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「フランチャイズでの開業を検討しているけど、具体的な手順がわからない」
「加盟先はどのような基準で選んだらいいの?」
独立開業の手段のひとつに、フランチャイズオーナーになるという選択肢があります。しかし、それまで他業種で働いていた人がいきなりフランチャイズのオーナーになろうとしても、手順や方法がわからないのが当然です。人によっては、「そもそも自分がフランチャイズオーナーに向いているかもわからない…」という方もいらっしゃるかもしれません。
そこでこの記事では、フランチャイズオーナーになるまでの手順や仕事内容について解説していきます。オーナーに向いている人と向いていない人の特徴も紹介しているので、フランチャイズでの開業に興味をお持ちの方はぜひご覧ください。
参考記事:フランチャイズ経営の仕組みとは?経営するメリットやデメリットを解説
参考記事:フランチャイズにおける7つのリスク&デメリットを解説。失敗しないためのポイントとは?
参考記事:フランチャイズで開業したい方必見!メリットやデメリット、加盟の流れをご紹介
目次
- フランチャイズオーナーの具体的な仕事内容
- オーナー自身が加盟者(開業者)の場合
- 資金だけを出すオーナー(出資者)の場合
- フランチャイズオーナーに向いている人は?
- 数百万円〜1,000万円程度の資金を用意できる
- 同業種で働いた経験がある
- 計画力と実行力がある
- 人を見る目がある
- フランチャイズオーナーに向いていない人は?
- 早期に利益を上げたい人
- フランチャイズ本部の経営方針に賛同できない
- フランチャイズオーナーになるまでの手順
- ①どの業種・業態でオーナーになるのかを決める
- ②フランチャイズ本部を選ぶ
- ③加盟の申し込みをする
- ④フランチャイズ加盟審査を受ける
- ⑤契約手続きをする
- ⑥開業の準備をする
- ⑦営業を開始する
- フランチャイズオーナーになる際は本部選びを慎重に
フランチャイズオーナーの具体的な仕事内容
フランチャイズオーナーの仕事は、オーナー自身が加盟者の場合と、資金だけを出して実際の店舗運営には携わらないオーナー(出資者)の場合で異なります。それぞれの仕事内容を以下で紹介していきます。
オーナー自身が加盟者(開業者)の場合
オーナー自身が加盟者の場合、おもに次のような業務を担当します。
・開業準備(資金集め、店舗取得、店舗工事の手配など)
・店舗運営
・従業員の管理
・本部への業務連絡
・お店の宣伝などの販促活動
このタイプのオーナーは、資金集めやフランチャイズ本部との契約、開業準備や店舗運営などをすべて自分で行います。
資金だけを出すオーナー(出資者)の場合
一方、資金だけを出すオーナー(出資者)の場合は、以下のような業務に携わります。
・出資
・事業計画書作成に関するアドバイスや書類のチェック
・店舗の運営方針の立案
・節税案の考案
こちらのオーナーの場合は資金を出すだけで、自分で開業準備をしたり店舗運営したりすることはありません。この記事では、前者のケースのフランチャイズオーナーになる方法を紹介していきます。
フランチャイズオーナーに向いている人は?
フランチャイズオーナーに向いている人には、おもに以下のような特徴があります。
・数百万円〜1,000万円程度の資金を用意できる
・同業種で働いた経験がある
・折衝力がある
・人を見る目がある
それぞれどのような内容なのか、順番に見ていきましょう。
数百万円〜1,000万円程度の資金を用意できる
業種にもよりますが、フランチャイズの開業には数百万円〜1,000万円程度かかるのが一般的です。
自己資金だけで費用をまかなえない場合は、日本政策金融公庫などの公的金融機関や、銀行などの金融機関から融資を受けて資金を調達する方法もあります。ただし、自己資金がまったくない状態で融資の申請をしても、審査に通ることはほぼ期待できません。そのため、銀行などから融資を受ける場合でも、少なくとも数百万円程度の現金を用意できる資金力は必要になります。
参考記事:フランチャイズ開業に必要な資金とは?内訳や集め方を紹介!
