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2013年にAmazon「会社経営」「企業革新」「企業経営」「投資・金融・会社経営」で1位を獲得した本『小さくても儲かる会社をつくれた4つの秘訣』の著者・森田健太郎氏は、IT系の会社で起業しながら、ヘアサロン事業、飲食事業も立ち上げ、大成功したビジネスパーソンだ。森田氏の成功談を基に具体的に「お店」で成功する秘訣をたっぷりお話しいただいた。6回連載でお届けする。
業務効率化&スタッフのことを考えたシステム。ここから得られるものとは?
――美容院の現場に行かずともマネージメントできるシステムについて、著書『小さくても儲かる会社をつくれた4つの秘訣』にも書かれていましたね。「スタッフを評価するシステム」という形だけを見ると冷たい感じもするのですが、このシステム自体が、とてもスタッフのことを考えていらっしゃるんですね。
森田:うちの美容院は辞める人がほとんどいないんです。美容院ももちろんですが、今、人材不足が大きな問題になっている飲食業などは特に、ビジネスを継続的にうまく行かせるということを考えるならば、まずはスタッフを辞めさせないことですよ。離職率は極限まで下げる。そう、ちょうど最近、退職者がひとり出たのですが、これは2年半ぶりなんです。美容院は1年に2割が辞めると言われている業界ですから、2年半で退職者ひとりは、なかなかない数字です。そして、うちの美容院は、新しいスタッフやスタイリストの採用費がほとんどかかっていません。新たに採用する人は、スタッフの知り合いです。スタッフが「うちはいい美容院だよ。来なよ」って誘って、どんどん入っている。最近もひとり採用しましたけど、これも知り合い。その前に採用した人も、知り合い。ほとんど口コミで採用しているんです。美容院のスタイリスト採用は、広告費をかけても、なかなか採用できないんですよ。スタイリストを1人採用するのに、100万円かかることもあるくらい。だから辞めさせないというのがとても重要です。導入したシステムは、スタイリスト自身の働くことへの満足度を上げ、それが口コミ採用に繋がり、結果採用広告費を圧縮している。また、新たなスタッフは、どんなに優秀でもパフォーマンスを最大化するまでに時間が必要で、その時間は経営で言えばロスになる。そういう関連する問題をも解決するシステムなわけです。――マネージメントのシステムが、スタッフさんのためである、ってよいことばかりですね、他に、どのようなことを実施してます?
まず、ヘアサロン業界は社会保険をほとんど導入していませんから、うちは社会保険を完備しました。それから、給料も結構よいほうだと思います。美容師の平均年収は288万円といわれていますが、うちのスタッフは平均350万円ぐらいかな。しかし、それに甘んじてなくて、今取り組もうとしているのが、美容師という職業でも、いわゆる「お金持ち」になれる仕組み(笑)。「お金持ち」になれるかなれないかというのは、要するに知識があるかないかだけだから。誰もがもちろんもれなく知りたい「お金持ちになる仕組み」!
――「お金持ち」になれる仕組みを、スタッフさんに提供する?
そうです。嬉しいでしょ(笑)。「お金持ち」になれる仕組みを、ここでもわかりやすく説明しちゃいます(笑)。例えば、500万円で車を買おうとしたとします。一生懸命500万円を貯めます。そこでほとんどの人が車屋さんに行きますよね。ピカピカの車を買って、喜んで乗ります。でも5年ぐらい乗ると、新しい車種が出てきます。そこで車を買い替えようとすると、下取りしてもよくて150万円ぐらいにしかなりません。新しい車を買うのに、また350万円かかるわけです。ところが、車に乗っていた5年間のうちに350万円を貯めているかと言えば、そうでないことが多い。子どもが生まれたり、家を買ったり。お金を貯めることができずに、結局ローンを組む。そういうことをほとんどの日本人がやっていますよね。これをやっていると、絶対にお金持ちにはなれないんです。僕もいろいろなことをやって、ようやくわかってきたんですけど。まず、500万円を貯めたら、銀行に行くんです。そこで1500万円を借りてくる。500万円の頭金があれば1500万円ぐらい借りることができます。トータル2000万円になりますから、そのお金を元手として利回り10%の不動産物件を買う。利回り10%だと、だいたい1ヶ月に16万6,667円ぐらい入ってきます。不動産投資ローンの利息を1.5%、20年間固定で計算すると1ヶ月に返済するローンは7万2,381円。16万6,667円から7万2,381円を引くと、月9万4,286円が手元に残ります。車というのは、基本的にローンは5年ですから、500万円の車を5年ローンで買えば月々の支払いは8万7,420円です。つまり500万円の頭金で2000万の不動産を買ったら、その家賃収入で不動産ローンも返せるし、車のローンも返せる。さらに5年後に車を買い替えたいというときにも、資産としての不動産がある。20年後には、何回車を乗り換えていても、1500万円のローンは終わっていますから、不動産は自分のものになるんですよね。そういう風に、買う順番を間違えるから、一生貧乏というか(笑)。日本人はこのフローを知らない人が多いんですよ。――自分でやろうと思うと怖い気もしますが、この仕組みを会社が提供するんですか?
