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台風が来るとコロッケが売れる?メディアが取り上げる「都市伝説的メニュー」を考察してみる

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なぜだかよく分からないけれど、多くの人に広まっている噂を「都市伝説」といいますが、ネット上にあふれる「都市伝説」をうまく利用できれば、売り上げアップにつながるかもしれません。近年、スーパーのお惣菜コーナーの売上げをアップさせている「台風コロッケ」の成功例から、「都市伝説的メニュー」を考えてみましょう。

台風が来るとコロッケが売れる「台風コロッケ」って何?

「台風コロッケ」のはじまりは、2001年の夏にまでさかのぼります。2ちゃんねるの台風実況スレッドで、あるネット民が「念のため、コロッケを16個買ってきました。もう3個食べてしまいました」と書き込んだところ、「コロッケが食べたくなってきた」という人が続出。それ以後、ネットの中では「台風にはコロッケ」というのが新しい習慣となりました。たしかに、台風という非常時に備える食品として、腹持ちがよく冷めてもおいしいコロッケはうってつけ。誕生日にはケーキ、クリスマスにはチキンなどと同じく、台風コロッケは「特別な日に食べるもの」のポジションを獲得したようです。
台風が近づくと、ツイッターには「コロッケを買ってきた」などのつぶやきや、「コロッケの画像」がアップされ、さらに拡散。コロッケを売るお店も「台風の日にコロッケが完売する」という現象に気付きはじめました。そして、2017年に新たな展開を迎えたのです。

「台風コロッケ」にみる都市伝説メニューを考える

2017年、大手スーパーの「イオン」が「台風コロッケ」に便乗。台風の進路にあたる一部の店舗で、コロッケを通常の1.5倍に増やして販売すると発表しました。大量のコロッケの横に「台風接近中」のPOPを掲げて売り出し、好調な売り上げを記録。ネットの中だけの習慣が、現実社会に反映されたのです。購入した主婦やシニア層の中には「台風コロッケ」を知らない人も大勢いたに違いありませんが、「台風にコロッケもいいものだ」と思ったはず。そして、今後はさらに多くのスーパーやコンビニが「台風コロッケ」を売り出すことでしょう。そして、より多くの人が台風の日にコロッケを食べる経験を重ねていくことで、ネット上の都市伝説的メニューにすぎなかった「台風コロッケ」が、日本のスタンダードな習慣になるのかもしれません。実はこの流れは「土用の丑の日のうなぎ」の由来とそっくりにも思えるのです。江戸時代、知り合いのうなぎ屋から「夏にうなぎが売れない」と相談された蘭学者の平賀源内が、うなぎ屋の店先に「本日、土用の丑の日」と看板を出させたところ、客が殺到。他の店も真似をするようになり、いつしか「土用の丑の日のうなぎ」が定着したといいます。もはや常識だと受け入れられていることも、きっかけは口コミや噂、つまり「都市伝説」かもしれません。

「納豆は何にでも合う」は、もはや常識?

「台風コロッケ」とは少し意味合いが違いますが、身近な食材の「納豆」も、いつしか都市伝説的メニューが定番メニューへと変化したケースといえるでしょう。例えば、「納豆カレー」。今では多くのカレー店がトッピングの一品として当たり前のように提供している「納豆」ですが、カレーに納豆を入れた、最初の人がいるはずです。「カレーに納豆、意外に美味しい」という噂が口コミで広がり、多くの人が「カレーに納豆は合う!」と経験したことで、今のような定番のトッピングへと昇格したではないかと推測されます。また、「納豆には白いご飯」という日本人の常識が覆されたことで、さまざまなメニューが登場しました。居酒屋の定番「納豆オムレツ」。餃子店の変化球「納豆餃子」、パスタ専門店の「納豆パスタ」。どれも、今ではすっかりお馴染みのメニューです。納豆は何にでも合うは、もはや常識。新たな納豆メニューを考案するのは、そう難しくないのでは?

「キムチは何にでも合う」は、もはや常識?

「納豆」に負けず、多くのメニューと相性がいいのが「キムチ」です。既存のメニューに「ちょい足し」するだけで、個性あふれる一品に変化するのがキムチ・マジック!
トッピングのバリエーションに、うってつけです。ラーメン、カレーのトッピングにキムチは、もはや常識。発酵食品のキムチはチーズとの相性も抜群ですから、居酒屋ならキムチピザやキムチのクリームチーズ和えなどはいかがでしょう。話題性を狙うなら、デザートにキムチ!キムチアイスやキムチクレープはトンデモかと思いきや、ちゃんと美味しいのがキムチのポテンシャルの高さです。

「パクチーは、食べられる人は何にでも合わせている」は、もはや常識?

近年、ブームとなっている「パクチー」。日本では「カメムシ草」なんて、ちょっとどうかと思う俗名がついているパクチーですが、あの独特の香りで、好き嫌いが大きく分かれる食材です。ところが、パクチ―にハマった「パクチスト」たちは、パクチーさえあれば幸せ。何にでもパクチーを合わせます。ラーメンや焼きそばの上にもパクチーをこれでもか!というほどどっさり載せます。またタイ料理などのエスニック料理に使われるパクチーも日本では国境を超えて、グラタンやミネストローネなど洋風メニューに入っていたり、中華では「パクチ―餃子」なるメニューも登場。生のパクチーがどっさり入ったお酒「パクチーモヒート」まであって、もはや何でもありのカオス状態なのです。そういえばパクチー専門店も人気で店のお通しはパクチー食べ放題。パクチーであれば何でも構わない。パクチスト達を無我夢中にさせる、それほどまでに中毒性の高い食材なのです。

「コーヒーもアレンジあり」はもはや常識。

ほろ苦いコーヒーの上にふわふわのホイップクリームがたっぷりと乗った「ウィンナーコーヒー」。ウィンナー風のコーヒーという意味ですが、実は、ウィーンに「ウィンナーコーヒー」は存在しません。ウィーンには、エスプレッソの上にスチームミルクを乗せた「メランジェ」というコーヒーがありますが、「ウィンナーコーヒー」とは呼ばれていないのです。喫茶店の定番「ウィンナーコーヒー」も、どこかの店が初めて、定番化した「都市伝説的メニュー」なのでしょう。カカオが香るコーヒーの「モカジャバ」も、実は日本のオリジナル。インドネシアのジャワ島がカカオの産地だったことにちなんで名づけられたと言われています。コーヒーにミルク、チョコレートとカカオリキュールを加えた「モカジャバ」は、ほっとする甘さとカカオの香りにうっとり。カカオリキュールが入っていますが、アルコール度数は低いのでお酒が苦手な人も楽しめます。ひと手間加えたアレンジコーヒーは、まだまだあります。深煎りのコーヒーにマシュマロを乗せた「マシュマロコーヒー」は、とろりと溶けた甘~いマシュマロにほっこり。コーヒーにスチームミルクと、オレンジリキュールを加え、レモンの皮をトッピングした「カフェバレンンシア」は、スペインのバレンシア地方で飲まれているコーヒーです。
どれもひと手間かけるだけ。新メニューに加えてみてはいかがでしょう。

この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント

○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。

○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。

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