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全国・海外から約1500社が参加する「ワクワク系マーケティング実践会」を主宰する小阪裕司が商売成功のヒントを毎週お届けします。
美容の施術以外の商品を買う顧客が全体の65%!
前回、ワクワク系マーケティング実践会(このコラムでお伝えしている商売の理論と実践手法を実践する企業とビジネスパーソンの会)会員の美容院のお話をした。
特に着目したのは店主が送ってくれた同店のデータ、町に多くの美容院がある中、車で数十分以上かけて通う顧客が全体の65%、30分以上でも35%もいることだ。そうして選ばれている理由を店主は「お客様にハッピーを売っていたら、遠くからでも買いに来てくれるんですね!」と言うが、これはどういうことだろうか?
そこで今度は、店主からいただいた別のデータを見てみよう。それは、顧客が同店でどんなお金の使い方をしているかのデータだ。それを見ると、次のようになっている。
・美容の施術のみのお客様 30%
・美容の施術&ワクワク商品を買われるお客様 48%
・ワクワク商品のみを買いに来店されるお客様 17%
・自店以外の美容院にも行っているお客様 5%
ここで着目したいのは、美容の施術以外の商品を買う顧客が全体の65%、施術以外の商品だけを買う顧客も17%いることだ。
お客様の共通点はハッピーを買いに来る!
店主の言う「ワクワク商品」とは、例えばパンや漬物、無添加せっけんなど。特にジャンルが決まっているわけではなく、店主らが「良い」「これはお客様に教えてあげたい」と思った商品だ。もちろん店構えはどこからどう見ても美容院だし、売り場スペースが大きく取られているわけでもない。
しかし現在、約8割もの顧客がそれらを買う。店主は言う。「ワクワク系の実践をする前は、美容室なので美容の施術をする方だけが来店されていました。今では、いろんな目的で来店するお客様が増えました。しかし来店されるお客様の共通点は、心豊かなHappyを買いに来ていると思います」。サービスの核はあくまでも「美容」。それを核にして整う新しいビジネスの形
ここで言いたいことは、「お客さんに遠くからでも通ってもらうには、様々な商品を売るとよい」ということではない。現代のお客さんは、この店流に言えばハッピーを求めており、それに応えるべくここでは、施術だけでなく様々な商品も売っているという点だ。もちろん彼女らのサービスの核は美容の施術にある。それには強いこだわりを持っているし、技術も磨いている。それを核にして整う新しいビジネスの形。それこそが彼女らの言う「ハッピー業」なのだ。だからこそこの店は、顧客にとって「ハッピーを買える店」。車で30分以上かけてでも通う、なくてはならない存在なのである。
〇執筆者
小阪裕司(こさかゆうじ)
博士(情報学)/ワクワク系マーケティング開発者
1992年「オラクルひと・しくみ研究所」を設立。人の「心と行動の科学」をもとにしたビジネス理論と実践手法(ワクワク系)を研究・開発し、2000年からその実践企業の会「ワクワク系マーケティング実践会」を主宰。現在全都道府県・海外から約1500社が参加。近年は研究にも注力し、2011年、博士(情報学)の学位を取得。学術研究と現場実践を合わせ持った独自の活動は多方面から高い評価を得ている。2017年からは、ワクワク系の全国展開事業が経済産業省の認定を受け、地方銀行、信用金庫との連携が進んでいる。- NEW最新記事
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