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《第12回》ワンオペでもOK!飲食店の客単価アップ術24-「デザートは別腹」を誘導できる5つのキッカケ
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愛嬌接客®専門家の木村氏による、飲食店向け接客コラム第12弾!
人手不足やコスト高により、ワンオペ経営の飲食店が増えてきている昨今。忙しい中でもちょっとした接客テクニックを取り入れることで、満足度の向上だけでなく客単価アップにもつなげることができます。
本コラムでは誰でもすぐに実践できるテクニックを全24回に分けて余すことなくご紹介!
今回は、前回のドリンクに引き続き、「デザート」の注文を増やして客単価をアップするテクニックを伝授。注文率はタイミングや言葉の選び方一つで変わります。狙いを定めた一声で注文数を増やしましょう!はじめに
「デザートは別腹」という言葉をご存じの方は多いと思われます。その言葉から想像する通り「満腹でもデザートならお腹に入る(食べられる)」という意味です。
男女問わず、少食の方にはご理解いただけない事実かもしれませんが、本当なんです(笑)。これは個人の感覚だけではないようで、「感覚特異的満腹感」といって科学的にも証明されているそうです。
そこで今回は、貴店で料理だけではなくデザートもご注文いただけるような声がけと、お客様から注文したくなるようなテクニックをまとめてみました。
前回お届けしたドリンクと同じく、今回のデザートメニューは、フードメニューと変わらない売価でも原価を下げられ、さらに提供時間や手間も省ける可能性がある魅力的な商品です。
なお「デザートメニューは置かない」という店舗の場合はドリンクに変換して読んでみてください。
前回の記事はこちら 【第11回】お客様が“思わずドリンクを頼みたくなる”スタッフの特徴7選
客単価・注文点数が変わる!いい反応を生む声がけのポイント
提案のベストタイミングは「ファーストオーダー時」
忙しいワンオペ営業では、長いセールストークは不要。
大事なのは“声がけのタイミング”です。
声がけのタイミングベスト3は、1. ファーストオーダー前
2. ファーストオーダー直後
3. お食事のあと
です。
例えば、以下のような声がけをします。
この順番は、お客様の気持ちとお腹の空き容量に基づいています。1.「コーヒーと一緒にプリンセットも人気です」
2.「食後のデザート、ミニサイズもありますよ」
3.「このあと、ちょっと甘いものいかがですか?」
いくら「デザートは別腹」とはいえ、フードファイターのような量を食べられる人はまれです。多くの方は、ファーストオーダー時に魅力的なデザートがあると聞き、「食べたい!」と思ったら、お腹の容量を逆算してメインの料理を決めています。
魔法の言葉「罪悪感ゼロワード」で背中をポンと押す
特に女性客に多いのが、「もう食べすぎだからやめとこうかな…」という反応。
そんな時に有効なのが、罪悪感を消す魔法の言葉です。
例えば、
「ハーフサイズが好評です」
「シェアいただいてもOKですよ」
「こちらならカロリー控えめですよ」
このように“軽い・小さい・ちょうどいい”など少量感をアピールすることで、心のハードルを一気に下げることが可能です。
安心感やワクワク感を生む、ちょっとした「ひと声」
ワンオペの現場では、忙しさのあまり「声がけ」が後回しになることはありませんか?
