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フランチャイズ経営は「開業した人の3割が失敗する」…失敗しないための傾向と対策[人気記事]

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フランチャイズビジネスは「開業した人の3割が失敗する」といわれています。
このフランチャイズの経営で失敗しないためには、経営者としての自覚や行動に加え、需要が高く成功しやすいフランチャイズを選択すること、綿密に計算した資金計画が重要です。
この記事では、フランチャイズのビジネスモデルの詳しい解説と、フランチャイズの経営で失敗に陥らないためのポイントを紹介します。

参考記事:フランチャイズ経営の仕組みとは?経営するメリットやデメリットを解説

フランチャイズのビジネスモデルとは?

会社員ではなく、いつか独立して自分で商売をしたいと願う人であれば、独立開業の選択肢の一つとして検討するビジネスモデルに「フランチャイズ」があります。フランチャイズビジネスは、1850年代のアメリカでミシン会社の「シンガー社」が初めて取り組んだといわれています。フランチャイズビジネスは同社が商品の販売権利を付与し、売上高の何%かを徴収するという仕組みが原型としてビジネスを開始したことがきっかけで生まれました。別名「商標ライセンス型フランチャイズシステム」と呼ばれたこのビジネスモデルは、流通業界から始まり、フード業界、サービス業界へと拡大していきました。
2017年度「JFAフランチャイズチェーン統計調査」報告によると日本のフランチャイズビジネスの市場規模は約25.5兆円となっており、8年連続で増加しているメジャーなビジネスモデルとして認知されています。日本でも有名な「ケンタッキーフライドチキン」や「マクドナルド」もフランチャイズの企業です。

フランチャイズは「会社の営業許可、《商業》営業販売権を与える」という意味で、主に既存事業のブランド名、商標、商品、経営ノウハウ、システム、サービス等を提供する対価として、加盟店から売上の一部(ロイヤリティ)を徴収するというビジネスモデルです。

経営者にとって、フランチャイズであればゼロから新しい商品やサービスを作り、企業の認知度を高めるという工程がなく、すでに知られている企業名や商品、ノウハウなどを活用してビジネスを始めることができるため、比較的スムーズに開業ができます。実質的な店舗運営や売上に関することは、オーナーに一任されますが、フランチャイズ契約というルールの下でのビジネスとなるので、企業本部のガイドラインに沿った事業展開が基本となります。

代表的なフランチャイズの業種と募集中のフランチャイズ店

フランチャイズ契約は、小売業、外食業、サービス業を中心に契約できます。現在、日本で代表的と言えるフランチャイズ展開をしている企業や、募集中の企業をまとめました。

小売業…コンビニエンスストア、衣料・身の回り品小売販売、書籍・メガネ・文化用品販売、菓子・パン販売など
代表的・人気のフランチャイズブランド
・セブンイレブン(コンビニ)
・MOMI&TOY’S(クレープ店)
・瑪蜜黛(タピオカ専門店)
・ミニストップ(コンビニ)
・LCCエックスモバイル(携帯店)

外食業…ハンバーガーチェーン、ラーメン店、そばうどん店、牛丼店、アイスクリーム店、喫茶店、各種レストランなど
代表的・人気のフランチャイズブランド
・ほっともっと(弁当店)
・ラーメン一竜(ラーメン店)
・コメダ珈琲店(喫茶店)
・焼肉ライク(レストラン)
・ヨゴリーノカフェ(ジェラート店)

サービス業…美容、クリーニング、リフォーム、不動産、DPEショップ、学習塾、レンタル、学習塾、印刷、ビルメンテナンス、修理、介護など
代表的・人気のフランチャイズブランド
・トータルリペア(カービジネス)
・ライフデリ(配食サービス)
・助成金紹介事業
・ベアーズ(家事代行)
・マッサージKEiROW(医療マッサージ)

フランチャイズで失敗しやすい人とその理由とは?

ビジネスモデルが確立されているフランチャイズの経営でも、失敗する可能性はもちろんあります。フランチャイズビジネスで失敗、つまり赤字基調となる確率は、国民生活金融公庫総合研究所による「勤務経験のない業種での開業者に関する調査」のデータによると、全体の約3割といわれています。

その原因にはさまざまな理由がありますが、失敗しないための大前提として、サラリーマン的な「雇われマインド」を変えることが重要となってきます。フランチャイズ本部は事業のための成功ノウハウやアドバイスは提供してくれますが、パートナーとして関わるだけです。教えてもらったことをどのように活かして、売上を伸ばしていくのかは、オーナー次第となります。本部に過度に依存せず、相談しながら主体的な経営を行うことが大切です。

参考記事:起業に失敗する人の特徴とは?原因と対策について解説!