同業種で働いた経験がある
飲食・サービス業などの離職率が高い業界では、従業員が働きやすい環境を整えて、職場に定着してもらうこともオーナーの重要な仕事になります。その点、過去に同業種で働いた経験があれば、従業員の都合や心境などを理解しやすくなるため、従業員満足度の高い職場環境を作りやすくなります。
さらに、業務に対する知識も身についているため、同業種での勤務経験がない人と比べて、開業後にスムーズに仕事を進めることもできます。
計画力と実行力がある
原則として、フランチャイズ加盟店は本部が定めた複数の規定に従いながら営業をしなくてはなりません。たとえば、店舗で使用する商材や原材料などの仕入先が契約書で限定されている場合、加盟店はその指定業者からしか商材などを調達することができません。
しかし、同じ原材料を本部指定の業者よりも安く購入できる仕入先を知っている場合、そちらの業者を利用したほうが経費削減につながります。こうした問題を避けるためにも、オーナーは事前に細かい部分まで本部と話し合い、納得できる条件のもとで契約を結ぶことが大切になります。
このように、本部と条件面で折り合いをつけられる能力がある人は、フランチャイズオーナーに向いているといえるでしょう。
人を見る目がある
人を雇う場合、オーナー自ら応募者の面接をすることもあります。面接をする際には、応募者に仕事をこなせる能力があるかを判断することも大切ですが、それと同時に人として信用できるかどうかを見極める必要もあります。
以前、コンビニや外食チェーンの従業員が不適切行為をした映像がSNSなどで拡散され、大きな話題になる出来事がいくつかありました。これらの不祥事はテレビやネットニュースなどでも報じられ、不適切行為を行った従業員はもちろん、従業員を雇っていた店舗の運営企業も世間から激しいバッシングを受けました。
同様の問題がフランチャイズ加盟店で起こった場合、契約を解除されるだけでなく、場合によってはフランチャイズ本部に損害を与えたとして、損害賠償請求される可能性もあります。そういったことが起こらないようにするためにも、雇用は慎重に行わなければなりません。
フランチャイズオーナーに向いていない人は?
一般的に、以下のようなタイプの人はフランチャイズオーナーには不向きとされています。
・早期に利益を上げたい人
・フランチャイズ本部の経営方針に賛同できない
どのような理由でオーナーに向かないのか、以下で解説していきます。
早期に利益を上げたい人
フランチャイズで開業する場合でも、ある程度の初期費用がかかります。家賃や人件費、物品の仕入れ費用なども必要になることが多いので、フランチャイズのブランド力を活用したとしても、すぐに黒字化を見込むことは難しいでしょう。
軌道に乗るまでには数ヶ月かかることもあるので、早期に利益を上げたい人には不向きといえます。
フランチャイズ本部の経営方針に賛同できない
フランチャイズ加盟店は、基本的に本部が作成したマニュアルに従って営業をしなくてはなりません。また、スーパーバイザー(SV)と呼ばれる本部の担当者から経営指導を受けた場合も、契約内容に定められている場合にはアドバイスされた通りに業務を是正する必要があります。
そのため、もしオーナーが本部の経営方針に賛同できない場合、店舗運営をめぐって本部と衝突する可能性が高くなります。フランチャイズ経営に成功するためには、本部との良好な関係構築が不可欠なため、本部の方針に同調できず、協力していけない場合はオーナーになるのは難しいでしょう。
フランチャイズオーナーになるまでの手順
それでは実際にフランチャイズオーナーになるまでの手順を、7つのステップに分けて説明していきます。
①どの業種・業態でオーナーになるのかを決める
フランチャイズに加盟するには、まずどのような業種・業態で開業するのかを決める必要があります。以下は、フランチャイズオーナーを募集している業種の一例です。
【飲食業】
居酒屋
カフェ
ラーメン屋
ファミリーレストラン
ファーストフード店
【小売業】
コンビニエンスストア
スーパーマーケット
リサイクルショップ
チケット販売店
【サービス業】
美容室
フィットネスクラブ
クリーニング
