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【小阪裕司コラム】第220回:「まだ来店したことのない顧客」を作る②

【小阪裕司コラム】第220回:「まだ来店したことのない顧客」を作る②

全国・海外から約1,500社が参加する「ワクワク系マーケティング実践会」を主宰する小阪裕司が商売成功のヒントを毎週お届けします

会員特典は“エコ贔屓サービス!?

 前回、未来店のお客さんも自店の会員にできるという話をした。ワクワク系マーケティング実践会員のある飲食店が、HPでも会員登録しやすく改善したところ、未来店の登録者が続々現れた話だ。
 実は先週実践会員らとの定例オンラインサロンを開いていたら、参加者のお一人からまったく同じ話を聞いた。こちらの業種はバーである。
 同店は本格派のバー。前回の飲食店同様、会員制度がある。HPから簡単に会員登録ができるよう改善したところ、海外の方も含め、やはり未来店のお客さんが続々登録するということだった。
 HPを見ると、画面右側に「当店の会員になりませんか?メンバー登録」と表示がある。そこを開くと店主からのメッセージがあり、その下がメンバー登録フォームで、希望者は個人情報を記入し、「送信する」で完了だ。
 たしかに簡単ではあるが、記入項目は住所、電話番号など9項目に渡り、決してハードルは低くない。それでも登録するからにはよほどお得な会員特典があるかと思いきや、そういうものはまったくなく、代わりにこう書かれている。「ご入会いただくと、会員様限定の“エコ贔屓サービス”が受けられるほかイベントや限定企画にご参加いただける特典もございます」。
 ここで未来店の方々が会員登録する心理とはどういうものだと思うだろうか?それを考えるにあたって、このバーの店主から聞いたあるエピソードをお伝えしよう。
同店は先月開店30周年を迎えた。その際店主はSNSなどを通じてこう呼びかけた。「『30周年薔薇一輪キャンペーン』を開催中です」。文字通り、30周年のお祝いに、来店客にバラを一輪持ってきてもらおうという企画だが、結果、270本のバラが集まり、店内はバラで埋まったという。

会員登録で初来店のハードルが下がる仕組み

 同店はこの手のエピソードに事欠かないが、それらは複数のSNSで常に発信され、店主らと顧客の笑顔であふれている。一方HPは、店主らのこの仕事への思い、こだわり、自店をどういう場にしたいかというメッセージが満載だ。これらに触れた未来店の方々は「いつかはこの店に行ってみたい」と思うのだろう。そうして会員登録するのだが、登録することでその思いはさらに募り、実際に来店する際の心理的ハードルは下がる。なぜなら自分はすでに会員であり、SNSで見る笑顔で迎え入れられる関係だからだ。
 未来店の方々が続々会員登録する店。そういう店が持つものこそが、この時代の消費者が「店」に寄せている期待なのである。

この記事の執筆

博士(情報学)/ワクワク系マーケティング開発者_小阪裕司

博士(情報学)/ワクワク系マーケティング開発者

小阪裕司

1992年「オラクルひと・しくみ研究所」を設立。人の「心と行動の科学」をもとにしたビジネス理論と実践手法(ワクワク系)を研究・開発し、2000年からその実践企業の会「ワクワク系マーケティング実践会」を主宰。現在全都道府県・海外から約1500社が参加。近年は研究にも注力し、2011年、博士(情報学)の学位を取得。学術研究と現場実践を合わせ持った独自の活動は多方面から高い評価を得ている。2017年からは、ワクワク系の全国展開事業が経済産業省の認定を受け、地方銀行、信用金庫との連携が進んでいる。

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