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新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)による影響を受け、飲食店事業者が助成金・補助金制度を活用する動きが広がっています。
返済義務が生じる融資に対し、助成金・補助金は原則返済義務がありません。融資との違いやメリット・デメリットなど、助成金・補助金制度を活用するための基本を解説します。まずは、助成金・補助金の基本をおさえる
自己資金・融資と同様に検討したいのが「助成金・補助金」という制度。
簡単に説明すると「返済する必要がないお金」です。
助成金・補助金は、国の政策目標上、起業家の活性化や促進を図るべく設けられている、公的な資金援助制度です。
助成金は条件を満たしている事業であれば申請可能で、受けられる可能性も高いです。
補助金は高倍率で審査により受領の可否があり、交付の難易度や申請の手間、もらえる金額の幅などに違いがあります。
いかに社会に必要であるのかをアピールします。
ちなみに、補助金は受付期間があり、その期間外は応募することもできないので注意が必要です。ただし、以後一定の収益となる場合には返還義務が生じる場合もあります
助成金・補助金の受給までの手順
助成金・補助金を受けるためには、おおよそ内容が分かっていなければなりません。
助成金・補助金の受給までの手順をまとめます。
(この手順でない場合もあります)1.情報収集
インターネットや専門家への相談により、自分の事業に合った助成金・補助金の情報を探します。
2.申請
申請したい助成金・補助金の募集要項・申請書をダウンロードし、必要事項の記入後、各事務局に提出します。
3.決定
選定結果を受け取り、助成金・補助金の交付が決定したら、交付申請書を各事務局に提出します。
4.交付決定通知受取り
助成金・補助金の活用については、事務局のチェックを受けるケースもあります。
5.資料保管
助成金・補助金の対象となる領収書や証拠書類は、保管しておく必要もあります。
助成金のメリット
事業を行う際には資金が必要になるため、助成金を受け取ることができることは大きなメリットと言えます。
助成金を受けることによるメリットはどのようなものがあるのでしょうか?返済しなくていい
事業を行っていく上で資金が必要になった場合には、金融機関などから融資を受けるのが一般的です。
金融機関などの融資は、金融機関などが企業に対してあくまでも貸したものであるため、利子をつけて返済する必要があります。
しかし、助成金の多くは企業が納めている雇用保険料を財源としているため、返済不要です。
基本、助成金とは、労働者の失業予防や福利厚生の拡充など、労働者にとってより良い勤務環境を整えた企業に対して支給されるものです。
保険料を納めていて、支給条件を満たしている企業は、義務を果たすことによって助成金を申請する権利を有していることになるので、遠慮なく活用した方が良いと言えるでしょう。雑収入として扱われる
助成金を受け取ったということは、収入(売上)として計上することになりそうですが、助成金は雑収入として計上されます。
そのため、経常利益率10%の企業があって、助成金金額が40万円の場合には、受け取った金額が40万円であっても400万円の売上があったのと同様の価値があります。
助成金は雑収入として受け取っているため使用用途は企業の自由です。
事業拡大のための設備投資に回すほか、金融機関の融資返済に充当する、臨時ボーナスとして社員に支給する、社員教育に活用するなど、様々な使用用途が考えられるでしょう。労務環境の整備につながる
助成金を受ける際は、労務環境の整備が必須条件です。
そのため、助成金を受けることができたということは労務環境の整備が完了していて、支給条件を満たす水準になっていることを意味します。
労務環境を整えることによって、トラブル防止や法令順守などの企業存続のための体制がしっかりと整うため、安定した経営が期待できるようになるでしょう。企業の信頼度が上がる
助成金を受けることができたということは、国が定める労務環境の基準を満たした企業であることを意味しています。
つまり、労務環境が整っているということは、それだけ信頼できる企業であるため、金融機関から融資を受ける際にも審査に通りやすくなると言えるでしょう。助成金のデメリット
助成金には、返済する必要がない、雑収入として扱われる、労務環境の整備につながる、企業の信頼度が上がるといったメリットがありました。
一方、助成金を受けることによるデメリットは何があるのでしょうか?
助成金のデメリットについて見ていきましょう。簡単に廃止できない
助成金の中には、新しい制度を導入することによって支給されるものもあります。
制度を導入したことによって、助成金を受けることができた場合は、廃止したいと思っても簡単には廃止できません。
労務環境の整備といったように、助成金が支給される理由は企業にとってプラスになるものです。
それを廃止するということは労務環境を悪化させるものであると判断されてしまいます。
絶対に廃止できないわけではありませんが、不利益の程度、変更内容の相当性等を総合的に判断して妥当と判断されたケース以外は、廃止できないでしょう。受給まで時間がかかる
企業にとっては、返済不要の助成金は魅力的と言えます。
しかし、企業の中には返済不要という魅力を悪用して、不正受給を目論む企業もあります。
そうした事態を受けて、不正受給を防止するために、受給要件が従来よりも厳しいものに変更されました。
これまでは比較的条件を満たしていれば、すぐに助成金の支給を受けることができましたが、現在は受給するために専門知識が必要になっています。
そのような背景から、申請から受給まで時間がかかるようになっているという点がデメリットと言えるでしょう。期限内に手続きが必要
助成金は、いつでも申請できるというものではありません。
申請期限があらかじめ決められているため、1日でも遅れた場合には受給できなくなってしまいます。
しかし、先ほどもふれたように不正受給を防止する目的で書類審査が厳しくなっています。
申請期限までに必要書類を不備のない状態で提出を済ませておく必要があるため、手間がかかると言えるでしょう。コストが発生する場合がある
助成金の受給要件の中には、就業規則や労使協定の提出が必須条件というものもあります。
これらを整備するということは労働環境を整備することになるため、企業にとってプラスであると言えます。
しかし、就業規則や労使協定の作成や改定を行うとなると、自身ではしっかりとした内容のものを作成できないため、外部の専門家に依頼しなければならないケースも出てきます。
そうなると、助成金の受給を受けるためにコストが発生することになる点がデメリットと言えるでしょう。支給までに時間がかかる、と理解しておけば困らない!
これらは申請すればすぐに資金援助されるというわけではありません。
助成金は、基本的に早くても1~2ヵ月かかるものが多いのです。
また、書類の提出などにも手間がかかりますが、ひとつひとつの項目をクリアしていくことで事業計画自体の弱い箇所や強い箇所が明確になり、自分自身のビジネスに対し、理解が深まるというメリットもあります。この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント
○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。
○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。- NEW最新記事
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