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飲食店の家賃相場は売上のおよそ10%!経費を抑えるコツ

飲食店の家賃相場は売上のおよそ10%!経費を抑えるコツ

飲食店の経営にはさまざまな費用が発生しますが、その中でもとくに重要となるのが家賃です。

家賃は、売り上げに関係なく一定額がかかってきます。家賃の支払いに経営を圧迫されないためにも、開業時は適切な家賃比率を把握したうえで、物件選びや売上目標を立てなくてはなりません。

この記事では、飲食店の家賃相場や家賃比率を下げるためのポイントなど、開業前に知りたい情報を詳しく解説します。

どの程度の家賃であれば経営が上手くいくのか知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

参考記事 飲食店の始め方 飲食店開業マニュアル

飲食店の家賃相場は立地によって異なる

まず、飲食店の家賃相場は地域や立地などによって異なるため、一概にはいえません。

基本的には、東京のように人口が多い地域や、駅前など便利な立地である場合、家賃は高くなる傾向です。

一方、地方都市や不便な立地にあると、同じ家賃であっても、より広い店舗や条件が良い店舗を借りられる可能性があります。

たとえば、東京都渋谷区の2023年の坪単価は35,000~40,000円ですが、大阪府心斎橋の坪単価はおよそ22,000~25,000円です。地域が違うだけで、10,000~15,000円もの差があります。

なお、リスクを下げつつ利益を確保するためには、家賃比率は売上に対して7~10%に抑えるべきだといわれています。

canaeruの無料開業相談を利用される方々には、一般的に家賃比率が売上の10%前後に収まっているケースが多く見られます。これは、飲食店経営を健康的に行うための一般的な基準とされています。

家賃比率が低くなると、その分利益を多く出せるため、どの程度の家賃比率であるかを把握することは、飲食店経営にとって大切なことです。

飲食店が目指すべき売上の平均金額とは?

1日分の売上の平均金額は、月の家賃の1/3程度を目標にしましょう。たとえば、家賃を20万円と仮定した場合、1日約70,000円が目指すべき売上の目標金額です。

また、飲食店の売上は物件の広さによっても変わってくるため、坪売上を計算することで、より理想的な売上が見えてきます。

10坪の飲食店の家賃

個人事業主として飲食店を開業する際、10坪前後の広さで開業するケースが最も多いと言われています。席数にして20席ほどです。
平均坪単価40,000円の渋谷区で経営する場合、10坪の飲食店の家賃は40万円前後。これを上述の計算に当てはめると、理想的な一日の売上はおよそ13万円。一坪あたり1.3万円/日となります。

20坪の飲食店の家賃

20坪の店舗となると席数はだいたい40席。大衆型の業態では50席以上になります。
渋谷区を例に家賃や必要な売上を算出すると、20坪の飲食店の家賃は80万円前後。一日の理想の売上はおよそ27万円。一坪あたり2.7万円/日となります。

ただし、箱が大きい分、人件費や光熱費などの家賃以外のランニングコストも膨らみます。10坪と比べて売上は大きいかもしれませんが、毎月の固定費も増加することに留意しておきましょう。

飲食店の開業を成功させるには目標のシミュレーションが重要

飲食店の開業を成功させるには、毎月の売上を具体的にシミュレーションすることが重要です。事前にしっかりとシミュレーションしておくことで、経営時のイメージを掴むことができます。

例として、月間400万円の売上を目指す場合に必要な1日単位の売上をシミュレーションしましょう。

仮に月24日間営業する場合、月間400万円の売上に到達するためには、1日約16万6千円の売上が必要です。

こうして1日単位の売上をシミュレーションしてみると、目標に到達するのは簡単ではないことが分かります。どうやって目標に到達するかを具体的に考えて準備するためにも、開業前には売上目標を細かくシミュレーションしましょう。

