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《第23回》ワンオペでもOK!飲食店の客単価アップ術24-外国人観光客の受け入れを始めてみよう【前編】

《第23回》ワンオペでもOK!飲食店の客単価アップ術24-外国人観光客の受け入れを始めてみよう【前編】_記事画像

愛嬌接客®専門家の木村氏による、飲食店向け接客コラム第23弾!

人手不足やコスト高により、ワンオペ経営の飲食店が増えてきている昨今。忙しい中でもちょっとした接客テクニックを取り入れることで、満足度の向上だけでなく客単価アップにもつなげることができます。
本コラムでは誰でもすぐに実践できるテクニックを全24回に分けて余すことなくご紹介!

第23回のコラムでは「外国人観光客の受け入れを始めてみよう」のテーマでお送りします。
インバウンド需要が高まり続ける昨今において、外国人観光客の受け入れが収益の柱となる場合があります。
このコラムでは、受け入れ時の不安を解消するテクニックをお伝えしていきます。

はじめに

近年、日本を訪れる外国人観光客は増え続けており、2026年の訪日外国人の見通しは、年間4,000万人超ペースと推計されています(JNTO速報値に基づく概算)。また、大都市だけでなく地方や住宅地にもその流れが広がっており、これまで「うちは田舎だから関係ない」「大きな店舗だけでしょ?」と思っていた飲食店でも、すでにインバウンド需要が生まれている可能性があります。
2023年のデータになりますが、訪日外国人が訪れた都道府県のランキングを見てみると、下位の県でも年間50,000人以上が訪れていますし、下位の6県以外は100,000人以上が来訪しています。

参考:
各都道府県のインバウンドランキング 国別の傾向も紹介(ELEMINIST)


ですが、常連さんが多い飲食店やワンオペで営業している店舗にとって、外国人観光客を取り込むことは負担に感じるかもしれません。確かに、以前は「都会だけ」「資金力のある企業だけ」が対応できていたことも事実です。しかし、2015年前後のブームから現在までは、受け入れに必要なシステムが安価で導入可能になっていたり、個人で使用できる便利なアプリも次々に誕生しています。さらに近年では手元のスマートフォンでAIにその場で質問し、回答が得られるので、昔とは比べ物にならないくらい外国人観光客への対応ハードルは下がっています。

外国人観光客10年の変化

私は、講師の仕事と並行して、2016年から大阪・道頓堀にある「株式会社くれおーる」という飲食事業の企業で「たこ焼き」の販売をしています。会社もお店も、道頓堀を象徴する有名な「グリコの看板」のすぐ近くなので、この10年間、道頓堀で「外国人観光客の変化」を体験しています。



道頓堀に通い出した2016年、当時は、お箸を使いこなせる外国人観光客は少なく、「スプーンやフォーク」をお箸と一緒にテーブルへ持参した経験も多かったのですが、ここ数年は、お箸でスムーズに召し上がる方が増えました。また、メニュー表は外国語でも日本食に慣れていない方が多かったので、どんな料理なのか味や食材を聞かれることも多かったです。
さらに、当時は“たこ焼き”を初めて知る外国人観光客も多く「焼いた後(販売できる状態)」ではなく「生地の状態(焼き始めの液体)」を「this(これっ)!」と、強く要求する方もいらして必死で説明したのも良い思い出です(笑)。有難いことに10年後の今では“オオサカ=たこ焼き”と認識されリピーターも増えました。
そして、一般的なニュースで取り上げられるほど、日本のマナーが全く分かっていない外国人も少なくなりました。直接お聞きしたのですが、母国にいる間に日本のマナーや食べ物など、YouTubeなどでたくさんご覧になったり、知人にもリサーチして来られるそうです。
もし今、外国人観光客へ良いイメージを持たれていない方や、受け入れに不安が募る方も、貴店の運営継続の一環として外国人観光客の来店を検討してみてはいかがでしょうか?
以下で、3つの不安と解決方法をお伝えします。

1.言語が通じるか不安

外国人観光客への対応で最も大きな不安は、意思の疎通ができないかも…ということではないでしょうか?受付での案内やトラブル対応時に言葉が通じないと、双方にストレスが生じ、クレームにつながる可能性があるので、受け入れを渋る要因の一つになっているのかもしれません。ただ、私の経験上ですが、お客様に伝えるべき最低限必要な情報の「8割」は事前に用意できます。HPやSNS、メニューやPOPで「店側から伝えたいこと」を外国語でご準備されると、当日アタフタすることもグッと減ります。続く「1割」は話す力(スピーキング)ですが、これは中学1年生レベルの英単語や、翻訳アプリがあれば十分カバーできます。そして、残りの「1割」は「聴く力(リスニング力)」。お客様が何を話しかけているのかを理解できるようになると、対応の質はさらに高まるでしょう(実はこれもアプリで解決できます)。
私の経験ですが、外国人のお客様も自ら日本語に変換された文章をスマートフォンで店員に見せてくださることが多いですし、意志の疎通は言葉だけでなく筆談やジェスチャー、表情でも伝えることが可能な場合があります。

