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「トイレ掃除」が福を呼ぶ?~自分の素人感覚が、お客さん目線に繋がっている~【たむけんインタビュー】

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”たむけん”の愛称で親しまれているタレントのたむらけんじさん。お笑いタレントとしてだけでなく、焼肉店や中古車屋などを経営するビジネスマンとしても有名です。テレビでは決して見せない(!?)実業家・たむらけんじに迫ります!
第1回目はトイレ掃除の大切さについて語る!

今田耕司は経営者としてのたむらけんじの才能を見抜いていた!?

――『炭火焼肉たむら』などの飲食店をはじめ、たむらさんは芸人だけでなく経営者としても活躍されています。

たむら: もともとやりたいと思ってはいたんです。11~12年くらい前かな? 焼酎ブームってありましたよね? その頃、僕、今田耕司さんに可愛がってもらっていて。よう一緒に飲みに連れていってもらってたんです。その時「俺、たむけんが店やるんやったら1,000万円くらい出したってもええけどな」って言ってもらったことがあったんです。多分、商売向いてるやろうなって思ってたし、芸人のほうもあんまり上手く行ってなかったから、けっこう真剣に悩みました(笑)。でも今田さんが言うには「やるんやったら絶対に芸人辞めてな」と。「きっぱりと辞めてくれるんやったら、俺、たむけんやったら投資できるで」って。僕、先輩らと飲みに行った時とかでも、お店の汚れている場所とかあったら気になって仕方がないんです。自分の店の話で言うと、従業員にとっては毎日の職場だから、風景になって見えていない細かいところにやっぱり違和感を感じるんです。僕ね、ちょっと女性的なところがあるんでしょうね。オカンとも性格が似てるし(笑)。今田さんはそういう僕の性格を見てくれたんやないかと思います。でも細かいところに目がいく――それって、お店をやっていくのにすごく大事な事なんです。

強みは自分の目線がお客さんの目線に繋がっていること

――炭火焼肉たむら蒲生一号店が、経営者としてのたむらさんのスタートです。

『炭火焼肉たむら蒲生一号店』は、経営も何も、飲食業に関する知識がまったくない状態から始めたので、色々ありました。でもその業界のことや商売が分かってしまってるとガムシャラに突き進めないので、何も知らないまま飛び込んで良かったと思ってます。「これはやったらアカン」っていうこと、いっぱいあって。たとえばうちで出したレトルトカレー『炭火焼肉たむらのお肉が入ったレトルトカレー』は、赤と黒の2種類のパッケージで発売したんですけど、食品業界でパッケージが黒っていうのはタブーだったみたいで。黒のパッケージに対して“誰が買うねん”とか言われました。でも赤と黒、2種類のパッケージは絶対やりたかった。両方並んでたら、絶対両方買うでしょ? お店の内装をちょっとシックにするのも、「え? 焼肉屋なのに?」みたいな事も言われましたし、個室の床を絨毯にするっていうアイデアも大反対されました。いろんなものこぼれたりするし、絨毯はメンテナンスが大変やって。それはみんなに押されて、自分の意志を曲げてしまった。だけど名古屋にすごく流行ってる焼肉ビルみたいなんがあって、そこの個室は絨毯。「やられた」思いましたよ(笑)。やっぱり素人の自分の感覚がそのままお客さんの目線になってるのが僕の強みなので、そこはブレたらあかんかったなと。今だったら絶対やってると思います。僕、言い出したらけっこう頑固やから、従業員の子らはみんな困ってるのかなあ? さっき言ったレトルトカレーのパッケージも、今度新しくスパイスカレーを出したんですけど、「色、何色にしましょう?」ってなった時に「レインボー!」って言ったんです。「金箔!」って言ったこともあった(笑)。「ホンマ金かかるから止めて下さい」って、まあ言われます(笑)。

強みは自分の目線がお客さんの目線に繋がっていること

レトルトカレーの販売を巡ってキヨスクと大喧嘩!?その真相とは?

――今まで1番スタッフが困ったたむらさんのリクエストは何ですか?

