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【第8回】飲食店の客単価アップ術 24~ワンオペでも簡単にできる仕掛け~⑧ドリンクやサイドメニューを自然にすすめよう
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愛嬌接客®専門家の木村氏による、飲食店向け接客コラム第8弾!
人手不足やコスト高により、ワンオペ経営の飲食店が増えてきている昨今。忙しい中でもちょっとした接客テクニックを取り入れることで、満足度の向上だけでなく客単価アップにもつなげることができます。
本コラムでは誰でもすぐに実践できるテクニックを全24回に分けて余すことなくご紹介!
今回は、客単価アップに欠かせない「ドリンク」と「サイドメニュー」のおすすめ方法をレベル別にお伝えします。思わず注文したくなる、行動心理学に基づいたテクニックは必見です!目次
はじめに
飲食店で売上を伸ばす上で欠かせないのが客単価のアップです。その中でも大きな武器になるのが、ドリンクやサイドメニューの存在です。今回は“一般的なラーメン屋“という設定で初級・中級・上級とレベル別にまとめてみました。このレベルとは、勤務年数ではなく「接客が得意か、そうでないか」で読み進めてください。今回は前半を「ドリンク」後半を「サイドメニュー」に分け、一般的な方法から、お客様が自ら注文したくなるような販売心理学を使った方法までお伝えします。
「ドリンク」のおすすめ方法
初級編:基本の声かけで提案する
ドリンクをすすめる第一歩は「声をかける習慣をつけること」です。とはいえその一言に勇気がいると思います。ですがお客様がラーメンを注文したタイミングで「一緒に飲み物はいかがですか?」と聞くと頼んでもらえる確率は大きく上がります。
◆ポイント
1. オーダー直後に聞く
ラーメンを頼んだ流れで間髪入れずに提案する
2. シンプルにわかりやすく
「ビールかウーロン茶が人気です」の一言で十分
3. 季節やシーンを意識する
暑い日なら「冷たいビール」ランチなら「アイスウーロン茶」など
◆会話例(初級)
①お客様「醤油ラーメンお願いします」
スタッフ「かしこまりました。ご一緒にビールかウーロン茶はいかがですか?」
②お客様「豚骨ラーメンください」
スタッフ「承知しました。濃い味には炭酸が合うので生ビールを一緒に頼まれる方が多いですが、いかがでしょう?」
まずは声をかける習慣を持つことが初級レベルのゴールです。
中級編:二者択一で注文を自然に誘導する
中級では「選択肢を与える」ことを意識してみましょう。そうすることで、お客様は「飲むor飲まない」ではなく「どちらを選ぶか」という流れに乗りやすくなります。
◆ポイント
1. セットを提案する
「ラーメン+ドリンクで100円引き」といった組み合わせを提示
2. 飲み物の相性を伝える
「味噌ラーメンにはビールが合います」「塩ラーメンはレモンサワーが人気です」など
3. お客様の状況を読む
昼はノンアル、夜はアルコール提案が基本
◆会話例(中級)
①お客様「味噌ラーメンお願いします」
スタッフ「承知しました。味噌ラーメンと一緒にビールを頼まれる方が多いですが、ウーロン茶とのセットもございます。どちらにされますか?」
※お客様の反応を見ながら語尾を「よろしければいかがでしょうか?」に変更も可
②お客様「塩ラーメンください」
スタッフ「ありがとうございます。塩ラーメンにはレモンサワーを合わせる方が多いですが、さっぱり飲みたい方はアイスウーロン茶を選ばれています。どちらになさいますか?」
※お客様の反応を見ながら語尾を「よろしければいかがでしょうか?」に変更も可
「おすすめ+選択肢」 を提示することで、より自然に注文を引き出せます。
上級編:観察力と特別感で最適なドリンク提案
上級になると「お客様ごとに違う提案」ができるようになります。観察力を磨き、その場の雰囲気や客層に合わせた提案で「特別感」を演出することが大切です。
◆ポイント
1. 客層に合わせる
・ビジネスマン → 仕事終わりに生ビール
・女性2人組 → カラフルなサワーやノンアルカクテル
・家族連れ → ソフトドリンクのピッチャー
2. 背景やストーリーを添える
「このレモンサワーは生搾りで、女性のお客様によく選ばれています」など
3. 雰囲気を大切にする
少人数だとしっぽり、カップルは二人の世界、ご夫婦はまったり、ご家族や大人数だとワイワイ…といったお客様のテンションに合わせるのもテクニックの一つ
◆会話例(上級)