2.文化やマナーの違いによるトラブルの不安

国によって時間感覚やマナー、価値観が異なるため、日本の常識が通用しない場面がありますが、事前にルールを明確に伝えることでトラブルを未然に防ぐことが可能です。例えば、外国人のお客様による「持ち込み飲食」「入店待ちで床に座る」「トイレの使い方(パネル操作など)が分からない」などは、店内のPOPやメニュー表に記載、トイレの中にパネルの説明POPを貼るなどで対策できます。その際、注意事項はシンプルな文章やイラスト&文字は大きめのサイズで掲示しましょう。理由を簡単に添えると理解が得やすくなります。なお、現場では強く注意するのではなく、ジェスチャーや笑顔を交えて丁寧に伝えることも、外国人のお客様に快くご理解いただける秘訣でもあります。

3.支払い・金銭対応の不安

現金のみの対応の場合や、支払い方法が限定されている場合は、外国人のお客様が戸惑うことがあります。また、通貨の違いにより、金額の認識ミスが発生する可能性もあります。
対策としては、対応可能な支払い方法を事前に明示することが重要です。支払い可能な方法リストなどを一目見て理解いただけるようなものがあると、当日の店頭でご入店前に確認いただけます。前もって、HPやSNS、メニューやPOPでの告知はもちろん必須です。
現金の場合ですが、金銭トレイを2枚用意しましょう。現金をお持ちの外国人のお客様は、大量の小銭を持たれている方も多く、例えば、端数の120円を1円と10円で払いたがる方などが存在します。お支払いに時間がかかる外国人のお客様にコミュニケーションが取れる方は、「私が(小銭を)数えましょうか?」と話しかけるのもよいでしょう。「thank you(#^.^#)」とお願いされることもあり、楽しいやりとりの一つです。こちらが急ぐ場合は、「slowly~OK~ (^^)/(=ごゆっくり♬)」と笑顔でトレイをお渡しし、待っている間に次のお客様への対応を行っても構いません。
なお、レジのトラブルを防ぐ方法ですが、まずは、Aのトレイに「お客様から預かったお金」、Bのトレイに「お釣りとレシート」を同時に見せ、お客様が支払いやお釣りに納得されてから、Aのトレイのお金をレジにしまいましょう。少々、面倒かもしれませんが、のちに「多めに払った!」「お釣りが足りてない!」などと言われないための事前の対策です。
なお、「キャッシュレス対応」だと予約や飛び込み来店の数字は現金のみよりも伸びると予想されます。

おわりに

いかがでしたか?私は、道頓堀での“たこ焼き”販売が本当に楽しいです。ほとんど一期一会の出逢いですが、外国人のお客様が当店の“たこ焼き”を召し上がった時に見せる幸せそうな表情をいつも嬉しく思います。この幸せな体験を、もっと多くの方にも経験していただきたく思います。次回は外国人観光客を受け入れるのに必要な準備についてお伝えしますね。

この記事の執筆

オフィスわんさか 代表 愛嬌接客®専門家_木村美季 きむらみき

オフィスわんさか 代表 愛嬌接客®専門家

木村美季 きむらみき

飲食業界に約34年間携わり、女将として約15年間の飲食店経営の経験を持つ。
延べ34万人以上のお客様を接客した経験から、現在は全国の商工会議所や飲食店・サービス業界にて“リピーターが生まれる接客術”「愛嬌接客®セミナー」を展開中。
元・吉本新喜劇女優というポテンシャルを最大限に活かしたノウハウ「愛嬌接客®」は商標も登録済み。

また、研修や講演・コンサルティングだけではなく、現場の生の声を忘れぬよう、世界中から旅行者が集まる、大阪で一番忙しい道頓堀にて毎週土日、「株式会社くれおーる」の店舗で訪日外国人を中心にたこ焼きを販売している。

《資格・所属など》
箕面商工会議所(登録専門家) /一般社団法人 日本ほめる達人協会 特別認定講師/一般社団法人 楽花成の会 広報(関西飲食店オーナー の会)
オフィスわんさか
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