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《第20回》ワンオペでもOK!飲食店の客単価アップ術24-「スペース貸し」で利益の軸を増やそう

《第20回》ワンオペでもOK!飲食店の客単価アップ術24-「スペース貸し」で利益の軸を増やそう_記事画像

愛嬌接客®専門家の木村氏による、飲食店向け接客コラム第20弾!

人手不足やコスト高により、ワンオペ経営の飲食店が増えてきている昨今。忙しい中でもちょっとした接客テクニックを取り入れることで、満足度の向上だけでなく客単価アップにもつなげることができます。
本コラムでは誰でもすぐに実践できるテクニックを全24回に分けて余すことなくご紹介!

第20回は「スペース貸し」をテーマにお届けしていきます。このスペース貸し、簡単に言えば、店舗が稼働していない時間帯や空きスペースを活用することで、利益を上げていくテクニックです。ここではその具体的な方法や注意点をお伝えしていきます。

はじめに

一般的な飲食店経営は、営業時間内に商品を提供した時にしか利益が生まれません。しかし、これが使われていない時間やスペースを「貸す」という発想に変えるだけで、原価をほとんどかけずに利益を生み出すことができます。
そこで今回は、小さな飲食店でもすぐに取り入れられる「貸すビジネス」のアイデアを紹介します。一つ一つは数千円~数万円の利益かもしれませんが、月間や年間で計算すると、しっかりと利益の軸の一つになるはずです。貴店の立地や条件と照らし合わせながら読み進めてください。

店舗を貸す「貸し切り利用」

もっとも分かりやすい方法が、店舗の「貸し切り利用」。飲食店はテーブルや椅子があり、食事も提供できるため、イベント会場として非常に使いやすい空間です。特に20席前後の小さなお店は「ちょうどいい規模」として人気があります。貸し切り利用は主に誕生日パーティーや女子会、同窓会、歓送迎会、小さな結婚パーティー、打ち上げ利用などが挙げられます。
利益を上げるポイントは「団体客の予約を待つ」のではなく、貸し切りプランとして「商品化する」こと。例えば、「10名様以上で貸し切り可能」や「2時間飲み放題付き5,000円」など、分かりやすいプランを作るだけで予約が入りやすくなります。
また「映画やドラマの撮影場所」としてや、コスプレイヤーなどの撮影場所として店舗を貸し出す方法もあります。インターネットで「撮影 レンタル」と検索すると、無料で登録できるWebサイトが多数あるので登録してみましょう。

営業時間外を貸す「間借り営業」

近年増えているのが「間借り営業」、「シェアキッチン」とも呼びます。これはお店の空いている時間に別の人に営業してもらう方法です。貴店が夜営業のみのお店なら、昼間は誰かに貸し出すことができますよね。同じ店舗でも「夜だけバー」や「週末だけラーメン屋」、「コーヒースタンド」、「スイーツ販売」などと借主が変わります。なお、借りる対象の方は、飲食店を開業したい人やイベント出店で販売するお弁当などの仕込み場所(保健所の許可がある場所で作った料理でないと販売できないため)を探している人たちです。特に定休日やランチをやっていないお店は、空いている時間をそのまま収入に変えることができるため非常に効率的です。
※基本的に飲食店で作ったスイーツを店内でデザートとして販売するのはOKですが、テイクアウトなどは菓子製造業許可が必要です。詳細は管轄の保健所で確認してください。

設備やキッチンを貸す「シェアキッチン」

飲食店には、家庭にはない設備が揃っています。例えば、業務用コンロや大型冷蔵庫、製氷機、オーブン、作業台などです。これらは料理人やお菓子作家にとって非常に魅力的な環境でもあります。最近は、ネットでお菓子や惣菜を販売する人も増えているので、保健所の許可がある設備を借りられるキッチンを探している人も数多くいます。そうした人にキッチンを貸し、新しい収入を生みましょう。例えば、「キッチン使用1時間2,000円」、「1日利用10,000円」といった形です。普段は仕込みが終わると使われないキッチンや設備を収益化できるのが大きなメリットになります。

体験で貸す「体験サービス」

最近は「モノ」より「体験」にお金を使う人がとても増えています。そこで注目されているのが、飲食店の「体験サービス」です。例えば、「たこ焼き体験」や「寿司握り体験」、「餃子作り体験」、「居酒屋体験」、「日本料理体験」など。さながら「大人版キッザニア」ともいえるでしょう。また、観光客や外国人にも「体験サービス」は人気があります。料理を食べるだけでなく、自分で作る体験は思い出にもなるため、通常の食事より高い価格設定でも売れやすい特徴があります。

壁を貸す「レンタルスペース」

意外と見落とされがちですが、“壁”も貸せるんです。例えば、「イラスト」や「写真」、「書道」、「手芸」などの作品の展示が人気です。そして壁は広告スペースにもなります。これは店頭看板や店内ポスター、メニューへの広告掲載などです。近隣の美容院やジム、整体院などと提携し、広告スペースとして貸すこともできます。価格設定は、例えば、壁や広告スペースのレンタル(5ヶ所)「1ヶ月3,000円」、「週間月2,000円」などです。大きな金額ではありませんが、複数集めれば毎月の固定収入になります。