①お客様(スーツ姿)「豚骨ラーメンお願いします」
スタッフ「承知しました。豚骨と一緒に生ビールを楽しまれる方が多いですよ。冷えたジョッキでお出ししてますが、お仕事帰りに、一杯いかがですか?」(にこやかに、お客様を見ながら会話)
②お客様(女性2人組)「醤油ラーメン2つください」
スタッフ「ありがとうございます。あの…よろしければ、女性のお客様に人気の、見た目も華やかな梅サワーは、ご一緒にいかがでしょう?(メニューを見せながら)写真を撮られる方も多いんです」(話し方は控えめながら、画像や価格などはしっかり伝える)
③お客様(家族連れ)「○○セット四つとオレンジジュース二杯ください」
スタッフ「ご注文ありがとうございます。ソフトドリンクは○○杯以上飲まれるならピッチャーの方がお得ですよ。いつも、たくさん飲んでくださってますよね?」(お客様の状況やテンションに合わせて短い会話からご注文へと変更していく)
お客様が「自分のために提案してくれている」と感じれば、自然にドリンクが追加されます。
ドリンクは利益率が高いだけでなく、食事体験を豊かにする要素でもあります。押し売りではなく“お食事をもっと楽しんでもらうためのひとこと”として提案すれば、お客様の満足度も売上も同時にアップ!ぜひ日々の接客で実践していきましょう。
「サイドメニュー」のおすすめ方法
初級:単純接触効果
心理学では「単純接触効果(ザイアンス効果)」と呼ばれる現象があります。人は同じものを何度も目にすると、自然と好感を持ちやすくなるというものです。
ラーメン屋で使うなら、メニュー表の中にさりげなく「餃子」「半チャーハン」「唐揚げ」といったサイドメニューを繰り返し配置することです。
(例)
・メインのラーメンページの下に「+餃子で大満足」
・別ページのセット欄に「半チャーハン付き」
・店内の壁POPに「唐揚げ人気No.1」の張り紙
こうして繰り返し見せることで、お客様の頭の中で「ラーメン=サイドメニューを一緒に頼むもの」という印象が刷り込まれていきます。
接客で声をかけるときも同じです。
「ご注文は醤油ラーメンですね? そちらのPOPにも書いてるんですが、半チャーハンとのセットが人気なんですけど、お客様はどうされますか?」このように会話の中に自然とサイドメニューを混ぜ込むと、「別に頼む」よりも抵抗感が薄れます。中級:アンカリング効果と選択話法
「アンカリング効果」とは、最初に提示された数字や情報が基準(アンカー)となり、その後の判断に影響する心理現象です。
ラーメン屋なら、まず「ボリュームある基準」を見せてから「普通のセット」をすすめるのが効果的です。
例えば、
「ラーメン+餃子+半チャーハンの全部セット 1,300円」
「ラーメン+餃子セット 1,050円」
「ラーメン単品 850円」
こう並んでいれば、最初に高めのセットを見せることで、次の「餃子セット」が安く感じられ、注文が入りやすくなります。
さらに「選択話法」も有効です。「単品にされますか? それとも餃子セットになさいますか?」
と聞かれると、お客様は「単品orセット」で考えるため、自然とセットの方に傾きやすい。これも販売心理学では「二者択一法」と呼ばれ、営業トークでもよく使われます。
上級:返報性の原理と希少性の原理
上級になると、お客様の感情にアプローチする心理学が効果を発揮します。
①返報性の原理
人は「もらったら返さなければ」という心理が働きます。
(例1)「お冷やです。お待たせしました。今日は空いているので、唐揚げをいつもより早くご用意できますよ」
(例2)「スープを少し味見してみてください。濃いめなので餃子と合うんです」
こうした“小さなサービス”を先に差し出すことで、お客様は「何か頼まなきゃ悪いな」と感じ、サイドメニューを選びやすくなります。
②希少性の原理
人は「数量限定」「期間限定」に弱いものです。例えば「今日だけ手作りシュウマイがあります」「夜は唐揚げが早めに売り切れるんです」こう伝えることで、心理的に“今頼まなきゃ損”という気持ちを引き出せます。上級の接客では、ただすすめるのではなく、お客様が自分から欲しいと思う気持ちをつくることが大切です。
まとめ
今回はラーメン屋の設定で解説しましたが、貴店に合わせてアレンジしてください。ドリンクやサイドメニューが、一組一品ずつご注文いただけるようになれば、客単価も月商もアップします。大切なのは、お客様が頼みたいと思うやりとりが行えるかどうかです。ぜひ何度も挑戦してください。
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