なお、飲食店を経営するためのシミュレーションについては、以下の記事も参考にしてください。

参考記事 飲食店の経営にかかる費用をシミュレーション!費用を抑える方法も紹介」

家賃比率を下げるための4つのポイント

家賃比率を下げるためには、家賃を削減するか売上を伸ばす必要があります。家賃の削減、売上の増加を行う手段はさまざまありますが、代表的な方法として挙げられるのは次の4つです。

●家賃交渉をする
●営業時間を増やす
●店舗が空いている時間を活用する
●フードデリバリーを実施する

それぞれの方法について、詳しい内容を解説します。

家賃比率を下げるための4つのポイント

①家賃交渉をする

家賃比率を下げたい方は、物件のオーナーに家賃交渉をしてみるのがおすすめです。

飲食店用物件の入居率は景気の動向にも左右されるため、一般的なアパートなどと比較すると空室リスクが高い傾向があります。

物件のオーナーとしては、空室リスクはなるべく避けたいと考えている場合が多く、大人気ですぐに空室が埋まるような物件でない限りは、家賃交渉に応じてくれる可能性があります。

②営業時間を増やす

営業時間を伸ばす、または休日も開店して営業時間を増やすことで、売上の増加に繋げることができます。

売上が増えれば、その分家賃比率も下がります。経営に不安がある方は、予定よりも営業時間を増やせないか検討しましょう。

③店舗が空いている時間を活用する

営業時間を増やすのが難しい方は、店舗が空いている時間を活用するのもおすすめです。

閉店している時間帯に店舗を貸し出したり、イベントを開催したりすることで、営業していない時間でも売上を出すことができます。集客にも繋がるなど、メリットが多い活用方法です。

④フードデリバリーを実施する

コロナ禍以降、フードデリバリーのサービスを提供する飲食店は一般的となりました。
コロナ禍が落ち着いた近年は外食需要が以前の水準まで回復していることもあり、デリバリーを主体とした専門店は苦戦を強いられていますが、デリバリー自体の市場規模は成長が続いています。上手く売上に繋げることができれば、家賃比率を下げることができるでしょう。

飲食店の売上が伸びないときは経費をどう削るべき?

飲食店を経営すると、家賃や光熱費の契約料といった固定費、原材料費や人件費などの変動費が発生します。売上が伸びないときは、これらの経費をどう削るか悩むことがあるはずです。

結論としては、経費を抑えたいときは変動費を削れないかどうかを優先的に検討しましょう。

具体的には、材料費を抑える、仕入れ先と値段の交渉、在庫管理を徹底するなど、日常の業務内で実践できることから始めてください。

一方、利益が出ない時でも必ず発生する固定費は、どうしてもすぐに削るのが難しく、削れたとしても時間がかかってしまいます。

ただし、変動費を削りすぎると、サービスの質の低下に繋がる恐れがあるので注意が必要です。サービスの質が低下すると、売上が落ちてしまう可能性があります。

飲食店の家賃相場を知ったうえで売上を伸ばす努力も大切

飲食店を開業する際は、家賃相場や家賃比率を把握しておくことが重要です。中でも家賃は店舗の立地によって大きく異なるため、事前にきちんと開業予定のエリアについて調べなくてはなりません。

家賃と売上のバランスがしっかり取れていれば、利益の安定にも繋がります。

また、家賃相場を把握してリスクを減らすことだけでなく、売上を伸ばす努力も大切なことです。売上が伸びれば伸びるほど家賃比率は下がるので、開業後は売上アップに集中するとよいでしょう。

この記事の監修

USEN開業プランナー_長原雄一

USEN開業プランナー

長原雄一

株式会社USEN 開業サポートチームに所属。日本政策金融公庫のほか、地方銀行や都市銀行など複数の金融機関にて融資業務を担当。
資金調達の豊富なノウハウを活かし、店舗開業者のサポートを行っている。

【主なサポート内容】
・開業資金にまつわる相談受付
・事業計画書の作成サポート
・資金調達時の面談アドバイス

株式会社USEN/canaeru 開業プランナーの詳細はこちら

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