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【小阪裕司コラム】第179回:「成果の出る接客」とは①

【小阪裕司コラム】第179回:「成果の出る接客」とは①

全国・海外から約1,500社が参加する「ワクワク系マーケティング実践会」を主宰する小阪裕司が商売成功のヒントを毎週お届けします。

“接客の達人”が声がけ前に行なうこと

 今回は、「成果の出る接客」のお話。ワクワク系マーケティング実践会(このコラムでお伝えしている商売の理論と実践手法を実践する企業とビジネスパーソンの会)会員のあるリサイクル・リユース店からのご報告だ。
 地域で数店舗を展開する同社、今回ご報告をいただいたのは、そのうちの1店舗の店長からだ。同社内でも「接客がすごい」と評価されている彼。彼が言うには、同店はリサイクル・リユース店ゆえ、「新品より安い中古でいい」という理由で購入される方は多い。一方、「長く、少しでも良い物を使いたい」という方も少なくない。しかし、そういう方が「これを買います」とあちらから言って来る商品は、使い方などをより聞き込んでみると、一つ二つ下の価格、スペックを選ばれていることが多いという。つまり、本人が買うべき商品の選択を誤っているということだ。そこで彼は、「これを買います」と言われる前にこちらから提案するスタイルの接客で大きな成果を上げているのだが、これが大いに参考になるものなのである。
 まず、今「接客」と言ったが、実際には彼の接客は、そのお客さんが入店する際、入り口で目を見て挨拶および軽く会釈し、ここで言葉や会釈を返してもらえるかどうかを確認することから始まる。併せて、そのお客さんがどんな車に乗っているか、どこのナンバーかなども駐車場まで把握しに行くことも行っている。
 また、いきなり声をかけることはしない。まずはしばらく店内を自由に見てもらい、その中で声かけのタイミングを図る。その際、商品を熱心に見ている、触っているようなことも見るが、それ以外にもタイミングを取りやすいように、店内数か所に配達サービスや保証などの諸々を目立つように掲示、そのお客さんの目線がどこに行っているかでその方が気になっているポイントを把握、それに対しての話から切り出すなどの準備も行う。

“達人”の意外な声のかけ方とは?

 そしていよいよ声かけとなるが、その声のかけ方が決定的なポイントだと彼は言う。「○○をお探しですか?」と断定的に声をかけると、その後の提案にうまくつながらず、最悪は「大丈夫です!」と返されやすい。ゆえに彼はこう言うのだ。「どんな感じですか?」。なんともあいまいな声のかけ方だが、結果的にはそれが大きな成果を生んでいる。そして同社ではこの彼のやり方を社内で共有し始めているが、誰もが良い結果を出せるようになっていくのである。そのカギは何か?この続きは次回に。

この記事の執筆

博士(情報学)/ワクワク系マーケティング開発者_小阪裕司

博士(情報学)/ワクワク系マーケティング開発者

小阪裕司

1992年「オラクルひと・しくみ研究所」を設立。人の「心と行動の科学」をもとにしたビジネス理論と実践手法(ワクワク系)を研究・開発し、2000年からその実践企業の会「ワクワク系マーケティング実践会」を主宰。現在全都道府県・海外から約1500社が参加。近年は研究にも注力し、2011年、博士(情報学)の学位を取得。学術研究と現場実践を合わせ持った独自の活動は多方面から高い評価を得ている。2017年からは、ワクワク系の全国展開事業が経済産業省の認定を受け、地方銀行、信用金庫との連携が進んでいる。

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