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テイクアウト専門店は許可が必要?…抑えるべきメリット・デメリット9点|テイクアウト専門店の開業[人気記事]

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2020年、新型コロナウイルスの感染防止による緊急事態宣言、自粛要請の影響で、消費者のニーズが一気に高まった飲食の「テイクアウト」。

飲食のテイクアウトは、実は、2019年10月から開始された「軽減税率」によって市場が広がる…と考えられていました。
消費税率を10%に引き上げるにあたって、低所得者対策として、食料品やなどは軽減税率の対象となり、税率が8%のまま据え置かれています。

ですが、今となっては、税率による優遇よりも自粛による需要によって広まった…という方が正しいでしょう。

そして、現在、テイクアウト専門店の開業などを検討する人も増えているようです。
ここでは、最速でテイクアウト専門店を開業する方法やテイクアウト専門店のメリット、デメリット、さらにはテイクアウト専門店を開業する上で、知っておかなければならない制度、2020年7月1日からスタートするプラスチック製買い物袋の有料化についても解説していきます。

まずは、テイクアウト専門店の出店方法を知る

テイクアウト専門店の種類として
・自宅を一部を利用
・移動販売
・店内飲食店などの営業時間外を借りる
などの方法があります。

テイクアウトとは言え、商品を売るための場所は必要です。
デリバリーの場合、キッチンのみで開業することも可能ですが、その場合は「注文を受ける」「配達をする」などのインフラを別途準備する必要がります。
その点でテイクアウトは、店内飲食ができる店ほどの大きな規模の場所が必要なことはなく、「売り口」があれば成立する商売です。

テイクアウト専門店のメリット

テイクアウト専門店は大きな店舗を構えて営業する飲食店と比べて、初期費用が抑えられるのがメリット。
また、大規模店舗にはないテイクアウト専門だからこそのメリットは他にもたくさんあります。

省スペースで開業できる

一般的な飲食店は、厨房よりも広い客席スペースを確保するため、それなりの空間が必要です。
一方、テイクアウト専門の場合は、お客様用の椅子やテーブルといったイートインスペースを確保する必要がありません。
最低限、厨房、レジカウンターがあれば開業が可能です。
お客様が待つスペースを確保できればさらに良いでしょう。

移動販売という業態も可能

決まった場所を持たず、キッチンカーで移動販売をする方法も、テイクアウト専門店ならではの方法です。
移動販売車は店舗を構える場合に比べてみると、家賃が発生しないというのがまず大きな利点です。
また、移動が可能なことから売上が立地条件も関係ありません。
スーパーマーケットやオフィス街など販売許可がとれれば、どこでも出店することが可能です。
例えばスーパーマーケットであれば許可をいただいた店舗に来店した方がそのままお客様となるため、一から宣伝して集客する必要はありません。
すでに常連客のいる場所を土台として営業できるので、その場所で信頼を勝ち取れれば、即こちらの常連客にもなってもらえる可能性があります。
移動販売車はすでに設備改造してある中古車を安価で入手する方法から、商品に合わせたオーダーメイドまで様々です。

少人数で運営できる

テイクアウトなので、お客様のご案内、注文受け、料理を運ぶ、片づけるといった一連の接客サービスがいりません。
そのため、少人数で運営でき、人件費が抑えられるというメリットがあります。
一般的な飲食店では、週末やランチタイムなど忙しい時間帯と暇な時間帯があるように、時間に対しての売上率にばらつきがあります。
無駄な人件費は、店舗経営に大きな負担となります。
「いかに少ない人件費で売上げを伸ばし経営するか」は廃業しないための大事なポイント。
また少人数経営の良さは、アイディアが即現場に反映されやすく、良いも悪いもすぐ結果を伴って実感できることから、経営していく面白さを味わうことができます。

光熱費が安くすむ

厨房さえ確保できれば、営業できるとまで言われるテイクアウト専門店。
客席部分がないということは、その分の光熱費がカットできます。
特に夏場と冬場の客席部分の光熱費は馬鹿になりません。
店舗が小さいメリットのひとつに、月々のランニングコストを最小限に抑えられる点もあげられます。

効率良く運営できる

カウンターやテーブルがないということは、店に入ることができるお客様の定員が決まってないということを意味しています。通常、飲食店を運営する場合は、店に設置されている座席数が定員になるため、回転効率をいかに上げるかを考える必要があります。
しかし、テイクアウト専門店は客席がないため、定員という概念がありません。そのため、満席であることを理由にせっかく来店したお客さんを逃してしまうことがなくなるため、効率良く運営できるのが大きなメリットと言えるでしょう。

テイクアウト専門店のデメリット

初期費用を抑えて開業までたどり着いたものの、すぐに廃業してしまっては元も子もありません。
リスクを回避するためにも、デメリットを把握しておくことも大切です。

単価が安い

日常に密着した販売方式だからこそ、価格帯も庶民価格が相場となっています。
いきなり2000円のお弁当をテイクアウトする人はどれだけいるでしょうか。
お持ち帰りには、手軽にお安くお得に!といった「利便性」と「コスパ」が求められる傾向が強いといえます。
最近では、「オーガニック」をキーワードにしたカフェやタイ料理やベトナム料理といった「エスニック」メニューなど、「企画力」と「個性」で勝負している店が人気です。
値段と手にした商品との間で、どれだけ満足していただけるか。
オンリーワンの売りを意識したメニュー構成が店舗を長く続けていける秘訣といえます。

