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飲食店開業に際して必要となる保険への加入。万が一、加入漏れや保険対象外のトラブルが起きると、支払えないほどの莫大な額の賠償金が請求されるケースも・・・。保険は、こうしたリスクからお店を守るために重要な役割を担うのです。
今回は、飲食店経営者の方は加入が必須な3つの保険についてご紹介します。1.火災保険
火災保険とは、一戸建てやマンション、ビルをはじめとした建物と建物内にある家具や什器などの財産を補償するものです。これは、飲食店開業時に結ぶ賃貸借契約の中で加入が義務付けられている保険です。家主から火災保険の加入条件が提示され、保険会社を指定されることもあります。
火災保険に加入するとどのようなリスクを回避できるのでしょうか。さまざまなリスクから財産や設備を守ることができる!
火災保険への加入は、財産に対するリスクを回避できる点で大きなメリットがあります。飲食店には、調理器具や大型設備などを新品で購入するなど財産が多数あります。万一の事故があった場合、新品の設備のほとんどが使えなくなるなんてことも・・・。火災保険は、そんなトラブルによる財産の損害を補償してくれます。
火災保険が対象としている事故は火災だけでなく、日常生活でおこりうるさまざまなリスクが対象となります。例えば、落雷、破裂または爆発、盗難、建物外部からの物体の飛来・落下・衝突または倒壊、水災などです。補償される事故の種類は保険会社によって異なりますが、生活上起こりうる幅広い範囲のリスクを補償します。火災保険の保険料にご注意を!
火災保険にかかる保険料は、開業を控えた事業主にとって気になる点でしょう。莫大な開業資金が必要となる飲食店開業において、できるだけコストを抑えたいと考える事業主は多いはずです。
火災保険の保険料の前提は、契約者の所有物に対する損害が賠償できることに加え、設備や備品の損害を全て補填できる損害額です。つまり、仮に店舗開業に伴う費用が1000万円だったにも関わらず補償額が100万円と低額の場合は、保険料の見直しが必要ということです。
飲食店に必要となる備品をはじめとする財産は、高額なものがほとんどです。その価値に見合った補償額の保険への加入が必要なのです。2.賠償責任保険
賠償責任保険とは、お客さまとのトラブルが起きた場合に備える保険です。飲食店は、お客さまありきの商売です。それゆえ、お客さまに対するトラブルのリスクと常に隣り合わせといえます。例えば、誤って服を汚してしまったり、ケガをさせてしまったり、食中毒が発生してしまったり・・・。
これらのトラブルに対する補償をするのが、賠償責任保険なのです。加入が必須な2つの賠償責任保険
賠償責任保険には、個人向け、特定業務向けのものなどさまざまな種類があります。飲食店の場合、一般企業向けの賠償責任保険への加入が必要となります。
中でも加入が勧められる保険を2つご紹介します。
・施設賠償責任保険・・・お客さまにケガをさせてしまい、損害賠償が発生した場合にその賠償金をカバーする保険です。
・生産物賠償責任保険・・・提供した料理に問題があり、お客さまに治療費を請求された場合にその賠償金をカバーする保険です。
これらの賠償責任保険は、お客さまトラブルにおけるさまざまリスクをカバーするものです。お客さまに対する補償だけでなく、万一の訴訟費用や休業補償など、その補償範囲は多岐に渡ります。
賠償責任保険は、飲食店開業において重視すべき保険なのです。3.労災保険
労災保険とは、労働者が業務中または通勤途中に負傷や傷害、疾病もしくは死亡した場合に保険給付を行うものです。
労災保険の加入対象者は?
労災保険の対象者は、労働者本人に限りません。一定条件を満たせば、事業主本人や家族従事者に至るまで、業務に従事している人全員が加入できます。この必要な一定条件は、2つです。
①労働保険の事務処理を労働保険事務組合に委託していること
②雇用する労働者について保険関係が成立していること
口頭でも雇用契約は成立しますが、正式な契約をするためには就労規則と雇用契約書を用意する必要があります。また、所轄の労働局への届出が必須です。
このような手続きを経て、労災保険の加入対象者が広がります。労災保険の保険料は低額!?
労災保険の保険料は、比較的低額であるのが特徴です。
2018年度の飲食業における労災保険の保険料率は、0.0035%です。例えば、従業員に年間300万円の給与を支払った場合、10,500円となります。1ヶ月あたり1,000円以下の保険料であるため、それほど大きな経済的負担にはならないのです。
万一、従業員がケガや病気になってしまった場合の治療費や生活補償は、事業主が負わなくてはなりません。これが業務上の災害になると、その金額は莫大なものに。その費用は、数百万~数千万円に上るケースもあります。
飲食店にとって、従業員もお店の立派な財産です。労災保険への加入は、金銭面のリスクからお店を守ることはもちろん、大切な従業員を守ることでもあります。労災保険に加入することの意味合いは、非常に大きいのです。加入しておくと安心!使用者賠償責任保険
飲食店において、起こりうるリスクは数多くあります。そのため、ご紹介した3つの保険だけではカバーしきれないトラブルも存在します。こうしたリスクを考慮し、最適な保険への加入がすすめられるのです。
中でも、飲食業において加入がすすめられる保険として、使用者賠償責任保険が挙げられます。使用者賠償責任保険とは?
使用者賠償責任保険とは、労災訴訟から会社を守る保険です。
飲食店に関わらず仕事中のケガや病気を理由に、訴訟沙汰になるケースが少なくありません。こうした場合の従業員に対する賠償額は年々増加傾向にあり、労災保険ではカバーしきれない額になることがあります。使用者賠償責任保険は、それを補填するための保険です。
労災保険は国の制度であるため、その補償額は最低限度にとどまります。災害補償規定などの規定があれば賠償額が減額される場合もありますが、それでも賄いきれないほどの賠償額に悩むケースも。
飲食店が使用者賠償責任保険へ加入することは、非常に重要なのです。増え続ける労災訴訟リスクに備える
労災事故に対しての世間の目は、年々厳しいものとなっています。労災事故がきっかけで後遺症や死亡に至る事態になると、損害賠償金が数千万~数億円に上る場合もあります。企業に対する批判や悪評は、すぐにメディアやインターネットを通じて広がります。紳士で迅速な対応が、企業をこうしたトラブルから守ることにつながります。
労災訴訟において億単位の高額訴訟への補償があるのは、使用者賠償責任保険だけです。労災が社会問題視される昨今、万が一の労災訴訟リスクに備えておくことが重要といえるのです。まとめ
飲食店開業において、多くのトラブルが起こることが想定されます。自然災害によるもの、お客さまに対するもの、従業員に対するもの、とさまざまなリスクを抱えているのです。こうしたトラブルに備えるためには、保険への加入が必須といえます。
しかし、開業にあたって莫大な資金の用意が必要となる背景もあり、保険への加入に前向きになれない事業主の方も多いかもしれません。ただし、保険に加入していなかったために多額の賠償金を強いられ、閉店に追い込まれる可能性があるのも事実です。
開業の段階で考えうるリスクと向き合い、最適な保険への加入を検討しましょう。この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント
○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。
○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。- NEW最新記事
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