【教育・学習支援業】
学習塾
英会話教室
パソコンスクール
開業資金の目安や運営方法などは、加盟する業種によって異なります。まず自分がどの業種で開業するのかを決めてから、必要になる費用などについて調べるようにしましょう。②フランチャイズ本部を選ぶ
業種と業態が決まったら、次はどのフランチャイズ本部に加盟するのかを決めます。初めてフランチャイズオーナーになる方は、以下の基準をもとに本部を選ぶと良いでしょう。
・サポート体制は整っているか…研修や開業後の経営指導などをしてもらえるかを確認します
・本部の知名度は高いか…高ければブランド力を利用して集客することができます
・財務状況は健全か…運営企業が長期的に事業を続けていけるかを判断します
加盟したい本部が決まったら、Webサイトや合同説明会などで情報収集を行ない、事業内容や展開している店舗数などを確認しましょう。加盟を検討しているフランチャイズ本部に直接問い合わせをして、不明点を質問しても問題ありません。
③加盟の申し込みをする
フランチャイズ本部が決まったら、次は加盟の申請を行います。申し込みは、加盟先の規定応募方法に従って行います。
④フランチャイズ加盟審査を受ける
続いて、フランチャイズ本部による加盟審査を受けます。審査では、おもに次のような点をチェックされます。
・開業資金は用意できるか
・自己破産者ではないか
・人格に問題はないか
・過去に職場でトラブルを起こした経験はないか
・必要な資格は持っているか
不動産業やお酒を提供する飲食店などを開業する場合、フランチャイズ本部から必要な資格の提示を求められることがあります。加盟の申請をする前に、オーナーになるのに必要な資格がないかを確認しておきましょう。
⑤契約手続きをする
加盟審査に通過したら、次は契約手続きに進みます。本部が提示する契約書を読んで、具体的な業務内容や加盟金の金額、毎月本部に支払うロイヤリティの金額などの条件を確認します。
本部によっては、フランチャイズ契約が終了した後も一定期間は同業種での開業を禁止する「競業避止義務」を規定しているところもあります。細かいところまでしっかりと書類を確認し、疑問があれば契約をする前に担当者に質問するようにしましょう。
もし条件面で折り合いがつかないようなら、無理に契約せずに加盟の中止も含めて再度検討することをおすすめします。
⑥開業の準備をする
フランチャイズ本部との契約が完了したら、開業に向けての準備を始めます。
店舗の取得や内装・外装工事の手配、従業員を雇う場合は求人・採用活動などを行います。不明な点がある場合、本部の担当者に相談をしながら準備を進めましょう。
⑦営業を開始する
お店の準備や従業員の採用が終わったら、いよいよ営業開始です。本部が作成したマニュアルをもとに、店舗を運営していきます。
フランチャイズによっては、営業開始後も月に数回スーパーバイザーが店舗を巡回し、経営に関するアドバイスをしてくれるところもあります。店舗を運営するのが初めての方は、スーパーバイザーがどの程度サポートしてくれるのかを、事前に確認しておくと良いでしょう。
フランチャイズオーナーになる際は本部選びを慎重に
フランチャイズ経営を成功させるには、本部と良好な関係を構築し、開業後も継続して店舗運営のサポートをしてもらうことが重要になります。そのためには、後から店舗運営の方法をめぐって衝突することがないように、事前に本部の経営方針を理解し、納得した上で契約を結ぶ必要があります。
また、加盟金や遵守事項など契約書に記載してある内容に疑問がある場合も、遠慮せずに担当者に質問をし、不安を解消したうえで契約をするようにしましょう。
この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント
○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。
○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。- NEW最新記事
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