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意外に思われるかもしれませんが、カフェや飲食店の開業に調理師免許は必要ありません。
しかしながら、開業には店舗の営業許可申請を行うための資格が必要です。
主に、「食品衛生責任者」と「防火管理責任者」の2つです。
この2つの資格を取得していればカフェのオープンは可能です。調理師免許を取得する必要もありません。
この記事では、カフェの開業に必要な「免許」や「手続き」を紹介しますので、開業される際にお役立てください。
関連記事 カフェを開業・経営するために必要な資金はいくら?必要な資格や成功のポイントも解説カフェや喫茶店など飲食店の開業に必要な免許は2つ!取得するための金額は?いくら必要?
食品衛生責任者
食品を取り扱う店舗では必ず「食品衛生責任者」が1人以上在籍している必要があります。
これは管轄の保健所で定期的に実施される講習とテストに合格することで取得が可能です。
講習は1日で終了し、費用は1万円程度です。
ほぼ毎月開催されていますが、受講者が多いので、直前に申し込むと定員オーバーで受講できない可能性もあります。申請が遅れてオープンに間に合わない……なんてことが起きないように、余裕をもって1カ月ほど前を目安に申し込んでおきましょう。
なお、調理師免許を所持している場合は、講習とテストが免除されます。
また、医学、歯学、獣医学、畜産学、水産学、農芸化学などの大学と専門学校、またそれ以外で養成施設として認められた大学で、所定の単位を取得した人も免除されることがあります。
該当しているかどうかあやふやな場合は、大学に問い合わせてみましょう。防火管理責任者
カフェの開業に限った話ではありませんが、飲食店では店舗の収容人数が従業員を含め30人を超える場合は、「防火管理者」を少なくとも1人選定する必要があります。
店舗の延床面積が300平米以上の場合は「甲種防火管理者」、300平米未満の場合は「乙種防火管理者」と呼ばれています。
これらの資格は、店舗所在地を管轄する消防署で開かれる講習を受けることで取得できます。
講習期間は通常、甲種は2日、乙種は1日で、受講費はテキスト代として3,000~5,000円程度です。食品衛生責任者、防火管理責任者はどういった資格なのか?
食品衛生責任者
食品衛生責任者とは、店舗において食中毒や食品衛生法の違反が起きないように管理・運営をする人のこと。
具体的な業務は、店舗の設備や食品の管理状態(加熱温度や保管場所など)を点検し、不十分と判断されるような場合には、オーナーに改善をするように提言する役割を果たします。
また、調理や販売をする際にも不衛生にならないよう、スタッフに必要な教育をします。
たとえば、調理前やトイレの後などの十分な手洗い、トイレや作業場の清掃の徹底、冷蔵庫の温度チェックなども含まれます。体調不良のスタッフを働かせていないことも、衛生状態を保つには必要です。
チェック項目の一覧表などを作ってスタッフに任せることもできますが、きちんと実施されているかどうかの管理や指導には責任を持たなければなりません。
また、そうした判断の基準となる食品衛生法は、改定されたり撤廃されたりすることがあるので、食品衛生責任者は講習会を定期的に受講するなどして情報を常にアップデートし、違反していないかどうかに気を配る必要があります。
防火管理責任者
防火管理者は、火災の発生の予防と火災が起きたときの対策をたてて、中心となって実践していく人のことです。防火管理に関する知識を持って、火災を防ぐために率先して取り組む責任感、組織を動かす行動力や指導力が必要とされます。
防火管理を行ううえで必要な経費を支出したり、スタッフの火災訓練への参加を決定できたりする立場でなければなりません。カフェなら店長などが該当します。また、店舗のオーナーは管理権原者と呼ばれ、資格を持っているスタッフの中から防火管理者を選任し、防火管理上必要な業務を行います。
管理権原者が防火管理者の資格を持っていて、管理権原者の業務と防火管理業務の両方を行うことができるのであれば、自分を防火管理者として選任することもできます。
カフェや飲食店営業に必要な許可申請の方法
カフェや喫茶店など開業する飲食店の営業形態に合った、申請すべき許可の種類、それらの注意点について紹介します。
「食品営業許可申請」は必須
