)です。「フレンチを勉強したい!」21歳でたった7万円を手にパリへ!
ーー二子玉川で一軒家レストランを始めたきっかけは?
この場所のオーナーがカメラマンで、もともとここはハウススタジオだったんです。そこにカフェを併設したのが最初で、それをレストランに業態を変える2014年のリニューアルオープンのタイミングからシェフとしてやらせていただくことになりました。ーーそこに至るまでの杉浦さんの経歴を教えてください。
まず高校時代に洋食店でアルバイトをしたのが料理人の道のスタートでした。卒業後も専門学校へは行かずそこへ就職したのですが、料理長がフレンチ出身だったこともあって「フレンチを勉強したい!」と、21歳で7 万円を手にパリへ渡りました。なんのあてもなかったんですけど、偶然訪ねたお店のマダムが紹介してくれた日本人シェフが「君、無謀だね。パリは難しいかもしれないけど地方ならチャンスはあるから人を探している店を聞いてあげるよ」と親身になってくださり、ブルターニュで働けることになりました。でも現地で修行するうちに「自分は日本のことをまだまだ知らない」と思い、1年後に帰国して、千葉や都内でシェフとして働きながら、約10年、日本の食材について改めて学んだんです。その後、31歳のときに、今の自分が何を感じるかを知りたくて、再びフランスに渡ったことで“日本人のシェフである自分の武器”について考えるようになりました。フランス人ってパリの超有名店で修行したシェフでも地元に帰って店を開くし、地元の食材も大切にするんです。だから帰国のタイミングでMARKTの話があったときも、場所は関係なく自分のスタイルや日本の強みを活かした料理を発信したいと考えました。それもあって、うちはフランス料理店ですけど9割方日本の食材しか使っていないんですよ。MARKTのフレンチはまるでアート!料理の考案法とは?
ーー食材は生産者を実際に訪ねて厳選したものを使っていますが、その理由は?
多くの生産者に会うなかで、すごく一生懸命作っているのに発信することが苦手な方が多いと感じたんです。だから僕たちはその方々とお客さんを繋ぐ役目をしたいと思うようになりました。醤油、酒、味噌もそうですけど、儲け主義で大量生産されたものではなく、少ないながらも信念を持って作られた食材を僕らが使うことで少しでも日本の一次産業が活性化していく力になれたらって。それが厳選した国産のものをできる限り使うという考えに繋がりました。ーーMARKTのお料理は、味はもちろんのこと、見た目や食材の組み合わせもアートのように美しいですが、どうやってメニューを考案しているのですか?
同じ土地で穫れたものは相性がいいので、食材の組み合わせや盛り付けのインスピレーションは市場や農家さんのところで素材を目にしたときに浮かぶことが多いです。あとは、頭でイメージしたものを一皿に盛り込むこともあって。例えば、みかんとマスカルポーネのムースにほうじ茶のゼリーを合わせたデザートを出したことがありました。これは、「日本人は冬にこたつでみかんを食べながらお茶を飲むからほうじ茶とみかんは絶対合う」っていうところから閃いたんです(笑)。「二子玉と言えばMARKT」と言われるような街のシンボルを目指すフレンチ
ーーフレンチレストランになって3年ですが、そのなかでの苦労は?
ありがたいことに満席が続いているのですが、最初の1年は駅から少し離れていることもあって、夜はお客様が来ないときもありました。でも目の前のお客様を満足させていれば絶対また戻ってきてくれるし、その方々がまた新たなお客様を呼んでくれると考えていたので、あえて広告は出しませんでした。今はリピート率がかなり高くなり、、それが間違っていなかったという自信になりました。お客様が来てくれる理由は、カジュアルな雰囲気にもあると思います。もともと、敷居の高い高級店ではなく誰でも気軽に来れて料理はしっかり作る店をやりたかったんです。先日、若い娘さんが初任給でお母さんにご馳走するためにディナーに来てくれるのを見て、すごく嬉しくなりましたね。ーー二子玉川という立地についてはいかがですか?
日本に帰国して最初にここへ来たとき「ここなら絶対やれる」と思いました。青山の一等地で、この広さのレストランなんて到底できないですし、今みたいに裏でハーブを育てることも難しいですから。お客様は昼だと9割5分は女性で、同業者も多いんですけど、みなさん食べものに気を遣っているんです。僕は野菜をかなり使うのでそれがウケてるのかなって。今後もここを拠点に長く続けて「二子玉と言えばMARKT」と言われるような街のシンボルになりたいですね。杉浦和哉(すぎうらかずや)
1982年生まれ。高校時代にアルバイトを始めた地元・千葉の洋食店に卒業後も勤務したのち21歳でフランスへ渡り、ブルターニュ地方の2ツ星レストランなどで1年間料理を学ぶ。帰国後はフレンチの人気店ルヴェソンヴェール東京に務めシェフとして日本独自の食材について学んだあと再び渡仏、パリの1ツ星レストランでも修行を積む。2014年に帰国後はMARKTのシェフとして活躍。
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