でも、たった一言でお客様の心を動かすことができるんです。「甘いもの、お好きですか?」
「今日はプリンがうまく焼けたんですよ」
「コーヒーに合うプチスイーツあります」
こんな言葉を、ファーストオーダーのタイミングで笑顔でお伝えしてみましょう。あなたのほんの「ひと声」で「え?そうなんですか?」と、興味深く楽しげに返答してくださるお客様がいらっしゃいます。
機械的な接客ではなく、一言だけでも“心の交流”がある接客をすると、一気に安心感が増して自然な流れで注文したくなるお客様が増えるのです。
本日のみ、数量限定…「限定販売」で惹きつける
“数量限定”や“季節限定”という言葉を聞くと、心理的に「今しか食べられない」とオーダーしたくなる方が一定数いらっしゃいます。
例えば、「本日のみ“チーズケーキ”クリスマスバージョン」
「数量限定のあまおう乗せミニパフェ」
「仕込み分がなくなり次第終了!自家製白玉団子いりおしるこ」
こうした言葉があるだけで、デザートで特別な体験ができた!とお客様の満足度がアップします。
また、配膳する時も「今日だけ・限定」などのワードは恥ずかしがらずにしっかり伝えましょう。その言葉に魅力を感じた他のお客様から注文が入ることも案外、多いものです。「あれ、何ですか?」と言わせるための5つのキッカケ
1 ワンオペでも簡単にできる!「見た目のひと工夫」
デザートは、料理の中でも一番「写真に撮られやすいメニュー」です。
SNS時代の今、 “見た目のひと工夫”で注文率がグッと変わります。
例えば、
・茶色いチョコケーキに真っ白な粉糖を茶こしで振りかけて雪のように見せる
・白いロールケーキに緑色のミントを1枚のせてアクセントに
・ホットケーキを丸型ではなく四角の型で作って意外性をもたせる
たったこれだけで、“映える感”がアップします。
「見た目が可愛い(or綺麗)から撮影したい…注文しよう♪」と思わせられたら注文に繋がります。
2 お客様もお店もメリット大な「セットメニュー」
ワンオペの現場では、手間がかからないことも大切ですよね。デザート単体よりも「ドリンクセット」を提案すれば、効率も良く、販売単価も自然にアップします。メニューの見せ方は「コーヒーとプチデザートで+200円」など、“お得感”を出すとオーダー率はぐっと上がります。
また、冷凍スイーツ等を上手に活用すれば、仕込みや提供時間、そして廃棄も軽減されます。「セットメニュー」は、お客様も“選択の負担”が減ってWin-Winのメニューなのです。3 食後らしいムードに切り替える「空間演出」
照明・音・香り・室内の温度……ワンオペだからこそ、空間の演出は「無言の接客」になります。
例えば、食後の時間帯に合わせて少し照明を落としたり、冬であれば少し温度を上げて温かくしたり。さらに、BGMを穏やかな曲に変えたり、ドリップコーヒーの香りを漂わせたり…。
それだけでお客様の脳が「そろそろ甘いものかな」と反応するんです。
照明の明暗、音楽や香りの種類、室内の温度調整…これらを「落ち着く設定」に変更すると言葉で勧めなくても、空間が“デザートを食べたいムード”を演出してくれます。
4 お客様を楽しませるミニミニショータイム!「エンタメ演出」
先日、訪れた飲食店では店主が自らテーブルに出向き、有名な歌を口ずさみながら一握りの砂糖をデザートに降りかけていました(笑)。
お客様はその様子を楽しそうに撮影し、他のテーブルからも笑顔で注目されていました。このような「ちょっとしたアイディア」で、楽しい・美しい・感動・ムーディなど、無料で演出することもできます。当事者のお客様も周囲のお客様も喜ばれることが圧倒的に多い演出方法の一つです。
5 メニュー表の力を活用!「視覚」で印象を残す
メニュー表を見直すだけでも、デザートの注文率は上がります。
ですが、特にワンオペ店は食事のあとに再度メニューを見てもらう時間がないことも多いので、ファーストオーダーの段階で“視覚的に印象に残る”仕掛けを作りましょう。
例えば、
・写真:温かい色味(クリーム色・ベージュ)で統一
・料理名:「その気にさせる言葉」で惹きつける
(例:プリン→「食後のごほうびプリン」)
・卓上:デザートだけの小カードを卓上に添える
こうすることで、お客様の頭の片隅に“デザートの記憶”が残ります。
その記憶が残っていると、食事中に「食べたいな」から「やっぱり食べよう!」に変化します。
※注文を受ける形式がモバイルオーダーやタブレットでも、手元で見れるデザート専用のメニューリストが別に存在するとより注文に繋がりやすくなります。さらなるオーダーに繋がる応用テクニック
大前提として、大切なのはお客様お一人お一人が「今」求めている雰囲気を察知することです。お忍びでご来店されているお客様や控えめな様子のお客様にはこっそりとお知らせ。逆にお祝い目的のご来店や、賑やかなお客様には濃いめの演出(笑)など、利用シーンに合わせて工夫するとオーダー数のアップに繋がります。
なお、デザートは、老若男女・国籍問わず人気のカテゴリーですから、第10回でお伝えした、メニューをアレンジして提案するテクニックも応用してみましょう。そして「今、どのようなご様子か?」と、お客様を観察する能力も磨いてください。
第10回はこちら 【第10回】「アレンジの提案」をしてみよう
おわりに
「デザートは別腹」という言葉には、“もう少し楽しみたい”という心理が隠れているような気がします。
ワンオペ店の最大の強みは「自分の意志で行動できる」こと。お客様の様子を伺いつつ、ファーストオーダーでのご案内や他のお客様への対応、提供する様子を見て「私も頼もう!」と、心が動きます。
「まだ帰りたくない」という余韻を、お客様にプレゼントするつもりでデザートのご提案をしてみましょう。
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