「スペース貸し」を始める前に トラブルを防ぐための5つのポイント

飲食店で「スペース貸し」を始めると、空いている時間やスペースを活用できるため、新しい収入源を作ることができます。特に小さな飲食店にとっては、原価をかけずに利益を生み出せる魅力的な方法です。しかし、その一方で、人やお金が関わる以上、事前のルールを決めておかないとトラブルになることがあります。「こんなはずではなかった」「聞いていない」といった問題は、ほとんどの場合、最初の取り決め不足が原因です。安心して「貸す」ビジネスを続けるためにも、始める前に5つのポイントを押さえておきましょう。

①物件オーナー(大家さん)の許可を取る

例えば、借主が同席していない状態での、貸し切り利用、間借り営業、キッチンをレンタルスペースとして貸す場合などは、まず自店の契約書を確認しましょう。その時に「転貸禁止」と書かれていれば、第三者に又貸しすることは禁止の物件です。ですが、諦めずにオーナーや管理会社に「(契約書は確認したが)こういう形で貸したい」と相談してみましょう。また「転貸禁止」と書かれていなくても、事前にオーナーや管理会社に連絡し、「こういう形で貸す予定です」と説明し、許可を得てからスタートすれば不要なトラブルを未然に防ぐことができます。

②利用ルールを明確にする

店舗を貸す際には、利用ルールをはっきりさせておくことも大切です。例えば、使用できる設備や利用できる時間、立ち入り禁止エリア、音量の制限、近隣とのトラブル、ゴミの処理方法、喫煙の可否、終了後の清掃範囲などが挙げられます。これらを最初に伝えておかないと「ここまで使っていいと思った」「聞いていない」というトラブルになりがちです。リストや契約書を一緒に見ながら丁寧に伝えましょう。

③必ず契約書を作成する

店舗を貸す場合は、口約束だけで進めてしまうと後々のトラブルの原因になります。どんなに信頼できる相手であっても、簡易的な契約書を作ることが大切です。契約書の内容は、例えば、②も参考に、利用日時や料金、支払い方法、キャンセル規定、設備使用のルール、破損時の責任、清掃範囲についてなどです。また万が一の事故の場合などは契約書の中で「責任の所在」を明確にします。これを最初に決めておくとトラブルがあっても判断がブレず、小さく収めることが可能です。なお、契約書は日々ブラッシュアップしていきましょう。

④契約書を確認してもらう

契約書はAIで簡単に作れます。まずは、たたき台を作り、自店に合わせてアレンジします。その清書に近いものを地元の商工会議所の専門家などに内容の確認をしてもらいましょう。なお、④⑤は、行き来や、順番が前後することもあります。

⑤食品衛生と営業許可など保健所への確認

間借り営業や料理体験などを行う場合は、管轄の保健所のルールも確認しておきましょう。 例えば、誰の営業許可で営業するのか、仕込み場所はどこか、食品の管理方法などです。間借り営業の場合は「店舗の営業許可で営業するのか」や「間借り側が許可を取るのか」など、地域によってルールが異なる場合もあります。④の契約書を持参し、保健所に相談しておくと安心です。

まとめ

「スペース貸し」ビジネスは、空いている時間やスペースを活用できる魅力的な方法で、成功するためのポイントは大きく2つ。「大家さんから許可を取る」「契約書を作る」です。これらを事前に整えておけば、トラブルを防ぎながら安心して「貸す」ビジネスを続けることができます。本来であれば、しっかりと準備をしたうえで、開始する方が良いのですが「完璧な準備」は目に見えない物ですし時代でルールが変わることもあるので上記の2点が準備できれば(契約書・ルールの詳細はその都度、更新)、小さく小さくスタートしてみましょう。1日でも早く、空いている時間やスペースを活かし、新しい利益の形が生まれることを祈っています。

この記事の執筆

オフィスわんさか 代表 愛嬌接客®専門家_木村美季 きむらみき

オフィスわんさか 代表 愛嬌接客®専門家

木村美季 きむらみき

飲食業界に約34年間携わり、女将として約15年間の飲食店経営の経験を持つ。
延べ34万人以上のお客様を接客した経験から、現在は全国の商工会議所や飲食店・サービス業界にて“リピーターが生まれる接客術”「愛嬌接客®セミナー」を展開中。
元・吉本新喜劇女優というポテンシャルを最大限に活かしたノウハウ「愛嬌接客®」は商標も登録済み。

また、研修や講演・コンサルティングだけではなく、現場の生の声を忘れぬよう、世界中から旅行者が集まる、大阪で一番忙しい道頓堀にて毎週土日、「株式会社くれおーる」の店舗で訪日外国人を中心にたこ焼きを販売している。

《資格・所属など》
箕面商工会議所(登録専門家) /一般社団法人 日本ほめる達人協会 特別認定講師/一般社団法人 楽花成の会 広報(関西飲食店オーナー の会)
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