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店舗総合保険っていくらかかる?保険料の相場や加入方法とは?

店舗総合保険っていくらかかる?保険料の相場や加入方法とは?

「店舗の保険」と聞くと、災害や火災などが発生した時に補填してくれるものだと想像してしまいがちですが、「食中毒を起こしてしまった」、「お客様のコートを紛失してしまった」など、店舗経営をしていれば起きてしまうであろう、さまざまなリスクに対応しているのが店舗型保険なのです。
どんな保険の種類があるのか、どんな場合に適用されるのか、失敗しない保険の選び方などを保険のプロにお聞きしました。
4回にわたって、店舗型保険について解説していきます。

保険料は売上金額と補償額で決まる

お店を始めたいという方が一番気にされるのは、保険料がいくらか、だと思います。弊社への相談内容もそれが一番多いですね。基本的に保険料は、次のふたつの要素で決まります。まずは対象となるそれぞれのお店、会社の売上金額がひとつ目の要素です。売上の規模が大きければ大きいほど事業規模が大きくなり、それによって第三者との関わり合いが広がるため、リスクも高まりますから、それだけ保険料は上がります。ふたつ目は、発生した損害をいくらまで補償するか、です。PL保険は被害者への見舞金等の費用を特約(オプション)でつけることができるのですが、このような特約はつけても保険料はそんなに大きく変わることはないと思います。

保険料の目安は売上の0.3%

実は今、事業用損害保険の契約の仕方も変わりつつあって、「この保険とこの保険に入る」というように、それぞれのリスクに対応するものを個別契約するスタイルから、広い範囲をカバーするオールリスクのものを契約する形に変化しつつあるんです。保険料の目安はだいたい売上の0.3%程度と言われていますので、過大な負担にはならないことが多いと思います。最近では、個人で飲食店を経営していて、保険に入っていない方は多いかもしれません。会社員だったら社会保障があるので、自分が休んでも有給休暇を使うなどして、最低限のお給料をもらえたりします。しかし飲食店の個人経営者は、保険に未加入の場合、こういったセーフティネットがない。そこはやはり、リスクとして捉えるべきだと思います。今はSNSの時代で、何か店で良くないことがあるとあっという間に情報が広まってしまうこともありますし、状況を元に戻すのに想像以上の時間がかかってしまう場合もあります。こんな話もあるんです。例えばバイキングとかでお客様同士がぶつかって洋服が汚れた。これってお店の責任ではないですよね。ところが“混んでるのに誘導しないお店が悪い”と言われたり。物は言いようなのですが、リスクはいろんなところに潜んでいることを理解しておいていただきたいです。

実は無駄な保険料もある

飲食店を経営されている方にとって身近な保険は、貸店舗などで不動産屋さん経由で契約する火災・家財保険だと思います。不動産屋で契約して、実際にお店を開くときに、また別の火災保険に個人で加入したとして、いざ、火災が発生したとします。この場合、両方から保険金が出るわけではないんです。どちらかは無駄な保険料になるので、気をつけたほうがいいですね。もし、火災保険もついているオールリスクのものに加入する場合は不動産屋さんに、「火災保険はこちらで入りますので不要です」と言ってOKの返事をもらえればそれで大丈夫です。ですが、不動産屋さんが勧める火災保険にはちょっと説明が必要で……たとえば外部が火元だった場合……分かりやすい例は放火ですね、これは大家さんが直さないといけません。そういう場合は、大家さんが加入している保険が発動します。逆に、テナントとして入居している場合に自分の不始末でお店から火を出してしまった場合、借家人賠償責任というものが発生しますので、そこをカバーしてくれる保険に入っておく必要があります。賃貸物件の基本的な責任は大家さんにあるんですが、借家人の火の不始末などは、これは借家人賠償の範囲なんです。持ち家などだったら火災保険の適用になるんですが、テナントとして入っているお店に自己責任による火災があった場合、火災保険ではなく、借家賠償責任をカバーする保険が適用となるんです。

「ない袖は振れない」損害賠償事情

2016年12月に新潟の糸魚川で、飲食店からの出火が原因の大火災がありましたが(新潟・糸魚川大火災)、飲食業にとって火災は本当に大きなリスクですよね。たとえば他店舗からの火が燃え移って火事になった場合、大家さんの不動産としての、場所としてのお店には火災保険で補償がされるんですが、休業損害までは補償はされません。もちろん、火を出した相手側に損害賠償請求することはできますが、相手がお金を持ってなかったら取れません。実は裁判って、そういうことが非常に多いんです。勝訴判決が出たとしても、どうやって実際にお金を払ってもらうのか? 結局お金を確保する手段がなければ、どうすることもできないので、自衛手段としてやはり保険は必要ですね。お店が焼失するならまだしも、それがもし自宅兼店舗だったりしたら、本当に厳しいものがありますから。ちなみに糸魚川市大規模火災は……火を出してしまった側の保険金は出ない可能性があります。商店街どころじゃなく、被害はその周辺の民家も含めて147棟、40000平方メートルにわたって発生したものですが、もともとは商店街にあった中華料理店の店主が、コンロに火をかけたまま外出してしまい、お店に引火してしまった。それが火元だと言われています。こういったあり得ないミスによる災害は保険の対象にならない可能性があります。もちろん、あれほどの規模の大火災になったのは風の影響などもあるんですが、元をただせば、コンロに火をかけたまま出かけるという、店主のあってはいけないレベルのミスが原因です。被害への補償はもちろん請求はできるんですが、おそらく出火元の中華料理屋さんにその財力はないはずです。出所にお金がない場合は、払ってもらえません。繰り返しになるのですが、自分の保険でそこをカバーする。それが自衛手段となります。

お話を聞いた方:ファミリーコンサルティング株式会社 堀川綾実さん(ファイナンシャルプランナー/相続診断士)、出岡大作さん(住宅ローンアドバイザー/相続診断士/行政書士資格)
ファミリーコンサルティング株式会社:「お金の問題を何でも解決できる場」としてライフプランニングシミュレーション、住宅ローンアドバイス、相続・エンディングコンサルタント、保険シミュレーション&コンサルティング、資産運用コンサルティングなどのサービスを提供。

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