「食品営業許可申請」はどのような形態のカフェでも、食品を扱う場合は必ず申請を行います。
カフェを開店する所在地を管轄する保健所へ、食品衛生責任者の資格証明書や店舗の図面などを提出し、保健所職員による実地調査を受けます。作成が難しい書類や資料が多いため、専門家に依頼するとスムーズです。
テイクアウトメニューがある場合「製造業」の許可申請が必要
パンやアイスクリーム、ベーコンなど、店舗で調理していない食品でテイクアウト(お持ち帰り)のみのメニューとして提供できるようにするためには、「各食品の製造業」許可申請が必要です。
また、店内で提供したメニューをお客様が食べきれずに持ち帰る場合は、「各食品の製造業」の申請は必要なく、「食品営業許可申請」があればOKです。
あくまで「テイクアウト」のみの提供の場合に「各食品の製造業」許可申請が必要です。深夜にバー形式などでお酒を出す場合は「深夜酒類提供飲食店営業届」
昼時はカフェ、夜はバーとして営業する場合は、「深夜酒類提供飲食店営業届」が必要になることがあります。
午前0時過ぎから日の出までの「深夜帯」とされる時間帯に、アルコールをメインとするメニューを提供する場合に必要な許可です。
夜間にアルコールを提供していても、深夜0時以降にアルコールを提供しない場合は、申請の必要はありません。飲食店開業に必要な手続き6点
飲食店の営業に関しては、そのほかにもさまざまな手続きが必要です。
これまで見てきたものを含め、開業に必要な申請を、届け出を提出する場所に分けてまとめてみました。1)保健所
最も基本となる「食品営業許可申請」は、店舗完成の10日ほど前までに出すようにしましょう。
立ち入り調査が必要なので、遅くなってしまうとオープンがずれ込んでしまう可能性があります。2)消防署
「防火管理者選任届」は、オープン日まで申請することが条件です。また、建物や建物の一部を新たに使用し始める場合は、「防火対象設備使用開始届」を使用開始7日前までに届け出ます。
内装業者がやってくれるケースが多いようですが、届出が必要かどうか、所轄の消防署に問い合わせてみましょう。
「火を使用する設備等の設置届」は、火を使用する設備を設置する店舗が該当。
カフェなら必要となるところが多いでしょう。
設備設置前までに届け出るようにしてください。3)税務署
「個人事業の開廃業等届出書」は、個人で店を経営する場合に必要で、 オープンから1カ月以内に提出します。
4)労働基準監督署
スタッフを雇う場合は「労災保険」の加入手続きが必要。 雇用日の翌日から10日以内に行いましょう。
5)公共職業安定所
スタッフを雇う場合にもう一つ必要なのが「雇用保険」。
雇用日の翌日から10日以内に加入手続きをします。6)社会保険事務所
店の名義を法人にした場合は「社会保険」に必ず加入しなければなりません。
個人の場合は任意ですが、できるだけ速く加入するようにしましょう。まとめ: カフェ開業は基本「書類手続き」の繰り返し
カフェのようないわゆる軽食程度の飲食を提供するお店は、重飲食と呼ばれる飲食店と違って、比較的容易に開業することができます。
また、最近では、自宅の一部や元ガレージ、オフィス向け物件などでもカフェを開業する人も多くなっています。
開業まではほぼ書類手続きの繰り返しで、特に難しいことはありません。
不備が出ないようにきちんとスケジュールを管理して進めていけばよく、特別なスキルなどは必要ないのです。なので、カフェ開業が未経験の方も上記を抑えておけば開業が可能です。
だからと言って、「開業 = お店をオープン」することと、「経営」していくことは別の話しですので注意が必要です。
開業の準備期間は、手続きは粛々と進め、経営の知識をインプットすることや経営戦略、マーケテイングなどに時間をかけた方がよいでしょう。
【カフェ】の開業方法はこちら≫「カフェを開業するには?開業資金や準備、繁盛するための対策とは?」
この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント
○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。
○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。- NEW最新記事
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