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ここ数年、クラフトビールをはじめとする世界各国の特色あるビールを扱う飲食店が次々とオープンし注目を集めています。ビールそのものの個性をじっくり味わう、といったスタイルが浸透しつつある今、提供する店側としては、グラス選びにもこだわりたいところ。一体、どんなビールグラスを用意すればいいのでしょう?
ビールの種類に合わせたグラス選択
ビールはワイン同様、グラスによって大きく味が変わります。そのため、ベルギーやドイツ、イギリスをはじめとしたビール大国と呼ばれる国はもちろんのこと、日本でも話題となっているクラフトビール専門店などでは、取り扱うビールの特性を最大限に生かすためのビールグラスが用意されています。例えば、醸造所オリジナルのグラスであったり、店舗がガラスメーカーに特注したグラスであったりと、その種類はさまざま。数あるビールの種類にあわせてグラスを選ぶことは、実はとても重要なことなのです。
ビールグラスの種類
ビールの種類同様、ビールグラスもたくさんの種類があります。さっそく、主なビールグラスを紹介していきましょう。
ビアジョッキ
取っ手付きの円筒形ビールグラス。いわゆるビールジョッキと呼ばれているものです。日本でも馴染み深い形状のビールグラスで、厚手のガラスで作られたものが一般的ですが、銀製のものや陶器でできたものもあります。膨らみのあるデザインのものは、ビアマグとも呼ばれています。日本で広く親しまれているラガータイプのビールとの相性がよく、ビアジョッキで飲む冷たい生ビールの喉越しは格別です。
洗浄後はクロスで拭かず、自然乾燥後にビールを注ぐと、綺麗な泡を作ることができます。また、爽やかなビールの喉越しと冷たさを生かすために、ビアジョッキを水滴のついたまま冷やす方法をとっている飲食店もあります。日本で見られるビアジョッキに大きさの規定はありませんが、一般に、大中小と3つのサイズに分けられ、小ジョッキは200~300ml程度、中ジョッキは350~500ml程度、大ジョッキは700~800ml程度の容量です。シュタンゲ・ベッヒャー
「シュタンゲ」とはドイツ語で「棒」という意味。文字通り、棒のように真っ直ぐで背の高い形状のビールグラスで、ドイツのケルン伝統のビール「ケルシュ」(透明感のある淡い黄色のすっきりとした飲み口の辛口ビール)を飲むために用いられます。ベッヒャーはシュタンゲに比べると背が低く、やや太めの形状をしています。どちらの容量も200ml前後と、比較的小ぶりなサイズです。
ピルスナーグラス
その名のとおり、ピルスナー向けのグラス。ピルスナーとは、チェコのピルゼンで誕生した黄金色のビールで、心地よい苦味と軽やかな甘みがあり爽やかなホップの香りが特徴です。ピルスナーグラスは軽いタイプのビールとの相性が良く、容量は250~330ml程度です。
ヴァイツェングラス
ヴァイツェン(またはヴァイスビア)と呼ばれるドイツで作られた白ビール用のグラス。ヴァイツェン(ヴァイスビア)は、小麦を50%以上使用した、淡い色で濁りがあり、バナナのように甘い香りが特徴で女性からの人気も高いビールです。ドイツのヴァイツェングラスは500mlのビールを泡も含めて入る容量に作られていますが、他の国では200~300mlのものが一般的。ゆっくりと時間をかけて香りを楽しみながら飲むのに適したビールグラスです。
チューリップ型
ビールのふくよかな香りを保つと同時に泡も保つ、チューリップのような形状をした脚付きのビールグラスです。泡を保つことで香りや炭酸も抜けにくくなるので、時間をかけてゆっくりとビールを味わうことが可能です。また、グラスの縁まで満たさず、半分くらいまで注いだ状態で飲むと、芳醇な香りや味わいを最大限まで楽しむことができます。
ゴブレット・聖杯型
聖杯、つまりキリスト教の儀式でワインを入れる杯の形をした脚付きのビールグラスで、修道院で醸造されたビールを飲むために作られたビールグラスです。修道院で醸造されたビールは、アルコール度数が高いものが多く、しっかりとした重めの味わいが特徴。そのため、ゆっくりとグラスを傾けながら飲めるよう、厚手のガラスを使い、程よい重量感を持たせているのです。一方、ゴブレットは聖杯型グラスと同じ形状ではあるものの、薄いガラスでつくられているので重量感はなく、ビール以外のドリンクを注いで提供する飲食店もあります。グラスの容量は250mlほどの小さなものから、500mlほど入る大きなものまで、さまざまあります。
パイントグラス
パイントグラスは1パイント(イギリスでは20英液量オンス・568ml、アメリカでは16米液量オンス・473ml)の容量が入るビールグラス。一般に、タンブラー型、広口ジョッキ型、ラッパ型などの形状のグラスがあります。アイリッシュパブなどではお馴染みのビールグラスです。
フルートグラス
フルートグラスというと、シャンパンやスパークリングワインを思い浮かべる方が多かもしれませんが、ビールグラスとしても使われています。特に相性がいいのがフルーツビール。フルーツビールとは醸造途中で生のフルーツを漬け込み樽の中で熟成させたものや、フルーツエキスや香料を加えて熟成させたものなど、いろんなタイプのものがあります。このフルーツビールを口の狭いフルートグラスに注ぐと、香りがダイレクトに伝わるため、よりフルーティーに感じることができます。フルートグラスの容量は120ml~150ml程度です。
スニフター
スニフターとはブランデーやコニャックを飲むために使われているグラス。英語の「sniff」(匂いをかぐ)から名付けられている通り、味と共に香りを楽しむためのグラスです。ブランデー同様、グラスを揺らすことで、香りが発せられるため、個性が強く、香りのしっかりしたインディア・ペール・エールなどとの相性が抜群。時の流れと共にゆっくりと変化するビールの味わいを楽しむことができる、上級者向けのビールグラスです。スニフターの容量はさまざまですが、90ml前後のものが一般的です。
タンブラー型
タンブラーとは寸胴なグラスを指し、いわゆるガラス製の「コップ」と呼ばれるグラスです。ある程度厚みのあるガラスを使用しているため、保冷効果が高く、ビールをじっくり味わうには最適のグラスです。特に相性がよいのが、ベルギーのホワイトビールなど、色が薄めで爽やかな風味のビール。メーカーのロゴ入りグラスなども広く流通しており、そのメーカーのビール1本分がぴったり入るサイズのものが多く見られます。
ビールグラスの種類
ヤードグラス
17世紀イングランド発祥のヤードグラスは、その名が示す通り、高さが1ヤード(約1m)もあります。グラスの底はフラスコのように球体になっていて、自立することが出来ないので、専用のスタンドがついています。その昔、本場イングランドの酒場では、ヤードグラスいっぱいに注いだビールをどれだけ早く飲むことができるか?というゲームが行われていたそうです。実際に飲食店で出す場合は、多くの店でこの半分のサイズのハーフヤードグラスが用いられています。底の面が平らに加工され、自立するタイプのものもあり、本来のヤードグラスに比べて扱いやすいのが特徴。今流行の“インスタ映え”間違いなしのビールグラスです。
【居酒屋】の開業方法はこちら≫「居酒屋を開業するには?開業資金や準備、繁盛するための対策とは?」
この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント
○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。
○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。- NEW最新記事
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