メニューが限定される

客席がないということは、作り立てをお出ししても、いつ食べるかはお客様のご都合次第ということになります。
つまり、時間が経って味が落ちてしまう商品は、テイクアウトには不向きということになります。
例えば、伸びてしまう麺類や、生もの、乾燥に弱いものなど。
ただし、公園や海などその場ですぐ食べられる場所が近くにあるなら、今挙げた不向きな商品、例えばアイスクリームなどを提供することも可能です。

備品代がかかる

テイクアウトの際に使う容器や割り箸、スプーンといった備品は意外とコストがかかるため、利益率が低くなることがデメリットです。
備品代を含めて値段設定を考える必要がありますが、消費者側の視点では、パッケージやカラトリーにお金がかかっていることは忘れられがち。
それだけに、値段に対しての満足度をどう表現するかが大切になってきます。

よりシビアに判断されてしまう

お店に寄るにはどのような理由が考えられるでしょうか?例えば、食べ物がおいしい、店の雰囲気が良い、雨宿りや時間つぶし、落ち着いて話せる場所を求めていたなど、それぞれに理由があります。
しかし、テイクアウト専門店の場合には、上記の理由にどれだけ該当しているでしょうか?テイクアウト専門で勝負するということは、お店に寄る理由のほとんどが失われてしまい、食べ物がおいしいという味の勝負一択になってしまいます。
そのため、テイクアウト専門店だからという理由で気軽に始めるのではなく、味とコスパと利便性で勝負していかなくてはならないため、しっかりと経営を行っていく必要があると言えるでしょう。

テイクアウト専門店に必要な許可とは?

いざ、テイクアウト専門店を開業する場合、通常の飲食店と同じで、保健所からの営業許可と食品衛生責任者資格が必要です。
これは地域の保健所に申請をし、基準に合格すれば営業許可をもらえます。
食品衛生責任者資格は、講習を受ければ特別な試験などはなく資格をもらえます。
また、パンやお菓子などを扱う場合は、別に「菓子製造業の営業許可」が必要ですので注意してください。
移動販売車の場合は、事前にキッチンカーの設備検査や申請書類提出など所定の手続きを経て許可証が発行されます。
地域ごとに許可が必要な場合もありますので、管轄の保健所で担当者とよく相談しましょう。

要チェック! 全国でレジ袋の有料化がスタート!

テイクアウト専門店を開業する上で、知っておかなければならない制度があります。

2020年7月1日よりスタートとなった制度で、その内容は「レジ袋の有料化」。テイクアウト販売を行わない飲食店にとっては関係性の低い制度ですが、テイクアウト専門店を開業する、開業したいと考えている方にとっては必ず押さえておきたい新しい制度です。

対象となるのは、プラスチック製買い物袋を扱う小売業を営む全ての事業者。そこにはもちろんテイクアウト専門店も含まれます。

有料化の対象となるのは、持ち手のついたプラスチック製レジ袋で、持ち手のないビニール袋や環境性能が認められ、その旨の表示があるレジ袋については対象外となります。

【対象外となるプラスチック製レジ袋】
・プラスチックのフィルムの厚さが50マイクロメートル以上のもの
・海洋生分解性プラスチックの配合率が100%のもの
・バイオマス素材の配合率が25%以上のもの

価格は意外にも事業者自ら設定することができるのは嬉しいが、1枚当たりの価格が1円未満になるような価格設定は有料化に当たらない等、少し細かい規定があるので、注意が必要。
詳細は国土交通省のサイトを確認してください。

テイクアウト専門店を最速で開業するには?

テイクアウトの専門店とはいえ開業に必要な手続きは一般の飲食店と同じです。
テイクアウト専門店だけに、「なるべく早く開業したい」と考える人も多いようですが、手続きに掛かる時間は短くはなりません。
しかし、すでに食品衛生責任者資格や許可を持っていれば、店舗物件を探したり内装工事をしたりする期間が無くなりますので、極端なことを言えば、売るモノと売る準備さえ整えば数日で開業することも可能なのです。

しかし、ここは、ビジネスであること鑑みましょう。
テイクアウト専門店を開業することと、そこから売上が上がることは別の話し。
売上が無ければ、テイクアウト専門店と言えど経費はかさみます。
きちんと売上などの計画を立ててから開業するのが賢明だと言えるでしょう。

テイクアウト専門店開業のチャンス!

新型コロナウイルスの感染防止による緊急事態宣言、自粛要請の影響で多くの消費者は、飲食商品を店内で食べず「持ち帰る」という選択をしています。
実際、大手チェーン店などは、店内飲食の売上落ち込みを補うために、テイクアウト専用クーポンを連発するなど、テイクアウトに商機を見出すビジネス戦略も見受けられます。

これから開業を考えている人も、すでにお店を経営している人も、提供しているメニューを、テイクアウトにスピンオフできないか?…と検討してみるのがトレンドです。
ファストフード、ファストカジュアル店の多くがテイクアウトメニューを持っていることを鑑みれば、私たちが日常的に食べている食品の多くはテイクアウトできることが分かります。
また、飲食のテイクアウトは、宣伝やスキーム次第では客単価の向上につながります。
お店のメニューから、例えばケータリングサービスのような、高単価商品もできるかどうか検討してみましょう。

この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント

○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。

○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。

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