そうです。だから僕は、社内のメンバーに「お金をとにかく300万円貯めろ」と言っています。それで今度、新しく不動産事業を始めようと思っているんですよ。スタッフが300万円貯めたら、会社が3000万円出して物件を買います。頭金3000万円だったら、1億、2億の物件ですね。もし300万円を出したのなら、頭金の10分の1になりますから、その物件の家賃収入の10%をそのスタッフの取り分にする。そういう仕組みを導入しようとしています。そうすると億万長者の美容師が何人も出てくるはずなんです。美容師は年収が低いから、不動産投資などの与信が通らない。でも、会社であれば与信を持っています。「うちの会社の与信を貸してやるから、まずお金を貯めろ。そしたら20年後、何億円かの物件の10分の1の資産が自分のものになる」と。こういうシステムを導入しようとしています。だから、これからガーッと不動産を買っていく予定です(笑)。――なるほど。著書にも『海外のファンドに投資させています』と書かれていましたが、それとはまた違った仕組みですか?
そうですね。ファンドはレバレッジが悪いんですよ。最初はスタッフを香港に行かせて、香港の銀行口座を作らせて。それから僕が個人的にお金を出して、ランドバンクに投資させていたんです。それで何年かしたら償還するから、元金は僕に返してくれと。税金の処理をした後の利息はすべてお前たちにやる。そういう風にしたんです。そろそろそのランドバンクのお金も戻ってきて、まあまあ儲かりそうなのですが、たいした額にはならない。数百万儲かったところで、とうてい一生暮らす分にはなりません。それをまた運用して…と考えると、時間がかかりますよね。ところが不動産というのは、金融レバレッジが効きます。3,000万円しか手元になくても、億の物件を買えるぐらいの額を銀行から借りられる。もし3,000万円をファンドで増やしても、場合によっては6,000万になる程度。ところが不動産は、利回りにもよりますが、15年、20年後には5倍とかになるわけですよ。それは金融レバレッジがあるからなんです。だからお金持ちって、実は年収と関係ないんですよね。億万長者の年収のリストを見ると、年収500万以下がうじゃうじゃいる。だから僕も、たぶん何年後かに会ったら、資産数十億円持っていると思いますよ(笑)。お金持ちになれるかどうかは、正しい知識を持っているかどうか。そして僕は、それをスタッフのみんなにもきちんと伝えていきたいと思っています。他の店のほうが給料が1万円高いからそっちに行くとか、くだらないことを言うなと(笑)。源泉徴収、社会保険とられて、6000円残るかどうかだぞ、と(笑)。――不動産投資に対して、及び腰になることはないですか?
全然ありません。カンボジアの事業に、一体いくらぶっこんでいると思いますか?(笑) それに比べたら、不動産投資は全然リスクがないですよ。今回の新しい美容院も、出店まで4,000万円ほどかかってるんですが、ゴミになるかもしれない(笑)。でも、不動産は絶対にゴミにはなりません。僕にしてみれば、石橋たたいて渡っているようなものですね。――不動産投資のような「簡単にお金が儲かるシステム」を導入することによって、逆にメンバーの働く意欲は下がったりしてるのではないか、と思ってしまうのですが。
それはないですよ。だって、やはり儲かるまでには、15年とか20年とか、年月がかかりますから。そして、スタイリストにとって1番怖いのが年齢。40歳以上の男性美容師って、全体の5%しかいない。20人中19人がやめていく。体力的な問題、年収的な問題、いろんな問題を抱えている、そういう業界なんです。だから、年齢のハンデに対するキャリアパスとして提示するんです。>>全6回!森田健太郎ロングインタビュー記事一覧ページはコチラ
■プロフィール
森田健太郎
1967年広島県生まれ。日本大学大学院理工学研究科物理学専攻博士前期課程修了後、KDDI株式会社に入社。1年間システムエンジニアを経験し、営業部門に異動。2年後、実績が新聞、雑誌などに多数取り上げられ、注文が殺到。東京支店達成率ナンバーワンに躍進。
1998年、ヘッドハンティングによって外資系ソフトウェア会社であるマカフィー株式会社に転職。1999年に日本でナンバーワンセールスとなり、2000年8月には世界ナンバーワンセールスアワードをハワイで表彰。同年11月、最年少部長に昇進。9四半期連続で目標達成という偉業を成し遂げる。
2001年、独立系ソフトウェアベンチャー企業にヘッドハンター経由で役員として転職。入社してわずか4年で売上を13倍にする。
2006年3月、株式会社グリーンツリーを設立。初年度からホームページを容易に制作できるソフトウェア販売(CMS業界)でトップレベルの会社に躍進させる。設立から現在までずっと黒字経営を続けており、2012年11月にはホームページ累計導入社数が1,000社を超える。
2011年11月、コンビニの5倍もある美容事業に参入し、一号店を3カ月で黒字化させる。
2017年11月現在、ホームページ導入社数は約2,000社、美容室は4店舗、一般社団法人 日本優良品協会 監事なども務める。- NEW最新記事
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