フランチャイズで失敗する理由

1:経営指導・支援が少ないフランチャイズを選択してしまう

フランチャイズ契約を結ぶと、本部からはその事業に関するノウハウやシステム等の指導、新店舗としての宣伝や諸々のサポートが受けられます。しかし、それらが非常に希薄なフランチャイズ本部も残念ながら存在するのです。契約後にそのことに気づいては後の祭りです。契約書を交わす前に、本部はあなたの事業をどのくらい支援してくれるのか、トラブルが起きたときに相談ができるのかなどのサポート状況をしっかりと確認することが大切です。

2:ロイヤリティを含め、必要経費の見積もりが甘い

フランチャイズ契約で必要となってくる費用には、開業資金や加盟料、毎月の運転資金(本部へのロイヤリティ、保証金、光熱費、テナント代、集客のための宣伝費、人件費)、利益が出るまでの生活費などがあります。ビジネスが軌道に乗るまでにかかる必要経費の見積もりが甘く、途中で資金不足となり、失敗してしまうケースは非常に多いです。経済産業省の「我が国のフランチャイズの現状」によると、自己資金は一般的に500~4000万の範囲になるとされていますが、実際に開業してみると資金不足を感じることもあるかもしれません。開業前に必要な資金を専門家に確認し、余裕を持った資金計画を立てることが必要です。

3:フランチャイズ本部と相性があわない

独立で開業するとはいえ、フランチャイズの場合はその事業本部とのやり取りが欠かせません。ノウハウを学ぶことから始まり、トラブルが起きたときの対処法や売上の伸ばし方、集客の仕方など、相談や話し合いをすることも多々あります。しかし、その本部と相性が合わない場合、コミュニケーションが取りづらいといった精神面での苦痛はもちろんですが、売上への影響が出ることもあり、最悪の場合契約解除に至ることもあります。本部とのやり取りで不安や違和感がないかなど、契約書を交わす前に納得いくまでしっかりと確認することが大切です。

4:自己流で経営をする

独立開業した際に「やっと自分の城を持った、自由にできる!」と開業を喜ぶ人も多いかと思いますが、フランチャイズにおいては、本部の助言を聞かず自己流で経営を進めすぎたことで、売上が伸びずに経営が悪化してしまうという場合もあります。特に、経験や知見がある業界を選んだ人は自己流になりすぎないよう慎重に事業を進めましょう。成功ノウハウを提供してくれる本部やスーパーバイザーからのアドバイスをしっかりと受け止め、経営に役立てるよう工夫していくことが大切です。

5:宣伝を怠る

フランチャイズであれば、本部が広告支援をしてくれることが多いです。しかし、その宣伝が、自分の店舗がある地域のすべての人々に届いているとは限りません。どの場所で、どんな業種の事業を起こすかによってもやり方の違いはありますが、本部からの広告だけをあてにすることは危険です。現代の宣伝においてSNSや口コミサイトなどは、集客には欠かせないツールとなっています。本部ともよく相談し、必要に応じてインターネットでの発信なども積極的にしていきましょう。

成功するフランチャイズ選びのポイント

フランチャイズで失敗しないためには、どのような業種を選べば良いのでしょうか。よく知っている業種やこれまでに経験したことのある業界であれば、リサーチや事前準備が比較的しやすいかもしれません。しかし、心機一転、未経験の業種に挑戦したい人もいることでしょう。フランチャイズを選ぶ際のポイントをご紹介します。

ポイント1:未経験でも参入しやすい業種を選ぶ

コンビニや飲食店は、未経験でも比較的参入しやすい業種といわれています。全国展開されているので認知度が高く、フランチャイズとしてのシステムも確立されているためです。本部がしっかりと支援してくれることも多く、未経験で開業しやすい環境が整っています。また、自己資金の面から小売業や外食業と比べ開業資金が安く平均540万円であるサービス業なども参入しやすい業種といえ、開業の候補とすると良いでしょう。

ポイント2:需要があり成長している業界を選ぶ

将来的にも安定した売上を見込むには、現在の時代背景や今後どんな業界が必要となってくるのかを見極めることがポイントです。日本においては少子高齢化が加速する現代において、介護業界、家事サポート業界の需要は今後も増えていくと予想されます。また、地球環境やリユースといった考え方から、リサイクル、リフォーム業界などの需要も高まっているといえるでしょう。
同じ業界であっても企業ブランドや開業する地域によって業績や需要度は変わってきます。大手のフランチャイズ紹介サイトなどで、気になる業種を確認し自分の住む地域の需要や相性などを検討してみるのもおすすめです。

フランチャイズの経営で失敗しないために必要なものとは?

商品のラインナップや広告など、完全に自由な経営とはいえないフランチャイズですが、すでに成功している事業のノウハウを駆使してビジネスを展開できるという大きなメリットがあります。独立を考える人にとって魅力的な起業方法といえます。せっかくの独立開業が失敗に終わらないよう、この記事で述べているポイントを抑えてフランチャイズでの起業も検討してみましょう。

参考記事:フランチャイズ開業に必要な資金とは?内訳や集め方を紹介!

この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント

○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。

○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。

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