今回、『炭火焼肉たむら蒲生一号店』を改装したんですけど、その内装の件は、まさにそうかもしれないです。決めてた業者さんを、まるまる変えたんです。工事も進んでたんですけど、ちょうど僕、サイパンに行っていて、そこに「これで行きます」という連絡が来たんですけど、最終的な仕上がりがめちゃくちゃダサかったんです(笑)。もう動き出してる事やから、担当してくれている業者さんと「いやいや違う、やり直して」ってやりとりをするのが普通やと思うんです。でもこれは業者選びから、イチからやり直すべきやなと思った。みんな、めっちゃ困ったと思う(笑)。どう断ったんやろうな? って思いますもん。レトルトカレーのときも、僕、自分で動いて、探した会社にお願いしたんです。「『ウチの肉使いたい』『500円で売りたい』。この2つだけクリアしてくれ」って言ったんですけど、結局出来上がってきたのが、500円でもないし、ウチの肉もたいして入ってない。食べてもそんなに美味しないし(笑)。でも出来上がってるから「どうしょうかな?」って悩みました。でも「アカンこんなもん絶対売れへんわ!」って、ひっくり返した。ちょっとタブーを犯したいところもあるんですけどね。でも僕の中でのルールはちゃんとあるんです。性格や思いますよ、ホンマに。完璧主義なところがある。抜けてる所もあるんですけどね、飽き性やし。けど、そのモードにグっと入る瞬間があるんですよ。

――でも、その「モードに入る瞬間」が、いろんなブレイクスルーを生んでいるのも確かで。『炭火焼肉たむらのお肉が入ったカレー』は、結果、最初は三店舗のみの販売だったのが、キオスクにも置かれるようになり、販売ルートも拡がっていったんですよね。それはたむらさんが自分の素人目線=ユーザー目線からブレなかったからだと思います。

そういえば、実はキヨスクさんとも喧嘩したんです(笑)。やっぱり新参者やから、希望はそう簡単に通らないんです。キヨスクさんもいろいろ決まり事がありますからね。でも僕らそんなん関係ないんです。「絶対このカレーは売れるから」って、発売開始時期も通常なら無理なタイミングだったのを、ゴールデンウィーク前に絶対に売ってもらいたかったから、「一瞬でいい、一枠でも空けてほしい」って何とかお願いして。今となっては分かってきましたが、ホンマはアカンのですよ? でもやっぱり、ビジネスはスピードやって思ってるから。「ゴールデンウィークに行けへんかったらどうすんねん!」という気持ちでいっぱいだった。結果、かなりのスピードで100万個売れて、もちろんキヨスクさんで売ったことがすごい良くて、ハマったんですよね。キヨスクさんは、その後、すごく良くしてくれたんですけど、最初は「ナメられた!」って思って突っ走った。やっぱり素人やから行けたのもあったんだと思います。今は出来ません。申し訳ないもん(笑)。

トイレ掃除を始めたきっかけは、和田アキ子とビートたけし

――"ユーザー目線"でいうと、改装された「炭火焼肉たむら蒲生一号店」で、トイレがものすごく豪華でくつろげるスペースで、たむらさんのサービス精神を感じました。

家のトイレもそうですけど、外に行った時、ちょっと他の店のトイレが汚れていたら掃除したくなるんです。で、やっぱり、ちゃんと掃除するようになってから人生がいい感じなんですよ。トイレにこだわるようになったのはきっかけがあって。「俺には何の才能もないけど、トイレ掃除だけは誰にも負けない」っていうビートたけしさんの発言を雑誌で見たんです。和田アキ子さんも、公衆便所でも汚れてたら掃除するっていう話も後から知って、「そんな芸能界のトップの人達がそんなんしてるんだったら、底辺の俺もせなアカンやろ」と、家のトイレの掃除をきっちりやることから始めたんですよ。ほんならなんかね、どんどん色々仕事入ってくるようになって。だから僕、どんなお店行っても、絶対まずトイレを見に行くんです。どんなに料理が美味しくても、トイレがめっちゃ汚かったりとかしたら、次は行かないですし。でも、いいお店、美味しいお店、従業員の人がちゃんとしてるお店は、大抵トイレが綺麗なんです。

トイレ掃除を始めたきっかけは、和田アキ子とビートたけし

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【プロフィール】

たむらけんじ
1999年に漫才コンビ「LaLaLa」の解散以降、ピン芸人として活動する。株式会社田村道場の代表取締役として「炭火焼肉たむら」「NIKUDONBURIたむら」の運営など、経営者としても活躍。松本人志、宮迫博之、さだ(構成作家)らと共演する人気番組『松本家の休日』(ABC)のDVD第6弾『松本家の休日6』(よしもとアール・アンド・シー)が発売中。
>>炭火焼肉たむら

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