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【小阪裕司コラム】第210回:握力計でレストランの売上が増えた!?②

【小阪裕司コラム】第210回:握力計でレストランの売上が増えた!?②

全国・海外から約1,500社が参加する「ワクワク系マーケティング実践会」を主宰する小阪裕司が商売成功のヒントを毎週お届けします。

「握力計」を試してみた他の会員も・・・

 前回、“一見なんでもないこと”、握力計がレストランの売上増をもたらした興味深い事例をご紹介したが、この話には後日談がある。この事例を当会の会報誌で取り上げたところ、他の会員らが続々と、握力計を自社・自店に導入し始めたのだ。しかもそこにはさらなる一工夫が加わった。
 そのうちの一件は動物病院。もちろん犬や猫たちが握力を計るわけでなく、彼らを連れて来た飼い主さんが対象だ。
 院長は、かくも握力計が人々の関心を引きやってみたくなるのであれば、そのコーナーに自ずと人は動く。そこに、来院客に伝えたい情報を掲示しておけば、見る人の数が増えると考えたと言うが、それは正解だ。また、院内が握力計で盛り上がれば、そういう体験、心和む“笑いと微笑ましい空間”が、長い目で見ると同院の固定客を増やすことにつながっていく。
 また別の例は、住宅展示場のモデルハウスだ。実践したのはある大手住宅メーカーのスタッフだが、同社の課題は、展示場の来場客が自社のモデルハウスの前を素通りしてしまうことだった。彼は、この握力計によって素通りさせない仕組みが作れるのではないかと思ったと言うが、それも正解だ。
 ただ、これは理にかなっているのだが、握力計に対してその“見方”ができていない人からすると意味不明な行為でもある。住宅販売と握力計のつながりが分からないからだ。単にふざけているようにしか見えないかもしれない。
 そこで彼はまず、社内(展示場ではなく、本部)で試験的に実施することにした。事前告知なしにオフィス内に、先のレストラン同様の握力計コーナーをしつらえてみたのだ。すると、やはり前例と同じく、社内の多くの人が参加し盛り上がった。この成果を踏まえ満を持して展示場に導入したところ、やはり同様の成果が出たという。

重要なのはこの事例で「握力計」をどう捉えるか

 ここで言いたいことは、単に握力計が人を引きつける良いネタになったという成功談ではない。握力計という、通常の用途では「握力を測る機器」が、ここでは何に見えるかと言うことだ。一見なんでもないこと、売上などには関係なさそうに見えるものも、実は巡り巡って大きな役割を果たすことができる。それは、私が博士号を取得した際に修めた学問の一つ、「社会システム科学」の観点からは大いに理にかなっている。そういう“見方”ができれば、商売での打つ手は大きく広がるのである。

この記事の執筆

博士(情報学)/ワクワク系マーケティング開発者_小阪裕司

博士(情報学)/ワクワク系マーケティング開発者

小阪裕司

1992年「オラクルひと・しくみ研究所」を設立。人の「心と行動の科学」をもとにしたビジネス理論と実践手法(ワクワク系)を研究・開発し、2000年からその実践企業の会「ワクワク系マーケティング実践会」を主宰。現在全都道府県・海外から約1500社が参加。近年は研究にも注力し、2011年、博士(情報学)の学位を取得。学術研究と現場実践を合わせ持った独自の活動は多方面から高い評価を得ている。2017年からは、ワクワク系の全国展開事業が経済産業省の認定を受け、地方銀行、信用金庫との連携が進んでいる。

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